シマノ20「バルケッタFカスタム 150DH」インプレ。タイラバ、スーパーライトジギング、エサ釣りにもオススメ。
「バルケッタFカスタム 150DH」買ってみた!
なんとか給付金やPayPayキャッシュバックなどにより調子に乗っている筆者、先日購入したシマノタイラバロッド「エンゲツSS B66ML-S」に続き、同じくシマノのリール「バルケッタFカスタム 150DH」も買っちゃいました。
タイラバやスーパーライトジギング、タチウオやエサ釣りなど幅広く使いたい!ってことで、専用リールではなく汎用にしてみた。
さらに2020年新型モデルでフォールレバーやICカウンター搭載、さらに金属フレームや高い防水性能など、約2万円という価格に対して高性能なコスパに優れるリールということで「バルケッタFカスタム 150DH」に決定。
2022年現在、タイラバに使えるコスパ最強リール(マイボ!独断による)
時代の波に乗って日本経済に貢献を!っていう名目で買ってしまったワケですが、さっそくタイラバにライトジギングに実釣してきたのでそのインプレをお届けします!
いつものごとく自分が購入した道具には甘めの査定をする人ですから、30%割引ぐらいの感じで読んでねw
「バルケッタFカスタム 150DH」スペックと写真たち
まず「バルケッタFカスタム 150DH」のスペックや商品写真。
スペック
- フレーム材質:アルミ(HAGANEボディ)
- ドラグ材質:カーボンクロスワッシャ
- X-SHIP
- Xプロテクト
- LEDバックライト付デジタルカウンター(電池交換可能)
- カウンタースピード表示
- メトロノーム音
- フォールレバー
- エキサイティングドラグサウンド
- レベルワインド連動
- ギア比:6.9
- 最大ドラグ力:5.5kg
- 自重:225g
- PE糸巻量:0.8-400、1-330、1.5-200
- 最大巻上長(ハンドル1回転):69cm
- スプール寸法(径/幅):32/22mm
- ベアリング数(BB/ローラー):5/1
- ハンドル長:55mm
- 本体価格:31,500円
これだけの性能で実売価格は2万円少々と新型モデルだけあってコスパ抜群。
冒頭でも述べましたが、特に太字部分のフォールレバー×カウンター、アルミフレーム、高い防水性能、ドラグ音などの機能が個人的に高ポイント。
同等のリールでタイラバ専用「炎月CT」との選択で悩みましたが、決め手となったのは自重で「バルケッタFカスタム 150DH」の方が25gも軽量であるのです。
とはいえカウンター非搭載のタイラバ専用リールと比較すると200gオーバーと重めだから少し心配はありました。
ちなみにPayPayモールでキャンペーン時にPayPay支払いすれば約20%のキャッシュバックが。
定期的にPayPayキャンペーン開催されてるようなので、要チェック!
商品写真
続いて商品写真をさらーーっと。
高級感はそこまでないけどアルミボディで最低限の質感と、カウンター付きリールにありがちな「いかにも船釣り用でダサい!」ではなくスタイリッシュさも。
余談だけど、オレンジカラーがアクセントのシマノ「バルケッタ」シリーズはタイラバはじめライトゲーム向けには現在4種類のラインアップ(いかにも船釣り用!な「バルケッタSC」は除く)。
安い順に「バルケッタBB」「バルケッタ」「バルケッタFカスタム」「バルケッタプレミアム」とあるけど、高くなるにつれてオレンジの主張が控えめになってる気がする。
ラインを巻いたらスプールのオレンジも隠れちゃうし、「バルケッタFカスタム」ぐらいが控えめでちょうどイイなというのは、個人的な感想。
BBはハンドルまでオレンジで結構派手!
