海外の釣り人は何を使っている?日本ではまだ知られていない仕掛け・ルアー8選
海外の釣具メーカーや釣り雑誌のサイトには、日本の釣具店ではまず見かけない仕掛けやルアーが載っています。
しかも現地では、それが当たり前のように使われているんですよね。
オーストラリア・フランス・韓国・アメリカ・南アフリカから、日本にはまだ広まっていないものを8つ集めました。
新しく出てきたものばかりではなく、1940年に特許が取られた仕掛けも入っています。

正直に言うと、8つともまだ自分では試していません。
なので中身は「現地ではこう使われている」「メーカーはこう説明している」という紹介です!
海外の釣り8つの早見表
| 名前 | 国 | 種類 | 日本の釣りでいうと | 日本での入手 |
|---|---|---|---|---|
| スクイッドトレックス | オーストラリア | ルアー(船) | インチクとバイブレーションの中間 | Amazon・国内ショップに取扱いあり |
| ファイヤーボール | フランス | 活き餌仕掛け(船) | テンヤと泳がせの中間 | 国内販売は見つからず |
| ヘビーダウンショット | 韓国 | ワーム仕掛け(船) | 船ヒラメをワームで狙う | 汎用パーツで組める |
| エビ型ワーム | オーストラリアほか | ルアー | チニングのエビ型ワームを大型化 | 国内販売は確認できず |
| ブラックミノー | フランス | ルアー | テキサスリグとジグヘッドの合体 | Amazonに海外からの出品あり |
| ポッピングコルク | アメリカ | ウキ仕掛け | 音を出して寄せるウキ釣り | Amazonに同じ仕組みの製品あり |
| クランカクラブ | オーストラリア | ルアー | カニ型ワームのハードルアー版 | 国内販売は見つからず(メーカーが海外発送) |
| スライドベイティング | 南アフリカ | 餌仕掛け(岸) | エレベーター仕掛けの大型版 | 国内販売は見つからず |
スクイッドトレックス|イカの形で震えるオーストラリアのルアー
オーストラリアのNomad Design(ノマドデザイン)が2023年2月に発売したルアーです。
イカの形をした柔らかいボディの中にオモリとワイヤーが通っていて、アシストフックが2本付いた状態で売られています。
メーカーの紹介は「バイブレーション、ワーム、メタルジグの役割を1つにまとめたルアー」というもの。
竿をあおるとブルブル震え、落とすと揺れながら沈みます。
船から真下に落としてジグのように使うほか、投げて巻く使い方、動かさず置いておく使い方も紹介されています。
現地の対象魚はスナッパー(マダイの近縁種)、ジューフィッシュ、コッド、マグロ類など。
オーストラリア向けのサイズと、メーカーが示す水深の目安です。
| サイズ | 重さ | 水深の目安 |
|---|---|---|
| 95mm | 32g | 〜40m |
| 110mm | 52g | 〜50m |
| 130mm | 92g | 〜70m |
| 150mm | 135g | 〜100m |
このほかに小型(55〜85mm)と、深場やトローリング用の大型(170〜220mm)があります。
インチクとの違いは「震えるかどうか」
形はインチク(オモリにタコベイトを付けた、漁具由来のルアー)に近いです。
ただ、インチクは金属のオモリが主役で、震えません。
スクイッドトレックスはボディ全体が柔らかく、震えで誘います。
日本でマダイを船から狙うルアーの定番は、タイラバの釣り方ガイドにまとめたタイラバですね。
国内でも買えるルアーで、Amazonに出品が出ているんですよね。
釣具ショップの八雲LBGに、55・95・130・150・220の取扱いページがあります。
日本語のレビュー記事は見つかっていません。
ファイヤーボール|活きイカを付けるフランスの仕掛け

重い丸型のオモリに針が付いたヘッドと、後ろに伸びる孫針(スティンガーフック)でできた仕掛けです。
ここに活きたイカや小魚を付けて、船の真下に落とします。
もとは北米のウォールアイ釣りで生まれた、淡水の仕掛けでした。
ベルギーやオランダの競技者がヨーロッパに広め、フランスではザンダー(ヨーロッパの淡水魚)やパイク釣りに使われてきた、という経緯があります。
フランスのTop Fishing社によると、同社が2014年ごろに海用の「Top Sea Fireball」を作ったのが海での始まりです。

