日本の定番釣法は海外で通じる?アメリカ・イギリス・オーストラリアでほぼ知られていない釣り8選
「タチウオテンヤって、海外の人もやってるのかな」
そう思って英語で検索してみると、出てくるのは日本メーカーの英語ページばかりでした。

タイラバは海外でも売ってるって聞くけど、ほかの釣りはどうなの?

イカメタルとかバチコンって、英語でなんて呼ばれてるんだろう…
日本の船釣りには、国内では専用ロッドが何シリーズも出ているのに、英語圏ではほとんど話題になっていないものがあります。
調べたのはアメリカ・イギリス・オーストラリアの3か国。
釣り方の名前を英語で検索して、現地の人が書いた記事や掲示板の書き込みが見つからなかったものを、ここでは「ほぼ無名」と呼んでいます。
見つからなかったというだけで、現地でやっている人が一人もいない、という意味ではありません。

英語で釣り方の名前を入れても、上に並ぶのは日本メーカーの英語ページばかり。現地の釣り人の声が、ほとんど出てこないんです。
8つの釣りと3か国の認知度
| 釣り | アメリカ | イギリス | オーストラリア |
|---|---|---|---|
| イカメタル・オモリグ | ほぼ無名 | ほぼ無名 | ほぼ無名 |
| ひとつテンヤ | ほぼ無名 | ほぼ無名 | テンヤだけ一部の店で販売 |
| ティップランエギング | 現地の記事なし | 現地の記事なし | 一部の愛好家がやっている |
| タチウオテンヤ・タチウオジギング | ほぼ無名 | タチウオ釣りの記録が見つからない | 魚は釣りの対象、釣り方はほぼ無名 |
| 船タコエギ | ほぼ無名 | ほぼ無名 | ほぼ無名 |
| ブレードジギング | ほぼ無名 | ほぼ無名 | ほぼ無名 |
| バチコン(船アジング) | ほぼ無名 | ほぼ無名 | ほぼ無名 |
| 落とし込み | ほぼ無名 | ほぼ無名 | ほぼ無名 |
8つのうち、現地の釣り人が自分の言葉で書いた記事が見つかったのは、オーストラリアのティップランだけでした。
残りは、日本のメーカーや輸出ショップが英語で出しているページがほとんどです。
海外でほぼ知られていない日本の釣り8つ
イカメタル・オモリグ
夜の船で、集魚灯に寄ってきたケンサキイカなどを鉛スッテとドロッパーで狙うのがイカメタル。
オモリの先に長いハリスを取ってエギを漂わせるオモリグも、いまでは同じ船で並んでやる釣りになりました。
この2つを英語で調べると、見つかるのはサンライン、ジークラック、テイルウォークといった日本メーカーの英語ページです。
3か国とも、現地の釣り人が書いた解説は見当たりませんでした。
言葉が通じていない様子がわかるのが、オーストラリアのElite Tackleが売っている「Ika Metal Jig 140g」。
名前はイカメタルですが、中身はイカの形をした根魚用のメタルジグで、イカを釣るための道具ではありません。

「イカメタル」で検索して根魚用のジグが出てくるあたり、言葉だけ先に渡って中身は伝わってないんだな〜と感じますね。
近い釣りが見つかったのはアメリカ東海岸です。
ケープコッドのイカ釣りガイドは、1〜2オンスのオモリに枝を2本出した仕掛けでヤリイカの仲間(loligo squid)を狙う釣りを紹介しています。
そこには、小型の日本式ジグのほうが従来の道具より釣れる、とも書かれていました。
ただし「ika metal」という言葉は一度も出てきません。
道具そのものは、日本のタックルを扱う輸出ショップにヤマシタのイカメタルリーダーやメジャークラフトのイカメタルロッドが並んでいて、アメリカのeBayにもセットの出品がありました。
→ イカメタルで使う水深カウンター付きのリールは、1万円台のカウンター付きベイトリール比較にまとめています。
ひとつテンヤ
軽いテンヤにエビを付けて、スピニングタックルで底まで落とすマダイ釣りです。
オーストラリアでは、Catchというブランドのテンヤヘッドを複数の釣具店が販売していて、「Rubber Lure & Tenya」という売り場を作っている店もありました。
商品ページはスナッパー(現地のマダイの仲間)向けをうかがわせる内容です。
それなのに、現地の人が釣り方を解説した記事は見つかっていません。
アメリカとイギリスは、解説記事も掲示板で試した書き込みも出てこず。
英語で読めるひとつテンヤの解説は、シンガポールのブログ、フランスの通販サイト、日本から発信しているサイトの3つでした。

