タイラバとひとつテンヤの違い|入門一式の定価はテンヤが8,500円高い。最初の1セットはどっち?
タイラバとひとつテンヤは、同じ船で、同じ真鯛を狙う釣りです。
それなのに釣具店では売り場が分かれていて、竿もリールも別のものが並んでいます。

どっちも真鯛でしょ?道具を分けるほど違うものなんですか?

最初の1セットを買うなら、安く始められるのはどっちですか?
違いを「餌か疑似餌か」で片づけると、買い物の役には立ちません。
ダイワの入門ロッドと入門リール、ライン、リーダー、仕掛け4個までを定価で足すと、タイラバは40,670円、ひとつテンヤは49,170円(どちらも税抜)でした。
差額8,500円のほとんどは、ロッドとリールの値段の差です。
この記事でわかること
- タイラバとひとつテンヤの釣り方の違い(7項目の表)
- 入門ロッド2本・入門リール2台を公式スペックで比べた結果
- ロッド・リール・ライン・リーダー・仕掛け4個を定価で足した入門一式の金額
- 仕掛けを1個なくしたときの値段と、毎回かかる餌代の有無
- それぞれの釣りで最初につまずく場所
- 最初の1セットをどちらにするかの決め方
ルアーも船釣りも初めてで、まず真鯛を1枚釣ってみたい人には、ダイワのタイラバロッド 紅牙Xの69MHB-Sと、カウンター付きベイトリール 紅牙X ICの組み合わせがおすすめです。
ロッドとリールの定価の合計は32,500円(税抜)で、ひとつテンヤの入門2点より1万円安く、餌を用意しなくても釣りが始められます。
スピニングリールをすでに持っている人は逆で、ひとつテンヤのほうが11,700円安く始められます。
タイラバとひとつテンヤは、何がいちばん違いますか?

いちばんの違いは、鈎に付いているもの。
タイラバはオモリの後ろにゴムのネクタイとスカートが付いた疑似餌で、ひとつテンヤはオモリと一体になった鈎にエビを刺します。
ここが違うと、動かし方も、アタリが出たあとにやることも、持つ道具も全部変わります。
| 項目 | タイラバ | ひとつテンヤ |
|---|---|---|
| 鈎に付けるもの | ゴムのネクタイとスカート(疑似餌) | エビ(餌) |
| 動かし方 | 底まで落として、同じ速さで巻き上げる | 竿で持ち上げて、落とす |
| アタリが出たら | 合わせずに巻き続ける | すぐ竿を立てて合わせる |
| リール | ベイトリール | スピニングリール |
| 仕掛けの重さ | 60g・80gが入門の基準 | 5号(19g)〜8号(30g)あたり |
| 毎回買うもの | なし | エビ |
| 釣っているあいだ | 巻いているあいだは同じ動きの繰り返し | 落とすたびに穂先を見続ける |
タイラバは巻く釣り、ひとつテンヤは落とす釣りです。
タイラバでは、コツコツと当たっても手を止めずに巻き続け、魚が自分で走って竿が曲がり込むのを待ちます。
ひとつテンヤは逆で、落ちていく途中や着底の直後に出る小さな変化を見て、こちらから掛けにいく。
同じ魚を相手にしているのに、釣り人の仕事が「待つ」と「掛ける」に分かれるんですよね。

