アジング、メバリング、トラウトに。ダイワのパックロッド「月下美人MXモバイル 610L-S-5」インプレ。
アジング、メバリングに使えるパックロッドは?
アジングやメバリングに使える、感度が良くて、軽くて、かつ強さもあって、さらにカッコいいロッドが欲しい!
予算は2万円ぐらいまで!
もっと言えば持ち運びしやすいパックロッドで、管理釣り場とかでも使えたらいいなぁ…
というたくさんのワガママをかなえてくれるロッドを探していたところ、奇跡的に発見。(大げさ)
その名もダイワ「月下美人MXモバイル」。
アジング、メバリング専用ロッドとしてはダイワ、シマノ通じて唯一(※マイボ!調べ)のパックロッドでありながら、軽量で高性能でエリアトラウトにも使えそう!ってことで購入してみました。
パックロッドならではのデメリットもやっぱりありながらも、トータルで見るとコスパ優秀なロッドだと感じましたので、本記事では「月下美人MXモバイル」のイイところもイマイチなところも含めたインプレをお届けします!
「月下美人MXモバイル 610L-S-5」商品詳細
「月下美人MXモバイル」には長さが異なる3種類のラインアップがありますが、今回筆者が購入したのはもっとも短く軽量な「月下美人MXモバイル 610L-S-5」。
まず商品スペックについて。
- 全長:2.08m
- 継数:5本
- 仕舞寸法:47cm
- 自重:67g
- 先径/元径:0.7/9.9mm
- ルアー重量:0.5-8g
- 適合ライン(ナイロン):1.5-4lb
- 適合ライン(PE):0.1-0.4号
- カーボン含有率:94%
- 定価:32,800円
- X45
- メガトップ
- V-ジョイント
- 高密度HVFカーボン
- オールチタンフレームSiCガイド
実売価格は2万円少々。
ダイワのエリアトラウト専用ロッド「プレッソST 60UL-4」が約17cmに対して、「月下美人MXモバイル610L-S-5」は少し長めの約20cm。
エリアトラウトロッドより少し重めのルアーにも対応しているってことでの操作性を考慮してのこの長さなのでしょう。
腕が短めの人でもグリップエンドが肘より長いということもなく、片手でのキャストやルアーアクションには邪魔にならない。
かつ腕にグリップエンドに当ててルアーのリトリーブやファイト中にも安定させることができるちょうどイイ長さかと感じます。
カタログ数値67gより少し軽く65g。
まあ誤差の範囲でしょう、スケールの精度の問題とかもあるし。
「月下美人MXモバイル 610L-S-5」のイイところ、イマイチなところ
イイところ
まずはイイところ。
パックロッドで持ち運び安心!
まずもっとも大きなポイントは5本継のパックロッドで持ち運びに便利だということ。
特にアジングロッドって穂先が1mm以下と極端に細く折れやすいため、持ち運びには気を使います。
「月下美人MXモバイル 610L-S-5」なら、5本継で仕舞寸法わずか約50cmのため、大きめのバッグなら収納できちゃいます。
車移動時に誤って破損するのを防いだり、電車など公共交通機関での釣行が可能ですね。
軽い!
「月下美人MXモバイル 610L-S-5」の自重はカタログ値で67g。
これはアジング、メバリングロッドとしてはシマノなどを含めても最軽量クラス。
例えば同じ長さであるダイワの最上位モデル「月下美人EX AGS 610LS-SMT・E」は自重65gとほぼ同じ。
またシマノでも上位クラスの「ソアレエクスチューンアジング S610L-S」も自重67gと同じ。
もちろん「メタルトップ」とか、強度や剛性面をアップさせる技術の有無があるから一概には言えないけど、「軽さ」の点においては最上位モデル並みであることは間違いありません。
逆に下位モデルを見ると、同じダイワの「月下美人AJING 611L-S」は自重88gと一気に20gも重くなる。
たかが20g、されど20g。
超軽量ルアー×超細ラインを使うアジングやメバリングの世界においては、この20gは大きな差になってきます。
またリールも150gのものも登場してきていて超軽量化時代。
リールが軽ければロッドも軽い方がバランスが良いですよね。
もちろん軽ければイイ!ってわけではなくて、重量バランスも大事。月下美人MX単体であればそのバランスも良いと思う
「X45」×「HVF」×「メガトップ」で感度と強度も確保!
