真っ黒ボディがカッコいい。ピシファンのハイスペックなのに激安スピニングリール「CarbonX 1000S」買ってみたのでインプレ。
真っ黒ピシファン「CarbonX 1000S」はアジング、メバリング、エリアトラウトにオススメ
チャラチャラした派手な装飾がない、とにかく真っ黒なスピニングリールってないんかな?
某大手釣り具屋さんでプラプラしてる時にふと思った。
シマノ「エクスセンス」。これだ!これはほぼ真っ黒でカッコイイ!
でもシーバス用で3000サイズ以上…
シーバスやってた数年前なら飛びついてたんだろうけど、今はアジングやメバリング、エリアトラウトなどライトゲーム用を探しているのです。
ということでネットも含めて探した結果、最も真っ黒に近いのがコレ!
ピシファンっていう中国メーカーではあるけど、結論を言うと165gで軽量とか回転性能とか…結構なハイスペックながら6,000円台と格安でアジングやメバリング、エリアトラウトにピッタリ!
もちろん安いからそれなりに劣る部分もあるリールだけど…
本記事ではそんなピシファン「カーボンX 1000S」実釣インプレッションやイイところ、イマイチなところをまとめてみました。
「CarbonX 1000S」スペック
まずはスペック。
- 自重:165g
- 最大ドラグ力:4kg
- ギア比:5.2:1
- 1回転の巻糸長:57cm
- 糸巻量(PE):8lbー87m
- 糸巻量(ナイロン):4lb–68m
- ベアリング数:11個(シールドステンレス)
- ボディ素材:カーボン
- ローター素材:カーボン
- スプール素材:アルミ
このスペックでAmazon価格は6,000円台という破格。
特筆すべきはやはり165gという軽量性とベアリング11個であること。
これが事実ならエリアトラウトやアジング、メバリングといったライトゲームではかなり大きな武器になりそう。
ちなみに筆者が愛するダイワ「バリスティックFW LT1000S-P」のスペックと比較すると…
- 自重:160g
- 最大ドラグ力:5kg
- ギア比:4.8:1
- 1回転の巻糸長:60cm
- 糸巻量(PE):0.3号ー200m
- ベアリング数:7/1個(マグシールドレス)
- ボディ素材:ZAION(高密度カーボン)
- ローター素材:ZAION(高密度カーボン)
- スプール素材:薄肉アルミ
- 定価:34,000円
こんな感じで「バリスティックFW LT1000S-P」と比較しても、スペックだけ見ると正直そこまで大差はないですね。
「カーボンX」はダイワでいうと3万円台クラスのスペックを持ちながらならおよそ4分の1の金額で買えちゃうのです。
まあこれだけの金額差があるには理由があって、カタログスペックだけではわからない機能がたくさんあるわけですが
「バリスティックFW LT1000S-P」が高額である理由についてはコチラへ。(※別ページが開きます)
そのほかには巻き心地とか耐久性とか…実際使ってみないと分からない部分はいっぱいあります。
何より中国メーカーであり、粗悪品である可能性も…ていう心配も。
「CarbonX 1000S」商品写真
モノは使ってみないと分からない!ってことで、安いし買ってみました。
ボディもスプールもハンドルもベールも…すべて真っ黒。いっそネジも黒ならもっとよかったかも。
そして黒は黒でもキラキラした艶のないマットブラック風で渋くてカッコいいし、パッと見ではそこまで安っぽさは感じられない。パッと見では。
メーカー曰く「鳥の巣のようなデザイン」で軽量化されたアルミスプール。
こんなデザインだから水がメインシャフトまで余裕で入っちゃうのは心配。
丸形のラインストッパー。
精度がイマイチなのか、0.3号ぐらいのPEラインやエステルラインがたびたび引っかかり、切れてしまうことがある。
この辺は激安リールってことで多めにみましょう。
ドラグノブも真っ黒、ベールも真っ黒で細身。
ラインローラ部も抜け目なく、しっかりボールベアリング2個仕様。
このあたりもダイワやシマノなら3万円台クラスのスペックを追従しています。
ただ、残念ながら黒ではない。
旧型で安いスピニングリールにありがちな、ベールのラインローラー側に継ぎ目があってそこにラインが引っかかる問題。
特に極細ラインを使用するエリアトラウトやアジング、メバリングにおいてはライントラブルを防止するためにかなり重要なポイントでありますが、この「カーボンX」は一応継ぎ目はなし。
しかし若干の段差があり、これが原因かわからないけど筆者も実釣時には何度かライントラブル発生。
この辺はダイワやシマノに劣る部分なのかなぁと。
例えばダイワであれば糸ヨレを防ぐために「ツイストバスター」と呼ばれるラインローラーに精密な傾斜をつける機構があったり、シマノでは「ワンピースベール」というまったく継ぎ目なく滑らかにラインを送ることができる機構などがあります。
実際にエリアトラウトでは「バリスティックFW」やアジングで「月下美人MX」などのダイワ製リールと併用してみましたが、ライントラブルの少なさに関して言えばやはりダイワ製リールの方が圧倒的に安定感はありました。
