電動タイラバできるシマノ電動リール。プレイズとフォースマスター
手巻きでは不可能な完全な等速巻きが可能で、これまでキャッチできなかった真鯛も狙えるポテンシャルを持っている電動タイラバ。
最近シマノ、ダイワとも電動タイラバを意識した小型電動リールのラインアップが増えてきていて、シマノでいうとプレイズシリーズとフォースマスターシリーズがあります。
予算に余裕があるなら上位機種のフォースマスター選べば間違いないんだろうけど、できるだけお金をかけずに自分がしたい釣りをできるならそっちの方がいいですよね。
ということで300~800までサイズ別に性能や機能、金額をまとめて比較してみました。
必要な機能、逆に不必要な機能を見極めて、みなさんのタイラバ用電動リール選びの参考になれば幸いです。

300サイズ
フォースマスター300DH/301DH
ギヤ比:5.1
最大ドラグ力(kg):5.0
自重(g):410
PE糸巻量(号ーm):0.8-400、1-300、1.5-200、2-150
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):50
ベアリング数(S A-RB/BB/ローラー):8/2/1
シマノ巻上力(kg):21
最大巻上速度(m/分):155
本体価格(円):74,000
フォースマスター300DH/301DHの特徴
2015年発売。
もっともライトな電動リール!
PE0.8号から対応、自重410gという軽量さなど、ダイワ製含めても最もライトな電動リール。(自重だけ見るとフォースマスター400が軽いけど極細ライン非対応)
スマートダイヤルで片手操作OK!!
まずこの「フォースマスター300」の最大の特徴は「スマートダイヤル」でクラッチON/OFF、モーターON/OFFまですべて片手操作が可能であります。
操船しながら片手でのリール操作になることもマイボートオーナーには特にオススメの機能。
「電動超スロー巻上げ」と「超微変速制御」、「速度一定モード」機能
これらはタイラバに大変有効で、「電動超スロー巻上げ」、「超微変速制御」は超低速巻きができるうえ、低速時の巻上速度調節をより細かく設定できるという機能。
低速巻きにアタリがある時に細かいスピード調節できることで、より効果的なヒットパターンの分析ができるようになります。
「速度一定モード」は潮流などの負荷がかかっても一定の巻上速度を維持する機能。
「電動等速巻き制御」で完全等速巻きが可能に!!
また従来スプールの回転数で制御し電動回転していたため糸巻量によって巻上速度が若干変わってしまっていましたが、「電動等速巻き制御」により糸巻量に影響されず完全に等速巻きができるようになりました。
着底→巻上開始にモーターOFFが必要ない「モーター&クラッチ連動機能」!!
そしてこれもタイラバに有効なモーターONで電動巻上中にクラッチOFFにするとモーターも自動でOFFになる「モーター&クラッチ連動機能」搭載。
これまで電動タイラバにおいて、巻上後フォールさせるためにモーターOFF→クラッチOFF、そして着底後再度電動巻上開始するためにクラッチON→モーターONという手間が必要でした。
そういった手間をこの「モーター&クラッチ連動機能」で省くことができます。
ちなみにシマノ独自でダイワ製電動リールにはない機能です。
タイラバを片手操作で着底後即巻上開始したい、という要望のある方は、「モーター&クラッチ連動機能」搭載のフォースマスター一択になるでしょう。
(クラッチON後、モーターONになるまで一瞬のタイムラグはあります)
タイラバ専用電動リールといっても過言ではない!!
以上のような機能搭載、さらにダブルハンドルとほぼタイラバ専用電動リールといっても過言ではないフォースマスター300シリーズでした。
最大ドラグ力やモーターパワーは上位モデルと比べるともちろん弱くなってしまいますが、その分軽量さや細糸対応という武器を持った電動リール。
電動ライトタイラバの究極を求めるならコレしかありません。
400サイズ
プレイズ400
右巻
ギヤ比:5.5
最大ドラグ力(kg):5.0
自重(g):475
PE糸巻量(号ーm):2-200、3-150、4-100
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):58
ベアリング数(S A-RB/BB/ローラー):5/0/1
シマノ巻上力(kg):15
最大巻上速度(m/分):155
本体価格(円):50,000
プレイズ400の特徴
2016年発売。
タイラバに使える電動リールとしては最安!!
