鯛ラバにロングロッドを使うメリットとデメリットとは?+オススメロングロッド3選

鯛ラバロッドの長さについて

鯛ラバロッドって短いのから長いものまでいろんな長さがあるけど、どれぐらいがベストなんだろう?

釣りをする状況やポイントによるから一概にコレがベスト!って決めるのは難しいね
鯛ラバロッドは各社いろんな長さのラインアップがあります。
約7ft(約2.1m)ぐらいがもっともメジャーで、短いものでは5ftぐらいから長いものでは8ftぐらいのものまで。
鯛ラバをする状況や自分がしたい釣り方、ボート形状などによって適切な長さというのは変わってきますが、ではロッドが長いことによるメリットとデメリットとはどういったことがあるのでしょうか?
ロッドの調子について
ロッドの長さのメリットデメリットの話の前に、鯛ラバロッドにおいて重要な「調子」についてお話したいと思います。

そんなん知ってるわ!という方はパスしてくださいね
鯛ラバロッドに限らずロッドには先調子や胴調子、またファーストテーパーやスローテーパーと呼ばれたりするように調子があります。
まず調子とはロッドが曲がり始める始点がどこかということ。
鯛ラバにおいては先調子=しっかりした胴(商品カタログ上ではよくベリーからバットとか呼ばれてる)部分を生かして、鯛のアタリがあったら積極的にアワセて掛けていくことを得意とするため「掛け調子」とか「掛けモデル」って呼ばれます。
対して胴調子は胴部分から全体的に柔軟に曲がるということで鯛からのアタリがあってもひたすら等速巻きを続けることで自然にフッキングさせる=乗せることを得意とするため「乗せ調子」や「乗せモデル」と呼ばれます。
従来の鯛ラバといえばコッチの胴調子の乗せモデルが一般的でしたが、最近は先調子で積極的にアタリに対してアワセていく鯛ラバも普及してきています。
- 先調子:ファーストテーパーはアタリに対して積極的にアワセて掛けにいくことを得意とする「掛け調子(モデル)」
- 胴調子:スローテーパーはアタリがあっても等速巻きを続けて自然に乗せることを得意とする「乗せ調子(モデル)」
これらを踏まえて鯛ラバロッドが長いことのメリットとデメリットを見ていきましょう。
鯛ラバロッドが長いことのメリット
まずは鯛ラバロッドが長いことのメリットをあげてみます。
「乗せ」と「掛け」両方の性格をあわせ持つ
ロッドが長ければ長いほど先部分も胴部分もそれぞれ長くなり可動域が広がります。
軽めのタイラバを使うなど負荷をあまりかけずに等速巻きを続ければ柔軟な穂先~胴にかけてが長い分「乗せ調子」として、逆にアワセを大きくいれてロッドを曲げこめば、しっかりした胴部分が長い分「掛け調子」として機能します。
このようにロッドが長いほど「乗せ調子」と「掛け調子」両方の利点をロッドの扱い方で引き出しやすくなるのです。
ですから軽量~重めのタイラバ、水深浅め~深め、潮流遅い~速いなどいろんな状況で幅広く使えるでしょう。
波の衝撃や揺れを吸収しやすい
ロッドが短いと場合、波によりボートが揺れたり衝撃があるとロッドの可動域が狭い分それらがダイレクトに仕掛けまで伝わりやすく、タイラバの動きに影響がでてしまうことも。
それをカバーしできるだけ等速巻きするためには、波の上下に合わせて船が上がる時は巻く速度を遅く、逆に船が下がる時は速く巻く必要があります。
ただ、小刻みな揺れや衝撃などに対してはなかなか調整が難しいところ。
そこでロッドが長ければ長いほど可動域が広がるため多少の揺れや衝撃はロッドが吸収してくれるため、等速巻きはしやすくなります。
ほかの釣りに流用しやすい
例えば仕掛けが長いサビキ釣りなんかは相性抜群。
タイラバで釣れにくい時期にサビキや胴突き仕掛けなどで釣りたい!ってときにロングロッドだとそのまま流用しやすいです。
サビキや胴突きなどは仕掛けが長いものが多く、船上に取り込む際にロッドが長いほど取り扱いがしやすいため。
まあ、今回の主題は「鯛ラバにおいて」ロッドが長いことによるメリットのお話なので直接は関係ないですネ。
置き竿+電動リールとの相性がイイ
鯛ラバをロッドホルダーに置いて置き竿ですることもあまりないとは思いますが…
先述のようにほかの釣りに流用するときに特に役立つことと思いますが、ロングロッドだと波の揺れや衝撃を吸収しやすいということで、置き竿+電動リールで巻き上げることと相性が良いです。

これもタイラバには直接関係なく、余談ですネ
鯛ラバロッドが長いことのデメリット
続いて鯛ラバロッドが長いことのデメリット。
取り回しが大変
特に乗合船とかで自分が使えるスペースが狭い時はロッドの取り回しが大変です。
魚がヒットしてボートへの取り込む際に隣の同船者がいたりすると、邪魔にならないようロッド操作に気を使います。
特に大型の青物など水面で激しく走る魚だったりすると、ロッドが短い方がコントロールはしやすいですね。
自重が重くなる、感度が落ちる
ロッドは長ければ長いほど当然自重は重くなってしまいます。
また長いことと、自重が重くなることから感度も落ちてしまう。
鯛ラバはひたすら等速巻きを続けるという集中力が必要な釣りのため、「重いから疲れやすい→集中力ダウン→巻きに影響がでる」となってしまうと確実に釣果にも悪影響がでます。

