ダイワのシーバス専用ベイトリール「モアザン PE TW」をタイラバに流用できるか調べてみた。
シーバス専用ベイトリールをタイラバに流用できるか。
前回の記事ではシーバスゲームをベイトリールで行うメリット、デメリットやそれをタイラバに流用できるか調べてみました↓
この記事を簡単にまとめるとシーバスゲームにおいてベイトリールを使うメリットは手返しの良さやコントロールのしやすさ。
逆にデメリットはバックラッシュしたり、飛距離がでにくいこと。
それらを補うような機能が多数ついているのがシーバス専用ベイトリールです。
その中で例としてシマノ「エクスセンスDC」で比較してみましたが、自重やギア比など基本的なスペックはタイラバ専用リール「炎月」によく似ているから、というすごい簡単な理由で(笑)タイラバに流用できるという結果に。
さらにキャスティングタイラバもできるということで釣りの幅が広がるんじゃないか!?っていう内容でした。
本記事ではダイワのシーバス専用ベイトリール「モアザンPE TW」で考察してみたいと思います。
シーバス専用ベイトリール ダイワ「モアザンPE TW」のスペック
早速ですが、「モアザンPE TW」のスペックを見ていきます。
1000SH-TW/1000SHL-TW(ローギアモデル)
- 巻取り長(cm/ハンドル1回転):75
- ギヤー比:7.1
- 自重(g):195
- 最大ドラグ力(kg):6
- 標準巻糸量PE(号-m):1.5-200
- ハンドル長さ(mm):100
- ベアリング(ボール/ローラー):12/1
- メーカー希望本体価格(円):56,800
1000XH-TW/1000XHL-TW(ハイギアモデル)
- 巻取り長(cm/ハンドル1回転):91
- ギヤー比:8.6
- 自重(g):205
- 最大ドラグ力(kg):6
- 標準巻糸量PE(号-m):1.5-200
- ハンドル長さ(mm):100
- ベアリング(ボール/ローラー):12/1
- メーカー希望本体価格(円):56,800
「モアザンPE TW」シリーズは上記のようにローギヤ、ハイギヤモデルとそれぞれ右巻、左巻の計4種類のラインアップ。
上記スペック以外に、やはりシーバス専用リールということでキャスティングしやすい機能が搭載されています。
まず、「TWS(T-ウイングシステム)」。
これはレベルワインドがT字型になっており、キャスト時にはT字の上部広いスペースを通って糸送りすることで抵抗を少なくライン放出することができます。
逆に巻上時にはT字の下部狭い部分を通ることでスプールへ精密にきれいに巻き取ることが可能。
これはキャスト時だけではなく、ボートフィッシングなどにおいても恩恵があります。
タイラバなどクラッチOFFで仕掛けをフォールさせる時にレベルワインドによる抵抗が減るため、より速くフォール、より速く着底させることが可能になり(ほんのちょっとかもですが)有利なのです。
続いてPEラインの遠投性能を最大限に引き出すためのブレーキ機構「マグフォースZ PE ロングディスタンスチューン」。
ルアー重量に合わせブレーキダイヤルを5~10に設定するだけでほとんどのルアーに対応することができ、上級者はダイヤル5以下+サミングで調整することでさらなる飛距離アップも可能に。
上記のマグフォースZというブレーキ機構があるため、従来のメカニカルブレーキは調整する必要がなくスプールのガタを抑える役割だけ、という考えで「ゼロアジャスター」が採用。
調整できなくはないけど、従来のブレーキに比べて調整しにくい設計になってます。
以上のマグフォースZやゼロアジャスターといったブレーキ構造のおかげで、要は初心者でもバックラッシュしにくく、さらに飛距離を伸ばしやすくなったということですね。
上級者であればこれらのブレーキ機構を最大限に活かしつつ、サミングなど自分の感覚と技術でさらなる飛距離アップも狙えるリールとなっています。
その他にも、海水の浸入をシャットアウトし、新品時の巻き心地を長期間にわたって維持できるダイワおなじみ「マグシールドボールベアリング」も搭載。
さらにフレームやプレートを金属化することで剛性アップ「超高剛性高精度スーパーメタルハウジング」など。
これらにより耐久性、剛性アップしています。
「モアザンPE TW」にスペックが近いタイラバリールとは?