性格で選ぶのもアリです。同じ動きを淡々と続けられる人はタイラバ、じっとしていられない人はテンヤ。
タイラバの60gは、テンヤ8号(30g)の2倍。
80gとテンヤ5号(19g)なら4倍の開きがあります。
この重さの差が、次のロッドの違いにそのまま出てきます。
ロッドは何が違いますか?
ダイワの入門機どうしで、紅牙テンヤゲームXのMH-240と紅牙Xの69MHB-Sを並べました。
どちらも、ダイワがエントリーモデルと呼んでいるシリーズです。
| 項目 | 紅牙テンヤゲームX MH-240 | 紅牙X 69MHB-S |
|---|---|---|
| 釣り | ひとつテンヤ | タイラバ |
| 全長 | 2.40m | 2.06m |
| 自重 | 114g | 104g |
| 先径/元径 | 1.2mm/11.4mm | 0.8mm/8.9mm |
| 穂先 | チューブラー | カーボンソリッド |
| 背負える重さ | 2〜15号 | 40〜150g |
| 適合PE | 0.6〜1.2号 | 0.5〜1.2号 |
| 合わせるリール | スピニング | ベイト |
| 定価(税別) | 22,300円 | 16,500円 |
テンヤの竿のほうが34cm長く、背負える重さはずっと軽い。
テンヤ15号は56gなので、テンヤゲームXの上限は、紅牙Xの下限40gを少し超えたあたりで終わります。
60gや80gのタイラバをテンヤゲームXに付けると、メーカーが決めた上限を超えます。
ダイワ 紅牙テンヤゲームX
紅牙テンヤゲームXは、全番手が同じ22,300円です。
長さと硬さの違う4本があり、ダイワはMH-240を「まず1本持つなら一押し」と書いています。
2.4mの長さがあるので、持ち上げたときにテンヤを大きく動かせる竿です。
穂先は白く塗ったチューブラーで、落ちていく途中の変化を目で追えるようになっています。
ただ、タイラバの紅牙Xより5,800円高いのは事実で、入門の1本としては安くありません。
| モデル | 全長 | 自重 | 錘負荷 | 定価(税別) |
|---|---|---|---|---|
| M-245 | 2.45m | 110g | 1〜12号 | 22,300円 |
| MH-240 | 2.40m | 114g | 2〜15号 | 22,300円 |
| H-235 | 2.35m | 122g | 3〜20号 | 22,300円 |
| XH-230 | 2.30m | 128g | 4〜30号 | 22,300円 |
ダイワ 紅牙X
紅牙Xは紅牙のタイラバロッドの入門機で、ベイトモデル4本とスピニングモデル1本が同じ16,500円で並びます。
69MHB-Sはルアー重量40〜150g。
入門の基準になる60gと80gは、どちらもこの範囲に入ります。
穂先はカーボンソリッドで、ダイワは「タイラバが暴れにくく、食い込み性能が高い」と説明しています。
合わせずに巻き続ける釣りなので、魚が引っぱったぶんだけ素直に曲がる穂先が要るわけですね。
| モデル | 全長 | 自重 | ルアー重量 | 定価(税別) |
|---|---|---|---|---|
| 69MB-S | 2.06m | 100g | 30〜120g | 16,500円 |
| 69MHB-S | 2.06m | 104g | 40〜150g | 16,500円 |
| 69HB-S | 2.06m | 109g | 45〜200g | 16,500円 |
| 69XHB-S | 2.06m | 113g | 60〜300g | 16,500円 |

テンヤの竿は「見るための穂先」、タイラバの竿は「曲がるための穂先」。同じ真鯛用でも、穂先の作りは正反対です。
リールは何が違いますか?

タイラバはベイトリール、ひとつテンヤはスピニングリールを使うのが基本です。
入門機で比べると、数字は次のとおり。
| 項目 | フリームス LT2500 | 紅牙X IC |
|---|---|---|
| 釣り | ひとつテンヤ | タイラバ |
| 種類 | スピニング | ベイト(カウンター付き) |
| 自重 | 195g | 240g |
| ギア比 | 5.3 | 4.9 |
| ハンドル1回転の巻き取り | 75cm | 54cm |
| PE0.8号の糸巻量 | 200m | 300m |
| 最大ドラグ | 10kg | 5kg |
| 定価(税別) | 20,200円 | 16,000円 |
ダイワ フリームス
ひとつテンヤは、軽いテンヤを糸の重みだけで落としていく釣りです。
スピニングリールはベールを起こせば糸が抵抗なく出ていくので、5号や8号でも素直に沈みます。
フリームスのLT2500は、PE0.8号がちょうど200m入る番手。
最大ドラグが10kgあり、真鯛以外の大きな魚が掛かっても余裕があります。
水深は画面に出ません。
PEラインの色を数えて読む釣りです。
ダイワとシマノの番手を横に並べた比較は、一つテンヤのスピニングリールをダイワとシマノで比べた記事にあります。
ダイワ 紅牙X IC
紅牙X ICは、液晶のカウンターが付いたベイトリールです。
ハンドル1回転で54cmしか巻かないローギアなので、同じ速さでゆっくり巻き続けるのが楽。
親指でスプールを押さえながら落とせるので、着底した瞬間にすぐ巻き始められます。
自重は240gあり、フリームスより45g重い。
最大ドラグも5kgで、数字だけ見ればフリームスに負けている項目のほうが多いリールです。
入門一式の道具代は、いくら違いますか?