シマノ、ダイワ製でタイラバ向きの電動リールの中では実売価格約35,000円と最安。
(※シマノプレミオっていうのがもっと安いけど、タイラバ向きではない)
スマートダイヤルは非搭載!完全片手操作は難しい…
フォースマスターシリーズに搭載されているスマートダイヤルはなく、片手でのモーターON/OFF操作は難しいです。
(プレイズ800に搭載されているチョイ巻き/止めスイッチもありません)
またシングルハンドルのみでダブルハンドルモデルはなし。
ただ安いとはいえ、自重475gで十分軽量の範囲ですし、最大ドラグ力5kg、シマノ巻上力も15kgとタイラバ用としては十分のパワーを備えています。
「電動超スロー巻上げ」「速度一定モード」はついてるよ
ほかにフォースマスターシリーズにも搭載されている「電動超スロー巻上げ」や「速度一定モード」などは採用されており、潮流の負荷などに影響されずに等速巻きが可能。
以上のようにタイラバ用で片手操作が必須ではなく、予算が厳しい、安い電動リールを探している!という方にはオススメの「プレイズ400」でした。
フォースマスター400/401
ギヤ比:5.1
最大ドラグ力(kg):5.0
自重(g):385
PE糸巻量(号ーm):2-200、3-140、4-100
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):53
ベアリング数(S A-RB/BB/ローラー):8/2/1
シマノ巻上力(kg):20
最大巻上速度(m/分):155
本体価格(円):71,400
ギヤ比:5.1
最大ドラグ力(kg):5.0
自重(g):390
PE糸巻量(号ーm):2-200、3-140、4-100
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):53
ベアリング数(S A-RB/BB/ローラー):8/2/1
シマノ巻上力(kg):20
最大巻上速度(m/分):155
本体価格(円):72,500
フォースマスター400/401の特徴
2013年発売。
なぜか400の方がライトな仕様である不思議。
基本性能や搭載している機能は「フォースマスター300」とほぼ同じですが、自重が385g~390gと、「フォースマスター400」の方が軽く、「フォースマスター300」の方が若干モーターパワーが強いという不思議。
さらに300シリーズには搭載されている「モーター&クラッチ連動機能」もありません。
ただ自重が軽いというのは電動タイラバにおいて大きな武器になりますし、もちろんスマートダイヤルも搭載しており片手操作も可能。
モデルが古く「フォースマスター300」の方がオススメ
しかし300シリーズと比べると、利点は自重が20gほど軽いことと、シングルハンドルモデルがあるということぐらいしか見当たりません。
さらに値段も300の方が安いですし、特にダブルハンドルモデルは300シリーズの方がオススメで400シリーズを選択する理由が見当たりません。
プレイズ400とフォースマスター400/401の違い
大きな違いはスマートダイヤルとダブルハンドルモデルの有無
「プレイズ400」と「フォースマスター400」の違いとして、やはりスマートダイヤルのとダブルハンドルモデルの有無が挙げられます。
それ以外には「フォースマスター400」の方が自重がかなり軽いうえにモーターパワーも若干強い。
ほぼ同等仕様の「フォースマスター300」も比較すると「モーター&クラッチ連動機能」も付いてきます。
対して「プレイズ400」の最大の売りは金額。実売価格で2万円近い差があります。
最大ドラグ力や糸巻量、最大巻上速度は同じですが、その他大きな違いは以下の通りです。
- 自重:475g→385g(DHモデルは390g)
- ベアリング数(S A-RB/ボール/ローラー):5/0/1→8/2/1
- シマノ巻上力(kg):15→20
- スマートダイヤルなし→あり
- チョイ巻き/止めボタンなし→あり
- POWERFULMOTORなし→あり
- カーボンクロスワッシャなし→あり
- モーター&クラッチ連動機能なし→あり(300シリーズ)※400は無し
600サイズ
プレイズ600
右巻
ギヤ比:5.5
最大ドラグ力(kg):5.0
自重(g):470
PE糸巻量(号ーm):2-300、3-200、4-150
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):59
ベアリング数(BB/ローラー):5/1
シマノ巻上力(kg):15
最大巻上速度(m/分):155
本体価格(円):52,500
プレイズ600の特徴
2019年4月発売予定。
基本は「プレイズ400」とほぼ同じ仕様で大きくは糸巻量の違いだけ。
基本仕様、機能は「プレイズ400」と比べると自重5g軽量、ハンドル1回転巻上長さ1cm長いといったぐらいで、大きな違いは糸巻量の違いだけです。
よりたくさん巻けるようになり、ディープタイラバやタチウオなど深場を狙うことが多い方は400より600ですね。
フォースマスター600/601
ギヤ比:5.1
最大ドラグ力(kg):8.0
自重(g):495
PE糸巻量(号ーm):2-300、3-200
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):53
ベアリング数(BB/ローラー):9/1
シマノ巻上力(kg):46
最大巻上速度(m/分):195
本体価格(円):83,500
ギヤ比:5.1
最大ドラグ力(kg):8.0
自重(g):500
PE糸巻量(号ーm):2-300、3-200
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):53
ベアリング数(BB/ローラー):9/1
シマノ巻上力(kg):46
最大巻上速度(m/分):195
本体価格(円):83,500
フォースマスター600の特徴
2018年(601は2020年)発売。
「フォースマスター300/400」からより近未来的なデザインに変わりました。
タッチドライブが新登場!!