テンヤは棚に並んでるのに、釣り方を書いた人がいない。買った人はどうやって使ってるのか、ちょっと気になります。
→ 日本での釣り方はひとつテンヤの釣り方ガイドに書いてます。
ティップランエギング
船を風や潮で流しながら重めのエギを底まで沈め、穂先に出る変化でアオリイカを掛ける釣り。
8つの中で、現地の人が書いた記事が見つかった唯一の釣りです。
オーストラリアのエギング専門店が、26gのティップラン用エギと3〜10gの追加シンカーをそろえた専用コーナーを持っています。
その店が2026年4月に出したビクトリア州でのティップランの釣り方を解説する記事も出しています。
現地の人が書いた釣り方の解説が見つかったのは、8つのうちこのティップランだけでした。
ヤマシタのエギ王TRを扱う店もあり、道具は現地で手に入ります。
アメリカとイギリスでは、現地の記事が見つかりませんでした。
イギリスは岸からのエギングなら釣具店が解説ページを出すくらいに広まっているので、船から流す釣り方の記事だけが見つからない状態です。
→ 専用ロッドを持っていない人向けに、ティップランロッドの代用にできる竿の条件も用意しています。
タチウオテンヤ・タチウオジギング
イワシを巻いたテンヤ、あるいはメタルジグで、指示されたタナを探っていく船釣りです。
大阪湾でテンヤとジギングを同じ日にやったとき、テンヤはスローのただ巻きでも釣れるのは釣れたが、竿を動かしてから手を止めた、その瞬間にあたりが集中した、ということが一度ありました。
日本ではこういう誘い方の話だけで記事が何本も書かれるくらい、タチウオは専用の釣りとして扱われています。
海外での扱いは、国によってかなり違いました。
アメリカではタチウオを「ribbonfish」と呼びます。
フロリダの釣り雑誌は、この魚を主にキングマッカレル(サワラの仲間)を釣るための餌として紹介していました。
釣り方として書かれているのは、ボラの切り身を使う方法と、岸からジグにケミカルライトを付ける方法。
新鮮なら美味しい、という一文もあります。
北東部の掲示板には2008年に「リボンフィッシュをジグで狙う話は聞いたことがない」と書いた投稿が残っていました。

日本だと主役なのに、アメリカでは餌あつかいなんだ…
オーストラリアでは「hairtail」の名前で、ニューサウスウェールズ州の水産当局が釣りの対象魚として載せています。
釣り雑誌の動画もあって、魚そのものは釣りの対象として知られています。
ただ、テンヤを使っている現地の情報は見つかりませんでした。
イギリスは、タチウオを釣っている記録自体が出てきません。
道具は、アルファタックルのテンヤタチウオロッドを載せている輸出ショップがあり、ヤマシタはテンヤの英語ページを出しています。
→ テンヤとジギングの違いはタチウオの船釣りガイドに、テンヤの号数は船タチウオテンヤの比較にあります。
船タコエギ
派手な色のタコエギを底でこつこつ動かして、乗ったタコを一気に巻き上げる釣り。
3か国とも、現地の人が書いた解説は見つかりませんでした。
タコエギ自体は、アメリカとオーストラリアのeBayに出品があります。
意外だったのは、イタリアとギリシャの釣具店がダイワのタコエギを扱っていること。
英語圏より先に、地中海のほうで広がり始めているのかもしれません。
タコを釣ってよいかどうかの決まりは国や州ごとに違うので、海外で試すなら現地の規則を先に確認してください。
ブレードジギング
後ろにブレードを付けたジグを速巻きして、サワラなどに食わせる釣りです。
英語の解説は、パームスの公式ブログと日本発の釣りサイトの2つ。
現地の釣り人が自分の海のサワラやサバの仲間で試した、という記事は3か国とも見つかっていません。
一方で、メジャークラフトのヨーロッパ向けサイトにはブレードジギング専用のロッドが載っています。
日本の釣具を海外へ送るショップも、シマノのグラップラーBB タイプブレードを扱っていました。

