桜マーク付きライフジャケット(タイプA)の選び方。自動膨張式がおすすめ!
桜マーク付きライフジャケットとは?
- 桜マークとは?
- ライフジャケットの種類と選び方
- 釣り用のコスパ最強ライフジャケット紹介
ライフジャケット着用義務化?とりあえず着用してればいいんでしょ?
釣り具にお金かけたいからとにかく安いのでいいや!
そんな感じで軽視されがちだったライフジャケット(救命胴衣)、平成30年2月から全面義務化となったわけですが、そもそもそれまでは義務ではなかったのが意外?でしょうか。
ライフジャケットはボートフィッシングにおいて命に関わるもっとも大事な物のひとつ。
自動車でいうとシートベルトみたいなものですが、それほど着用率が高まっていないのも事実です。
本記事ではライフジャケットの必要性や義務化となった桜マークについて、また安全面、コスト面に優れた桜マーク付きライフジャケットもご紹介します。
ライフジャケット着用義務化について
まず、ライフジャケット着用義務化について簡単に説明。
義務化されることになった理由としては、やはり着用者の意識が薄いということが挙げられます。
シートベルトも十数年前までは着用率が低かったようですが、取り締まりや着用の普及活動によって現在では運転者で99%(2021年、JAF調査)の着用率とのこと。
一方ライフジャケットはおよそ50%(国土交通省調査)と意識の低さが伺えます。
しかしライフジャケット着用により海中落水時の生存率が2倍以上になるという調査結果もあり、その必要性はシートベルトと同等以上かも。
そして違反した船長には違反点数2点が課され、再教育講習を受けないといけません。
さらに累積点数によっては免許停止の処分もありうる。
ライフジャケットは違反点や罰金があるから着用する、という理由もそうですがなにより自分の命を守るために着用するという意識を持ちたいですね。
ライフジャケットの種類
続いて現在販売されているライフジャケットの種類について。
用途によって選び方が異なりますが、本記事では主に釣り用でのメリットやデメリットをご紹介します。
国の基準→桜マーク入りで釣り用としてはタイプAが必要
ライフジャケットであればどんなものでも良いのかといえばそうではなく、平成30年2月の着用義務化と同時に国の安全基準を満たしたライフジャケットである必要があります。
いわゆる以下の桜マークが着いているライフジャケットですね。
さらに以下のようなA,D,F,Gの4種類のタイプがあります。
基本的に海でプレジャーボートや遊漁船で釣りをする場合はタイプAが必要です。
今回の法改正で改めてライフジャケットの買替が必要な場合はこのタイプAの桜マーク付きを最低限選びましょう。
海での船釣りするなら桜マーク入り+タイプAのライフジャケットを選ぼう!
ジャケット式と腰巻式と肩掛け式
続いてライフジャケットの形状ですが、メジャーなものとして大きく「ジャケット式」「腰巻(ウエストベルト)式」「肩掛(ショルダー)式」の3種類。
それぞれメリット、デメリットを挙げてみます。
ジャケット式
ジャケット式の強みは何より安全面です。
海上保安庁の人たち着用していることからも分かるように、このジャケット式が一番安全なのでしょう。
値段も安く浮力が高いものも多いので、見た目、機能性を気にしなければ最強です。
冬は防寒にもなるよ!
逆に夏は暑いし、ジギングなどアクションする釣りの時は邪魔ですので、そんなの気にしねえ!という「漢」な方意外は以下の膨張式のものを買うのが無難と思われます(笑)
肩掛け式(ショルダータイプ)
ショルダータイプのライフジャケットの最大の強みは、落水後に仰向けの姿勢に安定しやすいこと。
しかし肩掛け式やジャケット式でもサイズ調整を怠ったりバックルを固定していないと落水時に脱げる可能性がありますので、きちっと着用しましょう。
肩周りが邪魔になるのがデメリットですが、最近は小型で軽量なものも増えてきてる!