大きな違いは「スマートダイヤル」から「タッチドライブ」に変更されたこと。
「タッチドライブ」とは従来のダイヤルを回すのではなく、増速、減速操作をシーソー型感圧スイッチで行う機構。
親指の屈伸動作で微妙な速度調節ができますが、1回押すごとに1速ずつ変速できる機能もあります。
ダイヤルでは1速ずつ調整しようとすると勢い余って2速以上変速してしまうこともありますが、タッチドライブだと1速ずつ確実に変速できます。
タイラバにおいては超スロー巻きで1速ずつスピード変化させていきたい時に役立つでしょう。
スピードクラッチも新登場!!
また、新機能「スピードクラッチ」を搭載しています。
従来はクラッチOFF時はクラッチをプッシュしていましたが、ON時はスプールの横にあるリターンクラッチレバーをプッシュするか、ハンドルを回すなどスプールから一度指を離す必要がありました。
しかし「スピードクラッチ」搭載でクラッチON/OFF動作ともにクラッチをプッシュすることで可能になります。
これによりサミングしながらフォールしている時に、片手でスプールから指を離さずクラッチONすることができます。
フォール速度を速くするため極力ブレーキを掛けずにフォールさせると着底時にバックラッシュすることがありますが、サミングしながらフォール、着底、クラッチONまでの一連の動作が片手で可能になります。
「MUTEKI MOTER+」「海底・魚群水深表示」「Sコンパクトボディ」など
他に「MUTEKI MOTER+」搭載でトルク、パワー、耐久性がアップ。
「海底・魚群水深表示」機能で船に探検丸親機が搭載されていれば、リール単独で水深、海底変化、魚群反応まで表示することができます。
「Sコンパクトボディ」によりリール本体がコンパクトになってだけでなく、従来左手側にあった電源ケーブルが右側に移動。
これにより握りやすさ、操作性がアップしています。
その他もちろん以前からの「モーター&クラッチ連動機能」「超微変速制御」「電動等速巻制御」などタイラバに有効な機能は引き続き搭載されています。
ドラグ音が鳴る!「e-エキサイティングドラグサウンド」搭載!!
最後にちょっとした機能ですが、「e-エキサイティングドラグサウンド」という機能も搭載されています。
これはドラグが引き出されたときに「ピッピッピ…」と電子音が鳴る機構でこれまでの「ジッジッジ…」とは違い近未来的なドラグ音システムです。
以上、最新機種ならではの新機能がたくさん採用された「フォースマスター600」。
チョイ深場や大型真鯛の可能性のある電動タイラバをしたい方にはちょうどいいサイズです。
プレイズ600とフォースマスター600の違い
「プレイズ600」と「フォースマスター600」との実売価格差は約15,000円~20,000円。
同じ600でありながらドラグ力やモーターパワーが段違い。
というのも「プレイズ600」は「プレイズ400」を糸巻量を増やしただけのモデルのため、糸巻量基準で600サイズにカテゴリーされているためです。
それだけでなく、「フォースマスター600」には新機能もたくさん搭載されていますので、以下箇条書きにて大きな違いを書いておきます。
- 最大ドラグ力5kg→8kg
- 自重475g→495g(600DHは500g)
- ベアリング数 BB/ローラー5/1→9/1
- シマノ巻上力15kg→46kg
- 最大巻上速度155m/分→195m/分
- タッチドライブなし→あり
- クイックリターンクラッチ→スピードクラッチ
- 海底・魚探水深表示機能なし→あり
- MUTEKI MOTOR+なし→あり
- Sコンパクトボディなし→あり
- ダブルハンドルモデルなし→あり
- モーター&クラッチ連動機能なし→あり
- 超微変速制御なし→あり
- ファイアマッハシステムなし→あり
- 電動等速巻制御なし→あり
- e-エキサイティングドラグサウンドなし→あり
- チョイ巻き/止めボタンなし→あり
これだけの機能の差があって実売価格2万円弱であれば、「フォースマスター600」の方がお買い得感あり。
800サイズ
プレイズ800
右巻
ギヤ比:5.1
最大ドラグ力(kg):10.0
自重(g):615
PE糸巻量(号ーm):3-300、4-250
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):70
ベアリング数(S A-RB/BB/ローラー):6/2/1
シマノ巻上力(kg):49
最大巻上速度(m/分):190
本体価格(円):55,000
プレイズ800の特徴
2017年発売。
シングルハンドルのみでダブルハンドルモデルはありません。
チョイ巻きスイッチ登場!しかし…
チョイ巻き/止めスイッチがプレイズシリーズ初採用により、片手操作がなんとか可能になります。