- 「X45」…カーボンシートを斜め(45度)に巻き付け、ネジレを防ぎ操作性、剛性を上げる構造。
- 「高密度HVFカーボン」…ロッドの素材であるカーボン繊維の密度がより高い素材。弾性(ハリ)、感度アップ。
- 「メガトップ」…カーボン繊維を均一に分散させることで究極に細く、高感度になったカーボンソリッドの穂先。
以上の技術が採用されているおかげで、軽量でありながら剛性や操作性、感度が高いレベルで確保されています。
「Vジョイント」で継ぎ目もスムーズ、たぶん
パックロッドにはつきまとう継ぎ目の曲がりの不安。
どうしても継数が多い分、曲がりのスムーズさやパワーロスというのは仕方ない…と考えらがちですが、この不安を解消するのが「Vジョイント」という技術。
「1ピースロッドのような繋がり」とメーカーでは謳われていますが、実際のところどうでしょうか。
「Vジョイント」非採用かつ継数の多いパックロッドである「プレッソST 60UL-4」と比較してみました。
が…パッと見では分からないレベル。
両方を実際に使ってみても、Vジョイント搭載だから滑らかだなー、とか非搭載だから継ぎ目で違和感あるなー、っていうのは実感できないレベル。
まあこれは僕には分からないレベルの違い。どっか見えない所で機能しているのでしょうし、分かる人には分かるのでしょう。たぶんw
ファーストテーパーでジグヘッドやメタルジグ×アクションが得意
先ほどの画像の通り、「月下美人MXモバイル 610L-S-5」はファーストテーパー(先調子)気味のロッドであるため、ジグヘッドやカブラ、メタルジグなどアクションを加えるルアーと相性が良いと感じました。
リフト&フォールなど、フォール中にでるアタリに積極的に掛けていく、いわゆる「縦の釣り」を得意とします。
逆に「横の釣り」であるジグヘッドリグを一定層でただ巻きで泳がせたり、プラグなど巻物系のルアーは、巻きながら自動的にフッキングさせるのが得意なレギュラーテーパーのロッドの方が相性はイイ。
もちろん「月下美人MXモバイル 610L-S-5」でも「横の釣り」はできなくはないけど、タイプの違うロッドも持ってるといろんな状況に対応しやすいのは間違いないですよね。
そんな時は先述の「プレッソST」などのエリアトラウトロッドが意外と使えたりする
管理釣り場にも使える
「月下美人MXモバイル 610L-S-5」は管理釣り場でエリアトラウトロッドとしても使えます。
ロッドに求める性能や釣り場との相性、使用するルアーとの兼ね合いもあるので一概にゼッタイ使える!釣れる!っていうことではないですが、ハイレベルな釣りを求めない「それなりに」であれば使えるってことです。
例えば先述の通り、「月下美人MXモバイル」はファーストテーパー気味のロッドですから、エリアトラウトにおいてもスプーンやプラグにアクションを加える釣りは得意。
また、軽量ルアーのキャストやそれなりに大型トラウトが掛かっても余裕をもってファイトすることができます。
反面、例えば「スプーンなどをデッドスロー×自然に喰わせる」という割と渋い状況を攻略しようとすると、やはりエリアトラウト専用ロッドには敵わない部分も。
その辺は本職ロッドに任せて「足りない部分を補う形としてアジングロッドをエリアトラウトに代用する」というのがイイ使い方かと。
イマイチなところ
続いてイマイチなところを。
継ぎ目で抜けることも…
「月下美人MXモバイル」は5本継と継数が多い故に、継ぎ目で抜けることもあります。
特に穂先に近く、細い部分。
キャストしたら穂先も一緒に飛んでいくー…なんて現象がごくまれに発生します。
最初は折れた!と思ってびっくりしますが、ラインが通っているのでもちろん回収できます。でもちょっと恥ずかしいw
パックロッドってポイント移動をするたびに収納して、釣り場に着いたら再度装着…を繰り返していると継ぎ目の装着が雑になりがち。