ライントラブルを防ぐ技術や性能って、軽量性や剛性などと比べると軽視されがち。けど極細ライン使うライトゲームではめっちゃ大事な部分だと思う
もちろんダイワやシマノ製ロッドにも適合。
※全モデルに適合するかは不明だけどほぼ大丈夫でしょう、たぶんw
「カーボンX」は軽く握っても滑りにくい、先太り形状のデザイン×EVA製のハンドル。
細かい部分だけど、軽ーく触れる程度に回転させることも多くハンドルから手が抜けがちなライトゲームでは重要なポイント
ダイワ「バリスティックFW LT1000S-P」と比較すると、メインシャフトの太さとかベアリングのデカさとかネジ山の精度とか…いろいろ劣る。
こういった高額モデルとはカタログスペックだけ見るとそこまで大差はなかったですが、この辺の見えない部分から回転の滑らかさや剛性、耐久性など違いがでてくるものなのでしょうネ。
海外メーカーってことでカタログスペックとは結構違うんだろうなーと思って軽量したら、なんとほぼピッタリ。
国内メーカーよりきっちりしてるかもw
組み合わせるラインは絶対コレがオススメ
組み合わせるラインについてですが、ナイロンやPE、エステルとか…釣りの種類、釣り方、使用するルアーなどによって得意不得意はあるので一概には言えませんが、この「カーボンX」については個人的にこれがオススメ。
ハイ、選択基準は見た目だけ(笑)
せっかくの真っ黒ボディですから、白色や黄色といったカラフルなラインを巻いてしまうと「カーボンX」の魅力が半減してしまいます(※個人的意見)。
そこで上記のMADE IN JAPAN(高知県)のティクト(TICT)というメーカーの「SHINOBI」という真っ黒エステルライン。
コレならラインを巻いても真っ黒でカッコよさキープ!
200m巻きの0.25号と0.35号という中途半端なラインアップで、「カーボンX 1000S」に巻く場合は0.25号だと気持ち少なめ、0.35号だと多めという感じ。
筆者は0.25号を選択しましたが、細すぎ!って思う方は0.35号でもキャパ的には収容できそう。
問題は「ナイロンより比重は軽く、伸びない、PEよりは比重が重く、ゆっくり沈む」といった性質のエステルラインをうまく使いこなせるか。
個人的には、沈むか沈まないかの超軽量ルアーをゆーーーっくりフォールさせるのにはピッタリだし、逆に重めのルアーを使うのであればルアーの重みに引っ張られて自然と沈みますし、割と万能なラインかと感じます。
ただ少しでも傷付いたり手で軽く引っ張るだけでもプチプチ切れるほど繊細なので、取り扱いには気を使いますし、ショックリーダーを組む必要があるのでメンドくさいし、少し上級者向けかな?
筆者が使用している0.25号は細すぎる感があります。究極のライトゲームを求めないなら0.35号の方が万能でオススメかも
まあラインについてのウンチクは置いておいて、見た目的には問答無用でオススメでぜひ導入いただきたい、ティクトの真っ黒ライン「SHINOBI」でした。
ピシファン「CarbonX 1000S」実釣後インプレッションまとめ
商品について説明が終わったところで、実際にアジング、メバリングやエリアトラウトに使用した感想やレビュー。
良いと感じた部分、イマイチかな…と感じた部分をまとめてみました。
「CarbonX 1000S」のイイところ
まずよかったところ。
その1:とにかく安い
これは実釣関係なく書くまでもないですねw
6,000円台でこれだけのスペックのリールが買えるのはスゴイこと。本当にその性能発揮するなら。
その2:自重165g、超軽量
自重165gという軽さはライトゲームにおいてはかなり大きな武器。
カタログスペック詐欺ではなく、上記のように実計測での165gです。
これはダイワ、シマノ製でも最上位モデル並みの軽さ。
その3:ベアリング数11個で回転軽く滑らか
この価格でなんとベアリング数は11個採用。
ラインローラーまできっちり2個仕様で、これまたダイワやシマノ製でも最上位モデル並みの数量。
6,000円台という価格帯のリールであることを考えると、回転性能は十分以上に滑らかで軽い。
その4:真っ黒がカッコいい!
そもそも個人的には真っ黒という条件で探し当てたリール。
とにかく真っ黒、しかもつやのないマットブラックでカッコイイのです。
ボディからベールにいたるまで真っ黒のスピニングリールって意外と少ない。
例えばシマノ「エクスセンス」シリーズのリールも真っ黒に近くてカッコいいけど、シーバス用で3000サイズからのラインアップで、アジングとかトラウトなどライトゲームには使えない。
1000や2000サイズで探しても黒ベースのボディだけど、ゴールドやシルバー、レッドとかの装飾がされてたり…
※シルバー、レッド、ゴールドという3色が織り交ぜられた超派手カラー、そしてブラック要素ゼロの「月下美人EX」の悪口ではありません。
チャラチャラしたお飾りなんていらないんだ!