電池交換のためにシマノに修理依頼しなくていいのは便利ですな。
「バルケッタFカスタム 150DH」はじめダブルハンドルモデルはハンドル長が55mmと、シマノのタイラバ専用リール「炎月」シリーズの51mmより若干長め。
タイラバ以外にSLJ(=スーパーライトジギング)のアクション時とかエサ釣りで仕掛けの回収とか、地味に役立つ。
「バルケッタFカスタム」最大の売りである「フォールレバー」。
従来ダイヤル式であったブレーキをレバー式にすることで、より簡単にブレーキ調整ができるように。
さらに水深だけでなくフォールスピードも数値化され表示されるカウンターとの組み合わせで、よりロジカルなゲームフィッシングをエンジョイできる。
カッコつけて英語を並べてみましたが、要は合理的な釣りを楽しめる。ってことですな。
このフォールタイラバについてのインプレも後で詳しく。
カウンターは暗い時にも見やすいLEDバックライト付き。
これで24時間釣りが楽しめますねw
カウンター、フォールレバー付きリールとしては2022年現在最軽量の225g。
フォールレバーってロッドを握っている片手で操作ができるというのが強みだと思うんですが、片手で操作可能な範囲は上記写真の感じです。
両手で操作すればもっと弱くもできるし、強くもできる。
ただ、上の写真以上ブレーキを弱めると仕掛けの着底時にノーサミングだとバックラッシュするレベルだし、これ以上強めるとブレーキキツすぎ感が。
ということでフォールレバーを片手で操作できる範囲が実用設定域とうまく設定されてる。
組み合わせたシマノ「エンゲツSS B66ML-S」もフォールタイラバに好相性!とうたわれているロッドで、実際握りやすさは抜群。
だけどフォールレバーの片手での可動範囲に関しては、他社製ロッド含め従来通りのグリップとの組み合わせも試してみましたがそんなに差はなかった。
「エンゲツSS」も自重が重いとか不安点もあったけど、とにかく握りやすく疲れにくい、さらにパワーファイトもできるってことで手放せない1本に。
ちなみにこのロッド、エンゲツSSインプレッションはコチラで。
「バルケッタFカスタム」実釣インプレ
それでは「バルケッタFカスタム 150DH」×「エンゲツSS B66ML-S」の組み合わせでさっそくタイラバ等実釣してきましたので、以下インプレ。
イイところ
まず「バルケッタFカスタム」のイイところを6個ほど。
基本性能はバッチリでコスパGood
まずリールとして求められる基本的な性能は高いレベルでクリアしてるかと。
リーリングの滑らかさや感度についてはギアシステム「X-SHIP」搭載で割と滑らか。
当たり前だけど、「マイクロモジュールギア」搭載機と比べると劣る。
ドラグ性能も「カーボンクロスワッシャ」採用で、スムーズ&高耐久な効き。
実釣でも80cmオーバーのブリや60cmオーバーのカンパチとのファイトがありましたが、スムーズにドラグ作動してくれ、安心感のあるやり取りができました。
そして防水機構「Xプロテクト」と防錆処理が施されたベアリング「S A-RB」採用で防水性能もバッチリ。
アルミ製の「HAGANEボディ」もあり、スペック的には高強度、高剛性、高耐久性を誇るリールです。
まだ少ししか使ってないから耐久性は分からないけど。あくまでスぺック的には強いリール。
そして同じくシマノのフォールレバー付きタイラバ専用リールで自重250gの「炎月CT」や「炎月プレミアム」より軽量であるのも高ポイント。
フォールタイラバできる
「バルケッタFカスタム」は先述の通りフォールレバー搭載。
このフォールレバーを活用した「フォールタイラバ」を楽しむことができます。
従来のタイラバは「とにかく早く着底させる!」→「ひたすら等速巻き…」の繰り返しで、特にいかに等速で巻くか?という「巻き」の動作の部分に注力されていました。
しかし、実際はタイラバのフォール中にも鯛は反応していて、場合によってはそこでアタックしてくることも。
着底後巻き始めるとすぐヒット!な時は大体フォール中にアタックしてきてることが多い(らしい)。
そんな時って、そのフォールスピードがたまたまその日の鯛のヒットパターンにはまっていただけで、実際はもっとスローなフォールスピードに反応がイイ時もあるはず。
ということでそのフォールスピードをコントロールするために登場したのが「フォールレバー」なのです。
しかし実はこのフォールレバーなくても、フォール中に従来のブレーキダイヤルを調整すればフォールスピード調節は可能。
ただ、フォールレバーならではの機能として次の2点が大きなポイントに感じました。
まず、従来のブレーキダイヤルでフォールスピード調整しようとすると、両手で行う必要があります。
通常のフォール時はイイですが、着底→巻きの間はハンドル操作が必要なため調整できません。
クラッチを切ってフォールしている間だけダイヤル操作が可能であるため、スムーズなブレーキ調整ができないのであります。
フォールレバーがあれば片手で調整可能なので、着底→巻取り始めの間にもスムーズに設定が可能。
続いて②、「バルケッタFカスタム」はICカウンター搭載しており水深や巻取りスピードだけでなく、フォール中のスピードも数値化されて表示されます。
これによって、例えば同船者がヒットした水深、フォールスピード、巻きスピードを数値で共有することで、より忠実に同じヒットパターンを再現することができます。