腰巻式(ウェストベルトタイプ)
最近もっともメジャーかもしれない腰巻式はとにかく釣りの邪魔にならず、スタイリッシュ。
膨張時の安定感は肩掛け式の方が優れるかも。
オススメは腰巻式
以上のメリット、デメリットを考慮したうえで、個人的には腰巻式がもっともオススメ。
理由は普段邪魔になりにくく、落水時に泳ぎやすいという2点が大きな理由です。
落水時にちゃんと膨張する?という不安がありますが、これはまずは桜マーク付きの信頼できる商品を選ぶことと、ボンベなど定期交換が必要なものはこまめに確認することでほぼ解消できるハズ。
最近はインジケータにより不調を見た目で判断できる機能もあり、そういったライフジャケットであればより安心できます。
安全面を重視するなら肩掛け式がオススメ!
手動膨張式と自動膨張式
最後に膨張式の場合は手動膨張式と自動膨張式の2種類あります。
手動は落水時にひもを引っ張ると膨張、自動は落水時に水を感知して膨張するものです。
これは必ず自動を選ぶべきです。
ライフジャケットは自動膨張式が必須!
最も大きな理由は、落水時に衝撃を受けて気を失ったりパニックになる可能性があるから。
気を失った状態で落水しても手動だと膨張させることができません。
自動膨張式であれば気を失い落水した場合でも海上で浮遊できるので救助してもらえる確率があがります。
逆に自動膨張式で不安なのは、降雨や何らかの形で水を浴びてしまって誤作動で膨張してしまうこと。
しかし国土交通省の認定した商品(桜マーク付き)であれば、型式承認検査でいろんな角度から20分ほど流量600 ㍑/hで水を噴霧した上でも誤作動せず、落水時には膨張するという不注意膨脹試験というのが行われてます。
通常の雨では考えられないような水量での試験をクリアしていますので、誤作動の心配もそこまでは必要なし
また、安いライフジャケットにありがちな、落水時に膨張した後にバックルを止めないといけないタイプもあります。
落水時に気を失っても大丈夫なようにせっかく自動膨張式を選択しても、結局手動でバックルを止めないといけないのでは自動の意味があまりないので、バックルを止めなくてもよいタイプを選びましょう。
オススメのライフジャケット
ライフジャケットはダイワ、シマノ、ヤマハなど有名メーカーから高階救命器具(BLUESTORM)などいろんなメーカーから販売されています。
「ライフジャケット」で検索すると膨大な種類の商品がヒットしますが、その中からボートフィッシングにおいて安全面重視でオススメの商品を何点かご紹介。
高階救命器具(ブルーストーム)
もっともオススメなのが高階救命器具。
筆者も愛用中。
昭和10年創業で救命胴衣を製造販売している老舗メーカー。
「ブルーストーム」というブランドで販売されており、ほか有名メーカーのものよりスペックが良いわりに安くコスパに優れる。
また「3点ベルト」方式により浮遊姿勢の安定感や反転能力、口元の高さなどに優れるなど、ライフジャケットとしての基本的な性能もしっかり確保されており安心感があります。
以下メーカ公式の落水実験動画で開き方や安定感を確認してみてください。
(3:57~BSJ-5220RS)
紹介されてるのは旧型モデルですが、ブルーストームが特許を取得している「3点ベルト」により現行モデルでも同等以上の安定性。
落水後自動で膨張し、あおむけ、うつぶせ姿勢どちらでもしっかり頭は水上にでるような姿勢を保ってくれています。
漁師さん向けや消防など業務用救命胴衣も製造しておりメーカーとして信頼性は間違いないでしょう。
ということで、ブルーストームのおすすめライフジャケットを数点ご紹介。
もちろんすべて桜マーク付き、Aタイプの自動膨張式です。
腰巻式
これまでのライフジャケット考察の上でもっともオススメはコレ!!