ここまでのロッドとリールに、ライン、リーダー、仕掛け4個を足します。
消耗品もダイワで揃えました。
| 品目 | タイラバ | ひとつテンヤ |
|---|---|---|
| ロッド | 紅牙X 69MHB-S 16,500円 | 紅牙テンヤゲームX MH-240 22,300円 |
| リール | 紅牙X IC 16,000円 | フリームス LT2500 20,200円 |
| PEライン | デュラセンサー×4 0.8号200m 1,770円 | デュラセンサー×4 0.8号200m 1,770円 |
| リーダー | 紅牙フロロリーダーEX 35m 1,500円 | 紅牙フロロリーダーEX 35m 1,500円 |
| 仕掛け4個 | 紅牙ベイラバーフリーβ 60g×2・80g×2 4,900円 | 紅牙タイテンヤSS TB 5号×2・8号×2 3,400円 |
| 合計(定価・税別) | 40,670円 | 49,170円 |
合計はひとつテンヤのほうが8,500円高いという結果になりました。
内訳は、ロッドで5,800円、リールで4,200円。
仕掛け4個はテンヤのほうが1,500円安く、ラインとリーダーは同じ製品が使えるので差が出ません。
つまり差額は、ほぼ全部がロッドとリールです。

テンヤは仕掛けがシンプルだから安く始められそうに見えますけど、足してみたら逆でした。竿とリールの値段で決まります。
ダイワの釣具は、店での値段が定価より下がるのが普通です。
今の売り値は、それぞれの商品リンクから確認してください。
ラインとリーダーは同じものが使える
紅牙X ICはPE0.8号が300m、フリームス LT2500は200m入ります。
どちらも0.8号を200m巻けば足りるので、UVF PEデュラセンサー×4+Si²の0.8号200m(1,770円)を両方に入れました。
紅牙フロロリーダーEXは2.5号から6号まで全部1,500円で、号数を変えても金額は同じです。
号数の決め方は、タイラバのPEラインとリーダーの記事とひとつテンヤのライン・リーダーの記事に分けて書いてあります。
仕掛けは1個あたりテンヤが3割安い

紅牙ベイラバーフリーβは、ヘッド・ネクタイ・スカート・鈎がセットになった完成品で、60gが1,200円、80gが1,250円。
紅牙タイテンヤSS TBは5号が840円、8号が860円です。
根掛かりで1個なくしたときの出費は、テンヤのほうがおよそ3割少ない計算になります。
ただし、ひとつテンヤは釣りに行くたびにエビを買います。
値段は船宿や釣具店ごとに違うので、予約のときに聞いておくと当日あわてません。
タイラバは餌がいらないので、船代のほかに毎回かかるのは、なくした仕掛けのぶんだけ。
なくす回数が多い人ほど効いてくる単価の話は、タイラバヘッドを1g単価で並べた記事にまとめています。
スピニングリールを持っている人は、どうなりますか?
道具代の順番がひっくり返ります。
エギングやライトゲームで使っているスピニングリールがあって、PE0.8号を200m巻けるなら、ひとつテンヤで新しく買うのはロッド・ライン・リーダー・テンヤだけ。
合計は28,970円になり、タイラバ一式より11,700円安く始められます。
タイラバのベイトリールは、ほかの釣りから持ってこられる人が少ないので、たいてい買い足しになるんですよね。
リールを新しく買う場合でも、フリームスではなくレガリスのLT2500S-XH(定価13,600円・PE0.8号190m・最大ドラグ5kg)にすれば、ひとつテンヤ一式は42,570円。
タイラバとの差は1,900円まで縮まります。
そのかわり0.8号は190mまでしか入らず、ドラグの上限もフリームスの半分です。

家にあるスピニングを数えてから決めても遅くないです。1台あるだけで、1万円以上変わります。
最初につまずくのは、どこですか?

タイラバは「落として巻くだけ」と紹介されます。
でも僕がボートで釣りを始めた頃に引っかかったのは、巻く手前の「落とす」のほうでした。
岸から投げる釣りなら、オモリが底に着けば糸の出は止まります。
船の上ではそうなりません。
船が潮と風で動いているので、底に着いたあとも糸はスプールから引き出されていく。
止まらないから沈んでいる途中だと読んでしまい、そのあいだヘッドはずっと底を引きずられていました。
底がわからないままだと巻き始める場所が毎回ずれるので、ネクタイの色を替えても巻く速さを変えても釣れません。
岸釣りが長かった人ほど、同じ読み違いをしやすいところです。
見るのは「糸が止まる」ではなく、「出ていく勢いが一瞬ゆるむ」のほう。
紅牙X ICのようなカウンター付きなら、船長が言った水深の数字に近づいたところで身構えられます。
自重もドラグもフリームスに負けているリールを入門に入れたのは、このつまずきを数字で減らせるからです。