対策としては釣りの前にしっかり装着することをより意識する。
さらにアジングやメバリングはナイトゲームがメインになることが多く、暗闇で見えにくいため合間で継ぎ目部分を確認するなどすれば万全。
リールも同じく「月下美人MX」と組み合わせるとちょっと重い
これはロッドのイマイチなところっていうよりリール側の問題ですから、参考までに。
筆者は「月下美人MXモバイル 610L-S-5」に組み合わせるリールに、同じく「月下美人MX LT1000S-P」を使っています。
もう教科書通りみたいな組み合わせ。デザイン面で見るとベストだとは思う
「月下美人MX」には同じ「月下美人MX」やろ!と単純な考えで組み合わせると、実は少し落とし穴が。
それはリール「月下美人MX」は自重190gと少し重いということ。
先述のイイところでロッドが67gと軽い!とご紹介しましたが、これに190gのリールを組み合わせると持ち重り感があります。
例えば筆者が愛用中の別のリール「バリスティックFW LT1000S-P」(自重160g)を組み合わせると、ロッドとのバランスも良くめちゃくちゃ軽く感じるし、、ロッド本来の性能が発揮できてる感じがする。
金額的にもリール「月下美人MX」は定価で約20,000円とロッド「月下美人MX」より低いグレード(ロッド「月下美人MX」は定価約35,000円)。
ですから、ロッド「月下美人MXモバイル」の本来の力を発揮させようと思うと、できれば自重が軽い先述の「バリスティック」やダイワ最軽量「ルビアス」、また同じ月下美人シリーズにするなら上位モデルの「月下美人AIR」(175g)がオススメ。
ちょっと予算は上がってしまいますが…
まとめ
以上「月下美人MXモバイル 610L-S-5」インプレをお届けしてきました。
全体的に不満は少なくよくできているロッドだと思います。
特にパックロッドで67gという軽量でありながら、1ピースロッドと変わらないレベルの高感度や強度も持ち合わせているというのが「月下美人MXモバイル」の大きな武器。
エリアトラウトにも使えたり、汎用性もあり。
場合によってはブラックバスやボートでのライトゲームにも使えるんじゃないかとも思う
もっと軽量で高感度、高強度なモデルを求めると、約10gほど軽量かつ「AGS」や「HVFナノブラス」採用の「月下美人AIR AGS」や「スーパーメタルトップ」採用の「月下美人EX AGS」などもありますが、何せ高額。
逆に下位モデルで約10,000円と安い「月下美人」や「メバリングX」などと比較すると、「月下美人MXモバイル」には本文中でも紹介しているように「メガトップ」や「高密度HVFカーボン」「X45」「チタンフレームガイド」など現状ダイワの主力とも呼べる技術が多数採用されていて高感度かつ高剛性、さらに20g以上の軽量性も持ち合わせています。
なにより「月下美人」シリーズでパックロッドは「月下美人MXモバイル」だけ。
ということで長々と書いてきましたが、最後にまとめ!
- 軽量67g
- 「月下美人」シリーズで唯一のパックロッド
- 「メガトップ」「HVF」「X45」で高感度×高剛性
- エリアトラウトなどにも使えるて汎用性もあり
- 組み合わせるリールもできるだけ軽量がオススメ
- パックロッド×軽量×高性能ながら約20,000円でコスパ優秀!
- パックロッド故の継ぎ目で抜けやすいのはこまめなチェックでカバー
一昔前では不可能であったパックロッドながら高性能、そしてそれなりの金額で買えるという「月下美人MXモバイル」。
電車など公共交通機関を利用せざるをえない釣行において、過去には不可能であったハイレベルな釣りも可能に。
いろんな可能性を秘めた「月下美人MXモバイル 610L-S-5」インプレでした!
重い!とちょっと酷評になってしまったけど本当はイイリール「月下美人MX LT1000S-P」インプレもあるよ。