ティバノウエスト BSJ-5620RSⅡ
- 炭酸ガスボンベとカートリッジの装着状態が分かるダブルインジケータ搭載
- 18g炭酸ガスボンベ使用、初期浮力約11.5kgの高浮力タイプ
ボンベとカートリッジ、それぞれの状態が確認できるダブルインジケータでメンテナンスしやすく、ガスボンベ容量も大きく高浮力。
それでも実売価格は15,000円付近と金額に対して高性能でコスパ最高。
ソバーウエスト BSJ-5920RSⅡ
- 炭酸ガスボンベの装着状態が分かるシングルインジケータ搭載
- 16g炭酸ガスボンベ使用、7.5kg以上/24時間以上(初期浮力約9kg)
- スリムで安価なスタンダードモデル
上記ティバノウエスト(BSJ-5620RSⅡ)と比較すると、ガスボンベに対するインジケータのみ(カートリッジのインジケータが無し)、またガスボンベ容量が16gと少し小さめなモデル。
その分実売価格は1万円少々とお安くなってます。
モーゲットウエスト BSJ-9320RSⅡ
- 炭酸ガスボンベの装着状態が分かるシングルインジケータ搭載
- 16g炭酸ガスボンベ使用、7.5kg以上/24時間以上(初期浮力約9kg)
- レールシステムにより従来製品より小型化
ソバーウエスト(BSJ-5920RSⅡ)と同等性能を持つ小型タイプ。
軽量で釣りの邪魔になりにくく、夏も暑くなりにくいのがメリットですね!
肩掛け式
もし肩掛けを選択されるならオススメは以下3商品。
ティバノ(BSJ-2620RSⅡ)
- 炭酸ガスボンベとカートリッジの装着状態が分かるダブルインジケータ搭載
- 18g炭酸ガスボンベ使用、初期浮力約11.5kg
ダブルインジケータ×18gガスボンベで高浮力タイプ。
肩掛け式の中では最も安心感のあるモデル。
ソバー(BSJ-2920RSⅡ)
- 炭酸ガスボンベの装着状態が分かるシングルインジケータ搭載
- 16g炭酸ガスボンベ使用、7.5kg以上/24時間以上(初期浮力約9.0kg)
- スリムタイプ
ブルーストームのエントリーモデルで上記ティバノ(BSJ-2620RSⅡ)より少しお安いモデル。
エントリーとはいえ、シングルインジケータ、16g炭酸ガスボンベ搭載と最低限以上の性能はあります。
さらに従来の肩掛け式ライフジャケットと比べてスリムタイプで邪魔になりにくいのもポイント。
モーゲット(BSJ-8320RSⅡ)
- 16g炭酸ガスボンベ使用、初期浮力約9.0kg
- 約1/2がメッシュ、軽量で暑くなりにくい
- インジケータは非搭載
肩掛け式ですが、本体の下部約1/2がメッシュ素材になっていて暑くなりにくく、軽量なモデル。
インジケータは非搭載ですが、ボンベ容量16g、初期浮力約9kgは上記ソバーと同じ。
ダイワ
続いてダイワの製品、もちろん桜マーク入り自動膨張式のライフジャケットをご紹介。
販売価格はブルーストームと比較すると若干高めですが、調整できるサイズ幅が広い、また選べるカラーが多いなどの特徴があります。
腰巻式
DF-2709
- インジケータ非搭載
- 16g炭酸ガスボンベ使用、7.5kg以上/24時間以上(初期浮力公表なし)
- 調整域の広いウエストベルト(55cm〜140cm)
- カラーバリエーションが豊富
浮力は上記ブルーストームと同等でありますが、こちらはインジケータが非搭載。
その分価格は安めに設定されていますが、この「DF-2709」最大の特徴はウエストサイズが55~140cmと調整幅が広いこと。(ブルーストームは70~100cm)
細身の女性の方や大柄な男性には「DF-2709」オススメです。
DF-2222
- 炭酸ガスボンベとカートリッジの装着状態が分かるダブルインジケータ搭載
- 7.5kg以上/24時間以上(初期浮力公表なし)