男らしくシックで無骨、真っ黒がイイ!
って方は迷わず「カーボンX」w
その5:釣り場で他人とカブらない
ほとんどの人はダイワやシマノのリール、例えばアジングならダイワ「月下美人」やシマノ「ソアレ」シリーズといったように専用リールを使うことが多いのでは。
ということで釣り場で同じ釣りしてるとカブることがよくあるわけです。
カブるのがイヤな方であれば「カーボンX」オススメ。
釣り場でこの「カーボンX」使ってる人を筆者はまだ見たことがありませんw
「CarbonX 1000S」のイマイチなところ
続いてイマイチな部分まとめ。
その1:回転は滑らか!とはいえ上位モデルには劣る
イイところでベアリング11個で回転滑らかで軽い!ってありましたが、当たり前ですが高額な上位モデルには劣ります。
ベアリング数は多けりゃイイ!ってものではなく、そのベアリング自体の素材の質や精度も重要ですから一概に個数だけで比べるのはちょっと違う。
例えば上記で何度も登場しているダイワ「バリスティックFW LT1000S-P」(定価3万円オーバー)よりベアリング数は多いですが、実際に巻くと滑らかさは劣ってる(と感じる)。
回転の軽さだけで言えば、「カーボンX」の方が軽く感じるけど
その2:ライントラブル防止の機構は劣る?
上記商品説明の項でも書きましたが、ライントラブル防止の機構は劣るかと。
例えばダイワでは「ツイストバスターⅡ」や「エアベール」、シマノなら「ワンピースベール」や「AR-Cスプール」など、ヨレを防止したり、キャスト時のライントラブルを減少されるための技術が使われています。
一方ピシファン「カーボンX」ももちろん独自のライントラブル対策はとられているのでしょうが、ダイワやシマノと比べると劣る感じがしました。
ラインローラー部の角度などやベール形状などの作りこみが違うのでしょう。
実際「バリスティックFW」や1万円台とそこまで高額でもない「月下美人MX」などと同時に実釣しても、これら2機種はほとんどライントラブルがなかったのに対し「カーボンX」は何度かトラブル発生することが。
これは筆者のキャスティング技術の低さがもっとも大きな原因とは思いますがwそれでも国内メーカー上位モデルと比べると劣っていると思う
その3:耐久性、剛性の問題
ベアリング11個搭載で回転軽くて滑らか!とはいえこの性能がどれぐらいキープできるのか?という耐久性の問題。
さらにスプールは軽量化のために穴あきでメインシャフトまで水が入り放題というデザインも心配なところ。
これは長年使用しないと分からない部分もありますが、説明書にあるように注油などのこまめなメンテナンスにより大きく差はでてくるでしょうね。
“映える”写真を撮りたくて、トラウト釣果写真を撮影する際にジャバジャバと水がかかることが(時にほぼ浸かることも)ありました。
淡水、海水でこんな荒い使用した後にも水洗いのみで数回使用した現在、特に異音が発生したりするなどのトラブルはなし
数回の使用でぶっ壊れる…なんてことはなさそう。
ちなみにダイワ「マグシールド」などは基本的にノーメンテですから、国内上位モデルのリールと比べると性能の維持に手間はかかるでしょう。
手間がかかる子ほど可愛い!!のか…?
また、「カーボンX」という名の通りボディやローターなどほとんどの部分がカーボン樹脂製であるため、金属製ボディと比べると剛性は劣ります。
ただ、今回紹介する1000サイズであれば想定される釣りはアジングやメバリング、エリアトラウトあたり。
そこまで流れが激しかったり大型魚が相手ではないため、この辺は問題ないかと。
まとめ
- 耐久性や剛性、キャスティング性能の不安はある
- 軽量性と回転の軽さが大きな武器
- 何より真っ黒がカッコいい
- そして安い
ピシファン「カーボンX 1000S」インプレでしたが、ざっくり言うとこんな印象でした。
自重165gでベアリング11個搭載で回転軽々といったスペックは国内メーカーの3万円以上するリール並み。
これで6,000円台という金額を考えると、コスパはめちゃくちゃ優秀だと思います。
ただ、やはり上位モデルと比較すると耐久性や剛性、キャスティング性能は劣るため、これらをカバーする必要はあるでしょう。
使用後のメンテナンス、ライントラブルしないように気を付ける(ラインをスプールにしっかり巻く、糸ヨレを解消させる…)などを心がければ十分使えるリール。
って考えると少し上級者向けのリールなのかもしれません。
とにかく簡単に、初心者でもライントラブル少なく使いたい!
そんな方は素直に国内メーカーの最低2万円以上ぐらいのリールの購入をオススメします。
ただ、今回は「カーボンX」紹介なので最後にまとめ。
- 用途はアジング、メバリング、エリアトラウトなどに…
- とにかく真っ黒なリール!
- とにかく安くて高性能なリール!
- 人と同じ道具がイヤだ!
- 釣りの腕前に自信がある!
こんな方々にはぜひオススメなピシファン「カーボンX 1000S」でした!