同じカウンター、フォールレバー搭載機を使用している場合ね。
従来の「中層で早めの巻きにヒット!」とか「底付近をゆっくり巻いてたらアタリがあった」といった感覚的な表現では、人によって伝え方や受け取り方が違い、またリールやロッドの性能も違うため忠実に再現するのは難しかったです。
しかし、上述のようにカウンター、フォールレバー搭載リールを同船者みんなが使い情報共有するという、ロジカル(理論的)な釣りにより釣果アップにつながることでしょう。
いろんな釣りに使える
フォールレバーはタイラバだけでなくライトジギング、ひとつテンヤ、エサ釣りにも有効。
例えばライトジギングやひとつテンヤはジャークなどアクションがある釣りですが、実際はフォールアクションに反応してくることも多いですよね。
そのフォールアクションをフォールレバーによりスローに演出することができるので、釣り方の引き出しが増えることになります。
さらにフォールスピードを片手で簡単に調節できるため、1アクションごとに細かく調整したり、不意のアタリにも反応しやすいです。
実釣ではジギングの中でも、リールのパワー、ハンドル形状的にできるだけ軽量のジグを使用したSLJ(=スーパーライトジギング)がイイ感じでした。
タイラバ用に0.6号PEラインという細糸のセッティングでも、そのまま45gほどのジグを使用してジギングできる。
これに80cmオーバーのブリがヒットするシーンもありましたが、力負けすることなくしっかり上がってきてくれました。
ルアーバリエーションを少なくできる
ここまでいろんな釣りにおいてのフォールレバーの有効性を語ってきましたが、まだあります。
それはフォールレバーがあれば軽めのルアーが必要なくなる(かも)ということ。
タイラバやライトジギング、ひとつテンヤなどあらゆる釣りにおいてルアーの適正重量というのはきちんと着底できる重さであるということ。
深場や潮流の速いポイント、また太いラインを使っている、などの場合はそれに応じてルアーも重くする必要がありますが、では重ければ重いほどいいか?と言えばそうでもありません。
ルアーが重すぎるとフォールスピードが速くなり過ぎ、食わせの間が少なくなってしまいます。
ですので、底をとれるギリギリの重さを選択するのがセオリーかと思いますが、フォールレバーがあると重めのルアーでもスローにフォールさせることができます。
これにより実際は60gが最適な状況だけど、80g以上のルアーしか持ってない!けどフォールレバーで60gのルアーのフォールスピードを演出。ということができるわけです。
もちろん、ルアーが重いことで巻き抵抗が増えるとか、ロッドの適正ルアー重量の問題とか、ルアーのシルエットが大きくなることによって魚の反応が変わる、などその他の要因もたくさんあります。
しかし、個人的には特に重要だと思うフォールスピードが速すぎる!問題はフォールレバーである程度クリアできるため、軽めのルアーは少なめで大丈夫だと思った次第でした。
もちろん、軽い~重いルアーまで幅広くたくさん持っておくのが最強だけど、予算の問題が…
ハンドル長がイイ感じ
商品写真の項でも述べたように、「バルケッタFカスタム150DH」のハンドル長は55mmで、タイラバ専用リール「炎月」シリーズが51mmですから若干長め。
ギア比も6.9とタイラバリールのハイギアとパワーギアの中間ぐらいのため、個人的にはスゴくちょうどイイ感じ。
タイラバにおいて超ドスローがヒットパターン。ていう時はタイラバ専用のハンドル短めでパワーギアのリールには敵わないけど、そんな時は頻繁にないためこれぐらいがちょうどイイ。
ライトジギングでワンピッチワンジャークをしても、小さめのふり幅であればなんなく可能。
ハンドル形状は少しイマイチだけど…
あとは大物とのやり取りが楽。とか回収も楽。
何度も言うけど、タイラバの超ドスローパターン攻略以外には、いろんな釣りにおいて万能なハンドル長×ギア比だと思う。
ドラグ音最高
「バルケッタFカスタム」のイイところ、最後はドラグ音。
たかがドラグ音、されどドラグ音。
リール性能や釣果に直接むすびつくことではないけれど、釣りをより楽しめる、いや釣りのすべてといっても過言ではない、ドラグ音。
この項ではそのドラグについて語りたいと思います…
ライトゲーム×大型魚の出会いを奏でる
より大きな魚を追い求めるのは釣り人誰しもの姿。
その釣りの中でもライトゲームとは、いかに軽量ルアーや細糸を使用して大型魚をしとめるかという繊細な釣り。
そしてライトゲーム×大型魚が出会ったとき、その勝敗を分けるもっとも大きな要因のひとつともいえるのがドラグ性能でしょう。
昨今のリールは、メーカーさんの涙ぐましいほどの日々の努力や研究により大きく進歩、ドラグ性能はじめかなり高性能になりました。
いくら最高級ではない、2万円ほどのリールでもその性能には目を見張るものがあり、数年前ならフラッグシップモデル並み。と言っても過言ではないものも。
そんなこんなで日々鍛え上げられてきたドラグさんたち。
スピニングリールのドラグさんたちは自らの力を誇示するかのように、華々しく、その音を釣り場に響かせる一方、ベイトリールのドラグさんたちは健気に音も発することなく、地味に黙々と自分の役割をまっとうしているのです。
その姿はまさに裏方に徹する職人さん。
ハンドル巻いてるのに糸が勝手に出て行ってしまうやん!このリール壊れてるんちゃうか!?