専用ロッドは海を渡ってるのに、釣り方の記事がない。道具のほうが先に行ってる感じですね。
バチコン(船アジング)
バーチカルコンタクトの略で、船の真下にオモリとワームを落としてアジを狙います。
今回いちばん情報が少なかったのがこの釣りでした。
英語の解説記事はひとつも見つからず。
出てきたのは、アメリカのeBayに出ているダイワ 月下美人のバチコン用セットと、ニュージーランドのショップが扱う一誠の仕掛けだけです。
どちらも日本の製品をそのまま売っているページで、使い方の説明はありません。
落とし込み
太いサビキにイワシやアジを掛け、そのまま底まで下ろして青物やヒラメが食うのを待つ釣りです。
英語で見つかったのは、サンラインの落とし込み用ラインの製品ページと、日本から英語で書かれたブログだけでした。
3か国とも現地の記事はなく、専用の仕掛けが海外で買えるかどうかも確認できていません。

餌を釣る手間を省いて、掛かった小魚をそのまま沈めるわけで。そもそも横着な釣り方だから、小魚がいない日に釣りにならないのは仕方ないんだけどね。
自分の場合、本命の場所で小魚が掛からない日は、横着せず、先に小魚の付く場所でしっかり釣ってから移動するほうが確率は高いです。
生きた小魚を餌にする釣りは海外にもありますが、サビキに掛けてそのまま落とすやり方を説明した現地の記事は、今回の検索では出てきませんでした。
→ 小魚を1匹ずつハリに掛けて泳がせる釣りの道具は、泳がせ(ノマセ)釣りのタックル比較で紹介しています。
すでに海外へ広まった日本発の釣り
逆に、もう海外で名前が通っている釣りもあります。
代表がタイラバ。
オーストラリアとニュージーランドでは「kabura」や「slider」の名前で現地ブランドの製品が出るほど定着しています。
アメリカではシマノが「Lucanus」という名前で売り出し、2008年ごろから知られていました。
当時の掲示板には「バックテイルジグと変わらない」という感想も残っています。
イギリスは扱っている販売店のページが1つ見つかった程度で、ほとんど話題になっていません。
SLJ(スーパーライトジギング)は、アメリカでダイワが専用ロッドを販売していて、カヤック釣りの雑誌が2023年に「伸びている釣り」として紹介しました。
スロージギングも、アメリカとオーストラリアで広まっているか、広まりつつある釣りです。
アジングに近い軽い仕掛けの釣りは、イギリスで「LRF(ライトロックフィッシング)」という名前で根づいています。
岸からのエギングもイギリスに定着済み。
ベイトフィネス(BFS)は、アメリカの釣り業界メディアが「BFSの年」と題した記事を出すほどになりました。

タイラバが「カブラ」で通じるのは、ちょっと嬉しいですね。
→ タイラバの基本はタイラバの釣り方ガイドにまとめてあります。
道具は海を渡っているのに、釣り方が伝わっていない
8つに共通していたのは、道具だけが先に売られていることです。
テンヤもタコエギもバチコンのセットも、海外の店やeBayで売られている。
それでも、現地の釣り人が「こうやって釣った」と書いた記事は、ほぼ見つかりませんでした。
英語で読める解説を出しているのはほとんどが日本のメーカーで、内容は日本の海と日本の魚の話です。

海外に住んでいる人、これから海外で釣りをする人は、日本の仕掛けをスーツケースに入れていくと面白いかも!ただ、向こうの魚に効くかどうかは、やってみた人の話がまだ見つかってません。
今回の結果は英語で数回検索した範囲の話なので、現地の記事を見つけたら書き足していきます。