ただ、モーター&クラッチ連動機能は搭載していないため完全片手操作しようとすると、着底後巻上開始までクラッチON→チョイ巻きスイッチONする間の一瞬タイムラグができます。
さらにチョイ巻きスイッチは任意の設定スピードでの巻上のため変速はできないですし、自重600gオーバーはちょっとシンドいかも。
ということで操船が忙しい時とかだけに使う程度で完全片手操作はできなくはない、ぐらいの補助的に考えておいたほうが良さそうです。
その他、「MUTEKI MOTOR+」採用によりモーターパワーが大幅にアップしています。
ちなみに「プレイズ1000」もラインアップにありますが、糸巻量の違いだけでほかスペックは同じです。
フォースマスター800
右巻
ギヤ比:4.4
最大ドラグ力(kg):11.5
自重(g):545
PE糸巻量(号ーm):2-470、3-300、4-230、5-180
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):61
ベアリング数(S A-RB/BB/ローラー):8/2/1
シマノ巻上力(kg):59
最大巻上速度(m/分):190
本体価格(円):79,000
フォースマスター800の特徴
2015年発売。
こちらもシングルハンドルモデルのみ。
従来型のスマートダイヤル。完全片手操作ももちろん可能。
少し古めのモデルということで「フォースマスター600」に搭載されている「タッチドライブ」ではなく、「スマートダイヤル」搭載。
その他フォースマスターシリーズおなじみ「電動超スロー巻上げ」や「超微変速制御」、「電動等速巻き制御」「速度一定モード」「モーター&クラッチ連動機能」などもちろん搭載しており電動タイラバ、そして完全片手操作可能になっています。
軽くてモーターがパワフル!!
そいてこの「フォースマスター800」最大の強みがなんといってもそのパワーです。
最大ドラグ力11.5kg、シマノ巻上力59kgという、本格的なジギングにも対応できうるパワーを持っています。
さらに「CI4+」ボディで自重545gという軽さも両立しているため、かなり幅広い釣りに使う事ができるでしょう。
プレイズ800とフォースマスター800の違い
大きな違いは「スマートダイヤル」や「モーター&クラッチ連動機能」の有無
「プレイズ800」ではチョイ巻きスイッチ採用されたものの、完全片手操作をしたいのであれば「フォースマスター800」の方が便利。
ただ、このクラスでこの自重になってくると片手操作の機会も減ってくるかと思うので、片手操作不要であればパワーはそこまで大きな差はないです。
モーターパワーも「MUTEKI MOTOR+」がプレイズシリーズ初採用により遜色ありません。
400、600シリーズでは性能にかなり大きな差がありましたが、「プレイズ800」と「フォースマスター800」の差は少し小さくなった感があります。
- 最大ドラグ力10kg→11.5kg
- 自重615g→545g
- ベアリング数(S A-RB/BB/ローラー)6/2/1→8/2/1
- シマノ巻上力49kg→59kg
- スマートダイヤルなし→あり
- モーター&クラッチ連動機能なし→あり
- 超微変速制御なし→あり
- ファイアマッハシステムなし→あり
- 電動等速巻制御なし→あり
- e-エキサイティングドラグサウンドなし→あり
- チョイ止め機能あり→なし(チョイ巻きはどちらもあり)
以上の機能差で実売価格約15,000円の差。
完全片手操作を重要視しないのであれば「プレイズ800」でも十分使えそう。
まとめと電動タイラバにオススメ電動リール2選

以上プレイズシリーズとフォースマスターシリーズの比較をしてきました。
シリーズ通しての大きな違いは片手操作に便利な機能の有無
すべてのサイズを通して大きな違いは「スマートダイヤル」や「タッチドライブ」など、片手操作に便利な機能が付いているかどうかで、片手操作をたくさんしたい方は迷わずフォースマスターシリーズの選択になるでしょう。
逆にそこまで片手操作を希望しないのであればプレイズシリーズでも電動タイラバには十分なパワーを持っています。
以上の違いを踏まえた上で個人的に電動タイラバにオススメは、
「フォースマスター300DH」と「プレイズ400」の2機種。
分かりやすくそれぞれもっとも小型の機種であります(笑)
というのも電動タイラバ専用と考えた時に600以上のパワーまで必要ではなく、300~400で十分なためです。
パワーが小さい代わりに、タイラバでは大きな武器となる軽量であり、極細ラインを使う事もできます。
電動タイラバ専用ではなく、電動ジギングやノマセ釣りなど青物なども対象になる釣りを兼用したいなら600以上がいいと思います。


