ダイワタイラバリール「紅牙」シリーズ完全比較!
今回はダイワのタイラバ用リール「紅牙」シリーズについてのお話。
現状「紅牙」リールのラインアップは4種類あって、最安モデルで定価1万円台、最上位モデルで定価5万円オーバーと大きく差があります。
で、そのモデルごとの違いや高額なリールは具体的に何がイイのか?という疑問にダイワホームページだけでは分かりにくい部分について比較しながら解説してみました。
必ずしも高額なリールが自分にとって最高だ!とは限らないと思いますので、予算と自分の釣りにマッチしたタイラバリール選びの参考になれば幸いです。
ちなみに主にライトジギング用の丸型リール(例えばキャタリナとか)のタイラバモデルがあったりしますがそちらは別記事にて紹介してます。

※「紅牙」シリーズのキャスティングタイラバ用のスピニングリールは掲載してません。
※表記の金額はメーカー希望本体価格は税別、実売価格は税込で表記しております。
2020年「紅牙」リールのラインアップ
現状「紅牙」シリーズは以下の通りカウンター付き2機種、カウンターなし2機種の計4種類のラインアップになっています。
カウンター付きで約10,000円!「紅牙」シリーズ最安の「紅牙X IC」
2019年発売、カウンター付きながら実売価格約10,000円の「紅牙」シリーズ最安モデル。
紅牙X ICの特徴
約1万円ながらカウンター付き!さらに基本スペックも十分。
「紅牙X IC」最大の特徴は水深表示されるカウンター搭載しながら、約1万円という安価であること。
基本スペックも最大ドラグ力5kgやベアリング数も5個、ダブルハンドルであったりタイラバ用リールとしては十分のスペックを持っています。
「スーパーメタルフレーム」で高強度、高剛性、高耐久!
さらに新型ならではのスゴイところが「スーパーメタルフレーム」という金属のフレームが採用されていること。
これにより剛性がアップし、大物とのやり取りでもリール本体の歪みが減少し巻上のパワーをロスすることなく力強くファイトすることができます。
また、歪み→異音や故障の原因になったりすることもありますが、それらを防止→耐久性アップの役割も。
ただ、金属フレーム+カウンター付きということもあって、タイラバリールとしては若干重めの240g。
少しでも軽量さや高感度を求めるなら上位クラスを目指した方がイイかも。
とはいえ数年前であれば2万円以上していたようなスペックで、約1万円としては十分すぎるスペックの「紅牙X IC」でした。
その他の仕様・機能
- スーパーメタルフレーム:樹脂フレームと比べてより剛性が高いフレーム。歪みやブレを防止し、スムーズで力強い巻き上げが可能に。
- ラインストッパー:ラインを止めておけるストッパー。わずらわしいレベルワインドへの糸通し作業が不要に。
- ワンプッシュオンクラッチ:押すことでクラッチONできるスイッチ付き。片手でクラッチON/OFF作業が可能。
ちなみに「紅牙X IC」はローギヤモデルのみのラインアップですが、ほぼ同等機種でハイギヤモデルの「LIGHT SW X IC」というリールもあります。
別記事にて紹介してますので、ハイギヤがイイ!っていう方は見てみてね!

紅牙X ICのラインアップ
紅牙X IC 103
巻取長さ(cm):54
ギヤ比:4.9
自重(g):240
最大ドラグ力(kg):5
標準巻糸量PE(号-m):0.8-300、1-200
ハンドル長さ(mm):100
ベアリング(ボール/ローラー):5/1
定価(円):15,000円
軽量化とパワーアップ! 新型、最新デザインの「紅牙IC」
2018年発売、実売価格は定価の約3割引きで約20,000円。
デザインが最新に刷新されていることと、最新機能がたくさんついているのが特徴。
紅牙ICの特徴
軽量化+最新機能たくさん追加!
最安モデルの「紅牙X IC」から約10,000円アップの「紅牙IC」。
まず基本スペックとして、同じ「スーパーメタルフレーム」採用ながら自重30gの軽量化。
ほか最大ドラグ力は1kgパワーアップ、ボールベアリングも1個増えて6個に。
ちなみにベアリング数が増えると巻きがよりスムーズになり、耐久性が上がります。簡単に言うと。
特に大物とのやり取りをする場合はベアリング数が少ないとゴリ感やガタなどがでやすく、タイラバにおいても不意の大物とのファイトの可能性もあるためベアリング数は多いに越したことはありませんね。
もちろん数が多ければいい、っていうものではなくてベアリング自体の質も問われますが、ことさらダイワやシマノ製のリールに関しては、高級リール=ベアリング数も多い=巻きがスムーズになる、という認識で間違いないと思います。
ただ、ベアリングの質という話になると、他社製(特に無名メーカーとか)と比べる場合は単純にベアリング数だけ見て比較するのは無意味かもしれませんね。
ベアリングの話に逸れてしまいましたが、「紅牙IC」について、それ以外にも最新機能がたくさん。
新世代ドラグシステム「ATD」採用!