鯛ラバロッドの自重が重くなったり感度が落ちるのは致命的
フッキングやアクション時、ロッドの可動範囲が狭くなる
文章で説明するより絵で見ていただくほうが分かりやすいかと思いますので、絵を描いてみました。
まずはショートロッド。

ペイントアプリで描いた力作です(笑)
一応説明しますとボート上に人が立っていて、ロッドを水面にギリギリ付かないぐらいまで下に向けた状態と、フッキングやアクションのためにロッドを上に向けた状態を表します。
赤線で描いているのが、ロッドの可動範囲。
これに対してロングロッドの場合がコチラ。

ちょっと大げさに極端に描きましたが、ロッドが長い分、下に向けた状態では角度があまりつきません。下手くそな絵で申し訳ないですw
また、ボートの大きさも関係してきて、大きなボート=海上まで高さがあるほど角度はつけやすいですし、逆に小さなボート=高さがないと角度がつかないため、短いロッドの方がよりアクションさせやすいでしょう。

とはいえ、これらロッドの可動域の広さというのはタイラバにおいてはそこまで重要ではありません
例えばジギングであれば基本アクションとして上下に大きくシャクることもあり、この可動範囲の広さというのは重要になってきます。
またフッキングの際にもアクション中にロッドがどの角度でヒットしてくるか分かりませんので、ある程度ロッドの可動範囲は広い方がアワセやすいでしょう。
対してタイラバは基本的にシャクったりせず、ロッドは一定でただ巻きが基本動作。
そしてアタリがあってもアワセも入れずただ巻きを続けて自然に乗せることがメインであるため、ロッドの可動域はそこまで大きくなくても問題ありません。
また最近増えてきた掛けモデルで積極的にアワセていく鯛ラバをする場合でも、通常ただ巻き時はロッド角度は基本的に海に対して水平かあるいは水平より若干下向きであることが多く、その角度からのアワセ動作には十分の角度があるため問題ないでしょう。
まとめ
以上のように鯛ラバロッドが長いことのメリットとデメリットをあげてきました。
これらを踏まえてまとめ。
- マイボート、または乗合船でも人数少なく割と広くスペース使える
- 水深浅場~深場、潮流緩い~激流までいろんなポイントがある
- ロッドを流用してサビキや胴突き仕掛けでも鯛(または別の魚種も)を狙いたい
- 電動リールを使う
こういった状況が多い方はロングロッドの利点をうまく引き出せるかも。

デメリットとして自重が重く感度が落ちる、というのは気になるところですが、正直2~3ft(数十グラム)の差による感度の違いはたぶん体感できないレベルかと
ちなみにオススメの鯛ラバロングロッド
最後にロングロッドを何点かご紹介。
アブガルシア ソルティーステージ プロトタイプ タイラバ
・XTRC-762ULT80-ST

- 全長:2.28m
- 自重:142g
- 適合PEライン:-1.0号
- 適合ルアー:30-120g
- 定価:32,000円
ウルトラライト×スローテーパー仕様で魚の引きに追従できる粘りが売り。
2.28mというロングロッド全体がバネのようにしなり、大鯛のパワーを吸収しながらファイトすることができます。
アブガルシア エラディケーターセブンスペシャル
・ESSC-76UL60-FS-LIMITED

- 全長:2.29m
- 適合PEライン:-1.5号
- 適合ルアー:40-150g
- 定価:46,000円
遊漁船「セブン」の宮崎船長監修モデルであるアブガルシアの「エラディケーターセブンスペシャル」。
自重がカタログ表記にないため何とも言えませんが、この「エラディケーターセブンスペシャル」最大の売りはフルカーボンソリッドであること。
柔軟にしっかり曲がる特性を活かして乗せの鯛ラバに、または幅広いラインやルアー対応荷重を活かしてサビキ釣りなどに流用しても活躍するでしょう!
TENRYU(テンリュウ) レッドフリップ
・RF792B-L
- ライト レギュラーアクション
- 全長:2.36m
- 自重:155g
- 適合ルアー:~100g
- 適合PEライン:0.6-1.0号
- 定価:33,500円
・RF792B-ML
- ミディアムライト レギュラーアクション
- 全長:2.36m
- 自重:155g
- 適合ルアー:~120g
- 適合PEライン:0.6-1.2号
- 定価:34,000円
最後に今回紹介する中で2.36mともっとも長いタイラバロッド、テンリュウ「レッドフリップ」。(全メーカーの中で最長?たぶん※マイボ調べ)
グラス素材の使用割合が14%と若干多く、レギュラーアクション(胴調子)と合わせて粘り強く乗せ調子のロッド。
ロングロッドがゆえに自重が150gオーバーと少し重く、またグラス割合が多いということで感度は他商品に劣ります。
しかし値段も手ごろだし、粘り強さを活かしてサビキ釣りなどほかの釣りにも流用しやすく、いろんな状況やフィールドで幅広く使えるでしょう。