- 調整域の広いウエストベルト(70cm〜130cm)
- 軽量な小型タイプ
ガスボンベとカートリッジの状態が一目でわかるダブルインジケータ搭載。
さらに邪魔になりにくい小型タイプでありながらウエストベルト調整域も広いという使い勝手の良いライフジャケット。
難点は約20,000円という金額でしょうか。
その他
ほかにヤマハ、シマノなどのライフジャケットもありますが、正直見るべき性能はありません。
ブルーストームの安価モデルであるソバーウエスト(BSJ-5920RSⅡ)より浮力など若干劣るスペックのうえにブランド代のためか金額も高いです。
どうしてもこのメーカーじゃないとイヤだという方以外は、スペックだけ見ると高階救命(ブルーストーム)かダイワの2択だと思います。
番外編(BEWAVE オーシャンWR-1)
ただそうはいっても少しでも安く買いたいという方へ。
桜マーク付きで自動膨張式タイプAを満たした最低限の機能をもったもう少し安価な商品があります。
- 浮力:19.6kgf(ボンベ33g)
- ウエストサイズ75~120cmで適応体重200kgまで
と先ほど紹介した高階救命の上位モデル並みのスペックでありながら低価格という商品です。
おそらくブランド代が乗っていない点で安価にできているということと、もう1つ大きな理由があり、以下メーカーの膨張実験をまず見てください。
膨張後にバックルを手動で締めていたのがわかりましたでしょうか?
※2:20あたり
先ほどのブルーストームやダイワのライフジャケットは膨張後の形状が体の前面まで覆うことができる円形のためバックルを締める必要がなく、膨張後に特に何もしていないのが確認できます。
一方この商品は膨張後のライフジャケットの形状が「コ」の字型のため手動でバックルで止める必要があるタイプなのです。(バックル固定しないと不安定)
これが金額が安い大きな理由だと思いますが、これではせっかく自動膨張式を選択する意味が薄れてしまいます。
ということで先ほどオススメしたブルーストームかダイワの商品がやっぱりオススメ!
さらにタイミングによっては先ほどオススメしたブルーストームシリーズと金額があまり変わらない時も。
金額が大きく変わらないなら、絶対ブルーストームの方がイイ!
オススメライフジャケットまとめ
- 腰巻式:ブルーストーム ティバノ「BSJ-5620RSⅡ」
- 肩掛け式:ブルーストーム ティバノ「BSJ-2620RSⅡ」
他商品より少し金額は上がりますが、初期浮力や膨張後の形状など高性能なライフジャケットで、安全面重視であればこれで間違いないでしょう!
泳げない筆者もこれを使ってます。幸いまだ出番はない。
命を守ってくれるものですのでこの数千円はケチるところではなく、どちらかというとまずはロッドやリールなど釣具のほうをケチってでもお金をかけるべきでしょう。
なかなか出番がなくて着けてればいいや、ってなりがちではありますが、この桜マーク入りライフジャケット着用義務化の機会に、ぜひ一度検討してみて下さいね!
最後に…
では最後になりますが、どのライフジャケットを選んだとしても高価、安価は関係なくきちっと着用して初めてライフジャケットの機能が働きます。
近場で慣れたポイントだから、海上保安庁がいないから、もうすぐ帰港だから…などの理由があっても必ずしっかり着用してください。
船の事故で多いのは意外と港の近くであったり、帰港途中だったりします。
自分や同船者、家族、友人、知人を悲しませることのないよう船に乗る前にライフジャケットをしっかり着用し、下船してから脱ぐ、ということを心掛けましょう。
そしてライフジャケットのボンベは定期交換(2~3年)が必要です。
定期的なメンテナンスも必ず行いましょう!