「紅牙IC」からドラグシステムの「ATD」=オートマチックドラグシステムが採用になっています。
その「ATD」とは…
- より滑り出しがスムーズ
- 柔らかくドラグが効くことにより魚に違和感を与えにくい=無駄に暴れさせない
- ドラグ設定に関わらず、ドラグにネバリがでてファイト中のドラグ調整の頻度が減る
つまり「ファイト中のドラグ調整を減らし、ラインブレイクを防ぎながら魚を速く獲り込むことができるドラグ」であります。
この最新のドラグシステム「ATD」により、さらに細いラインを使用できたり、より軽量で繊細、高感度なロッドを使うことでも大物とのファイトが可能になります。
実際「紅牙IC」はPE0.4号から入力可能という究極にライトなタイラバに対応できる仕様になっています。
その他の「紅牙X IC」から追加で採用されている仕様・機能
- スピードシャフト:スプールとシャフトを分離することで素早くフォールさせることができる。
- LEDバックライト:カウンターのバックライト搭載。
- 巻上スピード表示:スピード表示の感応アップにより、より細かいスピードコントロールが可能に。
- ドラグ引き出しクリック:ドラグが引き出されるとドラグ音が鳴る。
- 電池交換可能:自身で簡単に電池交換可能。交換時に糸の入力のやり直し必要なし。
以上のように基本スペック充実+最新機能たくさんついてる「紅牙IC」。
「紅牙X IC」から約10,000円のアップでこれだけの機能が付いてきますのでコスパには優れるでしょう。
大物狙うなら「紅牙IC」!
大きなポイントとしてはドラグ性能の違いが挙げられますので、大物がヒットする可能性がある釣りをしている、またはしたいっていう方は少し頑張って「紅牙IC」の方がオススメかも?
紅牙ICのラインアップ
紅牙IC 100P-RM/100PL-RM
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):52
ギヤ比:4.9
標準自重:210
最大ドラグ力:5
標準巻糸量PE(号-m):0.8-250 , 1-200
ハンドル長さ(mm):105
ベアリング(ボール/ローラー):6/1
メーカー希望本体価格(円):28,500
マグシールドはじめ最新テクノロジー多数採用+ハイギヤモデルも登場「紅牙TW」
2016年発売、実売価格は定価の約4割引きで約28,000円。
「紅牙TW」にはカウンター付いていません。
紅牙TWの特徴
ダイワ自慢の「マグシールドボールベアリング」採用!
この「紅牙TW」最大の売りはピニオンギヤ部に「マグシールドボールベアリング」が採用になったこと。
※ピニオンギヤ=スプール側の軸にあるギヤで、ハンドル側にあるメインギヤと噛み合う構造になっている。
つまりボールベアリング部にオイルの壁を作ることで海水やほこりを遮断、軽く滑らかな初期の回転性能を長期間維持できる構造です。
ダイワアフターサービス部門いわく、回転耐久性150%アップし砂や塩によるベアリング不具合による修理がほとんどなくなったとのこと。
ただ実際僕が使ってるマグシールド搭載リールは海水水没後(一瞬だけど)流水洗いのみ、1年以上経過後も異音がでたりすることなく滑らかに回転してくれています。アタリハズレはあるんでしょうねー。」
ハイギヤモデルの登場!
もう1点、この「紅牙TW」からギヤ比7.3(巻き取り長さ77cm)というハイギヤモデルが登場しました。
速巻きできるだけでなく、深場や潮流の速いエリアなどで、着底後やフォール中のアタリがあった際にラインスラックを素早く回収できるといったメリットがあります。
逆に従来のローギヤモデルはギヤ比4.9という設定になっており、ダイワの検証の結果もっとも楽に等速巻きがしやすいセッティングになっているとのこと。
ローギヤモデル=RM(楽巻き)モデルと呼ばれます。
「TWS」で素早くフォール!