カウンターの数字は目安です。糸が斜めに出ていれば、表示は実際の水深より大きくなります。それでも「そろそろ」がわかるだけで全然違います。
ひとつテンヤのつまずきは、落とす前から。
エビをまっすぐ刺せないとテンヤが回ってしまい、糸がよれると言われます。
5号は19gしかないので、着底の変化はタイラバよりずっと小さい。
ダイワが紅牙テンヤゲームXのM-245の説明で「底取りがしやすく」と書いているのは、そこが難しい釣りだからでしょう。
そのうえ、アタリが出たら自分で合わせないと掛かりません。
覚えることの数は、ひとつテンヤのほうが多いと思っています。
誘い方やアタリの取り方は、ひとつテンヤの釣り方ガイドに順番に書いてあります。
結局、最初の1セットはどっちを買えばいいですか?

道具代と、最初のつまずきの数。
この2つで分けると、次のようになります。
- タイラバから買う人:スピニングリールを持っていない/餌を触りたくない/同じ動きを続けるのが苦にならない
- ひとつテンヤから買う人:PE0.8号を200m巻けるスピニングリールがある/餌釣りの経験があって、アタリを自分で掛けたい
- まだ決められない人:通う予定の船宿が、どちらの釣りで出船しているかを先に見る
3つめがいちばん大事かもしれません。
船宿によっては、片方の釣りしか受けていないことがあります。
道具を買ってから「うちはタイラバだけです」と言われるのは避けたいところ。
何も持っていない状態からなら、僕はタイラバをすすめます。
8,500円安く、餌の準備がいらず、カウンターが着底を手伝ってくれるからです。
タイラバで底が取れるようになってからテンヤに進むと、軽い仕掛けの着底もわかりやすくなると思っています。
ロッドからタイラバヘッドまで型番つきで揃えたい人は、タイラバ入門一式の買い物リストへどうぞ。
1セットで両方やりたい人向けの条件は、タイラバとひとつテンヤの兼用タックルの記事に書いてあります。
タイラバとひとつテンヤの違いについてよくある質問
タイラバとひとつテンヤは、どちらが初心者向きですか?
船釣りもルアーも初めてなら、タイラバのほうが覚えることが少なく済みます。
餌を付ける作業がなく、アタリが出ても巻き続けるだけで掛かるからです。
餌釣りの経験があって自分で合わせたい人は、ひとつテンヤのほうが楽しめます。
入門の道具代はどちらが安いですか?
ダイワの入門機と消耗品を定価(税抜)で足すと、タイラバが40,670円、ひとつテンヤが49,170円でした。
差額8,500円のうち、ロッドが5,800円、リールが4,200円で、仕掛け4個はテンヤのほうが1,500円安くなります。
PE0.8号を200m巻けるスピニングリールを持っている人なら、ひとつテンヤは28,970円です。
一つテンヤのロッドとタイラバロッドは何が違いますか?
長さ、背負える重さ、穂先の作りが違います。
ダイワの入門機では、紅牙テンヤゲームXの2.40mモデルが2〜15号、紅牙Xの2.06mモデルが40〜150gを背負えます。
穂先はテンヤがチューブラー、タイラバがカーボンソリッドです。
ひとつテンヤにベイトリールは使えますか?
使えます。
ベイトリールでテンヤをやる人もいて、ベイト用のテンヤロッドも出ています。
最初の1台なら、軽いテンヤを落としやすいスピニングから入るのが無難です。
餌代がかかるぶん、ひとつテンヤのほうが高くつきますか?
毎回エビを買うぶんは、ひとつテンヤだけにかかります。
いっぽう、仕掛けを1個なくしたときの出費は、紅牙タイテンヤSS TBが840〜860円、紅牙ベイラバーフリーβが1,200〜1,250円で、テンヤのほうが少ない計算です。
どちらが高くつくかは、通う回数となくす個数で変わります。
タイラバのラインをひとつテンヤにそのまま使えますか?
PE0.8号なら、どちらの釣りにも使えます。
この記事の入門一式でも、同じUVF PEデュラセンサー×4+Si²の0.8号200mを両方に入れました。
リールがベイトとスピニングで別なので、巻いてあるラインを移すのではなく、それぞれに巻くことになります。