以上「モアザンPE TW」のスペックを見てみましたが、これをタイラバに流用できるかどうか。
まずこのスペックに近いタイラバリールを調べてみたら、「紅牙」シリーズによく似たリールが。
紅牙TW ハイパーカスタム8.6
左「モアザンPE TW 1000XH」→右「紅牙TW ハイパーカスタム8.6」
巻取り長(cm/ハンドル1回転):91 → 91
ギヤー比:8.6 → 8.6
自重(g):205 → 205
最大ドラグ力(kg):6 → 5
標準巻糸量PE(号-m):1.5-200 → 1.5-180
ハンドル長さ(mm):100 → 100
ベアリング(ボール/ローラー):12/1 → 12/1
メーカー希望本体価格(円):56,800 → 54,500
※「紅牙TW ハイパーカスタム」にもハイギアとローギアモデルがありますが、両者ともハイギアモデルで比較したみた。
はい、ほぼ同じ(笑)
違いは「モアザンPE TW」だけに採用されている「マグフォースZ」「ゼロアジャスター」といったブレーキ機構。
「紅牙TW ハイパーカスタム」も「TWS」は採用されていてちょっとしてキャスティングには対応していますが、やはりシーバスベイトキャスティング専用「モアザンPE TW」の方がキャスティング性能にはこだわって設計されています。
その他ボディ、ハンドル形状などもよく似てますね
「マグシールドボールベアリング」「スーパーメタルハウジング」なども同様に採用されていて、キャスティング性能以外についてはほぼ同じと言ってもいいような両者スぺックです。
ということで今回も「モアザンPE TW」はタイラバも兼用できるという超簡単な結論(笑)
さらに「モアザンPE TW」であればブレーキ機構が優秀であるため、キャスティングタイラバにも使えるでしょう。
ただ通常のタイラバロッドを兼用する場合はキャスティング用ロッドではないのであまり飛距離は出せないかもしれませんが、ちょっとしたキャスティングであればバックラッシュしにくいという安心感があります。
「モアザンPE TW」をタイラバに流用するベストなポイント、状況とは?
「モアザンPE TW」がタイラバにも流用できるということで、では実際にどういったポイント、状況で使えるリールでしょうか。
まず「モアザンPE TW」はローギア、ハイギアの2モデルあるため、どちらを選択するかで変わってきます。
ちなみに先ほどはハイギアモデルの比較でしたが、ローギアモデルの比較もしてみます。
左「モアザンPE TW 1000SH」→右「紅牙TW ハイパーカスタム4.9」
巻取り長(cm/ハンドル1回転):75 → 52
ギヤー比:7.1 → 4.9
自重(g):195 → 205
最大ドラグ力(kg):6 → 6
標準巻糸量PE(号-m):1.5-200 → 1.5-180
ハンドル長さ(mm):100 → 100
ベアリング(ボール/ローラー):12/1 → 12/1
メーカー希望本体価格(円):56,800 → 54,500
「紅牙TW ハイパーカスタム」の方がよりローギヤになっていて、巻取り長、ギヤ比が大きく違います。
超スロー巻きでの反応が良い時などは、ゆっくりでも等速巻きしやすいローギヤの方が有利。
逆に高速巻きに反応が良い時や、深場ではハイギヤが有利。
よって「モアザンPE TW」をタイラバに兼用する場合は、ハイギヤモデルなら深場での釣りや高速巻きをする状況、逆にローギヤモデルなら浅場メイン、スロー巻きが多い状況での使用がベストでしょう。
ただローギヤといえども「紅牙TW ハイパーカスタム」と比べるとハイギヤ気味。
超スロー巻きなどローギヤの究極を求めるとやはりタイラバ専用リールになります。
紅牙をシーバスベイトキャスティングゲームに流用できる?
最後に、逆に先ほど比較した「紅牙TW ハイパーカスタム」をシーバスキャスティングゲームに流用できるかどうか。
先ほどの比較の通り、基本スペック的にはほぼ同じであるためできるはず。
ただ問題はやはりキャスティング。
「紅牙TW ハイパーカスタム」は「TWS」というラインにかかる抵抗を減らすことで飛距離を伸ばすための機構は採用されていますが、バックラッシュを防ぐための特殊な設計はされておらず従来通りのブレーキのみとなります。
ということでキャスティングできなくはないですが、バックラッシュを防ぎながら飛距離をだすためには、サミングしたりそれなりの技術と感覚が必要になります。
ということで「バックラッシュさせずにキャストできる腕があれば」流用できるでしょう。
バス釣りでベイトリール使ってた方なら感覚さえ掴めば割とできるかも?
まとめ
以上、ダイワシーバス専用ベイトリール「モアザンPE TW」をタイラバに流用できるか考察してきました。
スペック、形状的にほぼ同じで、大きな違いはキャスティングのためのブレーキ機構ぐらいということで流用は可能という結論でした。
初心者でもバックラッシュしにくくキャスティングしやすいベイトリールということで、通常のタイラバに加えキャスティングタイラバにも使えるでしょう。
また「モアザンPE TW」はハイギヤ、ローギヤのラインアップあるため、自分のメインフィールドに合わせて選択もしやすいです。
ローギヤ、ハイギヤモデルがあってキャステイングもしやすい、ということでシーバスにもタイラバにも、その他いろんな釣りにも使えるかもしれない「モアザンPE TW」でした。
個人的には前回紹介したシマノ「エクスセンスDC」より安価でラインアップが豊富ということで、「モアザンPE TW」の方がいいかなー