ほかに「TWS(T-ウイングシステム)」を採用、ライン放出性能アップとライントラブル減少が見込まれます。
これはレベルワインドがT字型になっており、フォール時(クラッチOFF)は幅広部分を通ってラインが放出され、リトリーブ時(クラッチON)時はラインがT字の下部の狭い溝を通っることでタイトで平行に巻き取りができます。
素早いフォールを可能にするだけでなく、ちょっとしたキャスティング時にも性能を発揮しますね。
その他の「紅牙IC」から追加で採用されている仕様・機能
- ZAION(ザイオン)ハウジング:リールハウジング(筐体)に剛性のあるカーボン樹脂「ZAION」を使用している。マグネシウムより軽くて強く、そして錆びない。耐久性アップ、たわみや歪み減少によりキャストやファイト中など釣りの精度や効率が上がる。
- タフ&リジッドクラッチシステム:クラッチON時にスプールピンを受ける溝を十字型にすることにより、より精密なクラッチON/OFF、耐久性もアップ。
- ソルトバリヤタフクラッチ:塩分や電触によるクラッチ固着などの作動不良を防止するための電触防止クラッチシステム。
- 大径クリック付きメカニカルブレーキノブ:大型サイズ、クリック音付で操作、調整しやすいブレーキノブ。
- 大径&ロングアームスタードラグ:リールを握っている手の中指が届く大きなドラグ。片手でドラグ操作することでラインスラックを取ることができる。
- ドラグ調整・引き出しクリック:ドラグ調整時やファイト中にドラグが作動した際に大きめのクリック音が鳴る構造。
以上のように「紅牙TW」は「紅牙X IC」や「紅牙IC」と比べると、カウンターがなくなり、また金属フレームではなく高剛性樹脂ボディのため185gとかなり軽量化されています。
軽量化に加えベアリング数も8個と増加し、巻きの滑らかさや、小さなアタリもキャッチするための感度もアップしています。
ハイギヤモデルの登場やちょっとしたキャスティングにも対応できるということで、使用するタイラバや釣り方のバリエーションが増えていろんな状況にも対応できるようになるでしょう。
カウンターはいらないから、幅広く使えて、ついばむような小さなアタリもとっていける高感度なリールが欲しい!そんな方には「紅牙TW」オススメ。
紅牙TWのラインアップ
紅牙TW 4.9R-RM/4.9L-RM
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):52
ギヤ比:4.9
標準自重:185
最大ドラグ力:5
標準巻糸量PE(号-m):0.8-250 , 1-200
ハンドル長さ(mm):100
ベアリング(ボール/ローラー):8/1
メーカー希望本体価格(円):44,300
紅牙TW 7.3R/7.3L
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):77
ギヤ比:7.3
標準自重:185
最大ドラグ力:5
標準巻糸量PE(号-m):0.8-250 , 1-200
ハンドル長さ(mm):100
ベアリング(ボール/ローラー):8/1
メーカー希望本体価格(円):44,300
ベアリング12個+スーパーメタルハウジング!紅牙シリーズ最強「紅牙TWハイパーカスタム」
2018年発売、実売価格は約45,000円。
リール「紅牙」シリーズ最高額にして最強モデル。
紅牙TW ハイパーカスタムの特徴
「紅牙TW」よりパワーと耐久性アップ!
基本性能は「紅牙TW」を受け継ぎ、さらにハイパーにカスタムされパワー、耐久性アップしたモデルとなっています。
RM=楽巻モデル(ローギヤモデル)は最大ドラグ力が「紅牙TW」より1kgパワーアップ、ハイギヤモデルはさらにハイギヤになり8.6(巻き取り長さ91cm)というセッティングになりました。
ほかにベアリング数が「紅牙TW」の8個から一気に12個に増加。
もちろんピニオンギヤ部はマグシールドボールベアリングであることは引き継がれています。
スーパーメタルハウジング採用!
金属ボディである「スーパーメタルハウジング」が採用されていることも耐久性アップの要因のひとつ。
「紅牙X IC」や「紅牙IC」で採用されている「スーパーメタルフレーム」と違い、メインハウジングとサイドプレートも金属製に。
つまりボディのほぼ全体がメタルということで、さらなる高強度、高剛性化、耐久性もアップ。
これだけのメタル化がなされながら自重は「紅牙TW」より20gだけのアップとなっています。
「紅牙TW」から実売価格15,000円以上のアップになりますが、タイラバリール最強を求めるならこの「紅牙TWハイパーカスタム」でしょう。
紅牙TWハイパーカスタムのラインアップ
紅牙TW ハイパーカスタム 4.9R-RM/4.9L-RM
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):52
ギヤ比:4.9
標準自重:205
最大ドラグ力:6
標準巻糸量PE(号-m):1.0-300 , 1.5-180
ハンドル長さ(mm):100
ベアリング(ボール/ローラー):12/1
メーカー希望本体価格(円):54,500
紅牙TW ハイパーカスタム 8.6R/8.6L
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):91
ギヤ比:8.6
標準自重:205
最大ドラグ力:5
標準巻糸量PE(号-m):1.0-300 , 1.5-180
ハンドル長さ(mm):100
ベアリング(ボール/ローラー):12/1
メーカー希望本体価格(円):54,500
まとめ
以上リール「紅牙」シリーズの機能と金額を比較してきました。
- とにかく安くてカウンター付き!→「紅牙X IC」
- 「紅牙X IC」+最新機能たくさん、特にドラグ性能アップ→「紅牙IC」
- カウンターはないけど軽さ、基本性能充実→「紅牙TW」
- 剛性など、とにかく最強!→「紅牙TWハイパーカスタム」
それぞれの性能や金額などを比較してきましたが、やはり高額になるにつれて剛性や耐久性、巻きの滑らかさ、感度などがアップします。
それぞれの究極を求めてしまうと結局最高額モデルに行きついてしまう訳で、予算が許されるならそれを選ぶのがベストだとは思います。
ただ、実際は必ずしも上位モデルを選択しなくても十分タイラバはできるし、楽しみ方は使い方次第かと。
ということで最後に、一概に最強!っていうのは言えないけど、「コスパに優れるリール」を挙げるとすれば「紅牙IC」。
約20,000円ながらカウンター付き、軽量、メタルフレームで高剛性、ATDというドラグシステムなど、金額の割に性能良く、個人的にコスパ最強かと。
以上「紅牙」シリーズまとめでした。タイラバリール選びの参考になれば幸いです!