なんて邪魔者扱いされるようなこともあったり、重要で大きな力を持っていながらも、音が出ない!ということに甘んじてこのまま表舞台に立つことなくその役割を終えてしまっていいのか。
否!
ついにベイトリールのドラグさんたちが表舞台に立つ時が来たのであります!
一部の丸形リールや高級ベイトリールだけが音を発することが許されてきた世界、これからは「バルケッタFカスタム」クラスのリールもドラグさんも同じ舞台に立つことができるようになったのです。
これまで音のない世界で抑圧されてきたドラグさんたちが奏でる、すばらしい協奏曲を聞こうではありませんか!!
※この項はフィクションでお届けしました。
イマイチなところ
続いてイマイチなところ3つ。
自重重め×ハイギア気味だから究極のフィネスなタイラバには不向き
イイところのハンドル長の項でも述べましたが、ギア比6.9×ハンドル長55mmは超スロー巻きは少し苦手。
30gルアー×0.4号PEラインのような超軽量ルアー×超細糸を使った「フィネスタイラバ」をするにはちょっと不向きなリール。
フォールレバー活用しすぎるとお祭りしやすい
これまでさんざん絶賛してきた「フォールレバー」ですが、ブレーキを効かせすぎると同船者とお祭りしやすいという弱点も。
スローに落とせる、というのはもちろん魚に対しては有効であることも多いですが、船も流れている訳ですからラインの角度が付きやすい(ナナメにでていく)ということは理解しておく必要があります。
乗合船で人数が多い場合は特に注意。
ブレーキを効かせた状態で着底→ちょっと巻き→着底→…を繰り返すと、どんどんナナメに出ていくためお祭りしやすく、こまめに回収→底取りし直すということを心掛けた方がイイでしょう。
カウンター×フォールレバーは釣りの楽しみが半分?
フォールレバーやカウンター搭載リールを活用したロジカルな釣りによって釣果アップ!っていうメリットも上げましたが、逆にデメリットも。
このロジカルな釣りは極端に言えば同船者みんなが似たようなロッド、リールからライン、タイラバを使っていろんなパターンの釣り方をしてみる→反応のよかったパターンをみんなで共有する→釣果アップ。ってことなんだけど、何か機械的すぎて面白くない…と思ったり。
もちろんみんなで協力してヒットパターンを探して、みんなでそのパターンを共有していっぱい釣ろう!っていうのももちろん楽しいんだけど、個人的には少し違和感があった。
人それぞれ当日乗る船、ポイント、潮や天気の状況、最近のヒットパターン…など事前情報から最適であろうタックルセッティングをして釣りに臨む!と、自然と船に乗る人それぞれ考え方や釣り方が違ってて、タックルからセッティングまで異なることがほとんど。
で、そのセッティングをもとに自分のしたい釣り方をして釣れた!っていう一連の流れが釣りの最大の楽しみの一つ。と個人的には思います。
それがみんな同じタックル、同じ釣り方になってしまうと(極端に言うとね)、自分なりのタックルセッティングや釣り方を考える楽しみが抜けちゃう気がしました。
個人的には釣行自体より、前日以前にアレやコレやとタックルセッティングを考えてる時の方が楽しかったり。
何度も言いますがこれが一概に悪いことではなくて、みんなで情報共有してみんなでいっぱい釣る!楽しみはあるし、フォールレバーにより釣果が上がる可能性も大いに感じましたので、要は使い方、楽しみ次第かと。
まとめ
以上「バルケッタFカスタム150DH」インプレ、途中脱線もあったりでしたが最後に簡単にまとめ。
- フォールレバーはいろんな釣りで活用できる
- ブレーキ活用によるお祭りには注意が必要
- 基本性能もバッチリで約2万円はコスパ最高
- そしてドラグ音最高
「バルケッタFカスタム」は何よりフォールレバー、ドラグ音、コスパ最高、この3点に尽きるリール。
不安視していたフォールレバーとカウンター搭載機ならではの重さですが、「Xシートエクストリームガングリップ」採用のロッド「エンゲツSS」との組み合わせでそこまで感じず。
長時間の釣りでも手の平や指が痛くなることもなく、大型魚がヒットしても余裕をもってパワフルなファイトが楽しめました。
欠点らしい欠点といえば、上述の通りフィールレバーの使い過ぎによるお祭りの心配と超ドスローパターンのタイラバ攻略は難しい(これはギア比やハンドルによるので仕方なし)ということぐらい。
まだまだ使用回数少なく、もっといろんな使い方やイイところ悪いところあると思いますので、ガンガン使いこんでまた新たな発見あればインプレしてみますね!!
あ、メトロノーム機能使うの忘れてた(笑)