オモリと針が一体のヘッドに、活きたイカ。
テンヤっぽいのに餌は泳がせ、という組み合わせが気になりました。
現地での使い方
Top Sea Fireballの重さは55・70・90・120gの4種類。
餌は活きたヤリイカ類が定番で、コウイカ、サバ、イカナゴなども使われます。
イカは親針を胴の先端に、孫針を頭の近くに刺します。
船を流しながら、糸がなるべく真下に立つように重さを選ぶのが基本とのこと。
底を取ったら、ゆっくり持ち上げて落とす動作を繰り返します。
アタリがあってもすぐ合わせず、竿に重みが乗るまで待つとされています。
対象魚は地中海のデンテックス(ヨーロッパキダイに近いタイの仲間)やカンパチ類。
カンパチ類を大きなイカで狙うときは200〜300gがよい、とTop Fishing社は説明しています。
ひとつテンヤ・泳がせ(ノマセ)と並べると
| ファイヤーボール | ひとつテンヤ | 泳がせ(ノマセ) | |
|---|---|---|---|
| オモリの位置 | 針と一体 | 針と一体 | 針から離れている |
| 餌 | 活きイカ・活き魚 | エビ | 活き魚 |
| 針 | 親針+孫針 | 親針+孫針 | ハリスの先に針 |
構造はテンヤ、餌は泳がせ、という組み合わせですね。
日本のテンヤはひとつテンヤの釣り方ガイドに、泳がせは泳がせ(ノマセ)釣りのタックル比較にそれぞれ書いてます。
国内の販売店や代理店は見つかりませんでした。
日本語の解説記事も見当たりません。
ヘビーダウンショット|韓国ではワームで船ヒラメを狙う

ダウンショットリグは、一番下にオモリ、その上に針とワームを付ける仕掛けです。
もとはブラックバス用ですが、韓国ではこれに重いオモリを組み合わせ、船からヒラメを狙う釣りとして広まりました。
韓国語での呼び名は「クァンオ・ダウンショット」(クァンオ=ヒラメ)。
韓国の新聞の釣りコラムは、2013年5月の時点で「西海(黄海側)で急速に広がっている」と書いています。
シーズンは5〜10月です。
- オモリ:30〜40号(約112〜150g)が中心。20号から使うという説明もあり
- 針からオモリまで:25〜50cmほど
- ワーム:4〜5インチ。白やパール系、赤が定番
- 竿:6〜7フィートのベイトロッド
- 糸:道糸はPE1〜1.5号、リーダーはフロロ4〜5号を1mほど
底を取ったら大きくあおらず、潮でワームを揺らします。
日本の船ヒラメは、活きイワシなどを使う泳がせ釣りが主流ですよね。
韓国式は活き餌を使わず、ワームだけで狙います。
北海道でも船ヒラメのダウンショットが紹介されていますが、そちらのオモリは14〜45gです。
韓国式のオモリは、それよりかなり重いですね。

活きイワシを使う日本の船ヒラメの竿は、船ヒラメロッドの比較にまとめてます。
韓国にはこの釣り専用の竿もあるらしい…!
オモリ・針・ワームは、どれも日本の釣具店で揃うものです。
エビ型ワーム|オーストラリアの河口で使われる本物そっくりのエビ
オーストラリアの河口や汽水域では、エビそっくりのワームが一つのジャンルになっています。
代表的なのは次の3つです。
| 製品 | メーカー | 特徴 |
|---|---|---|
| ライブシュリンプ | Zerek(シンガポール発。豪州で広く流通) | 節のある胴が丸まる。ラトル(音の出る玉)入り。2・3.5・5インチ |
| フリックプローン | Chasebaits(オーストラリア) | オモリと針が内蔵され、買ってそのまま使える。65・95・125mm |
| スイッチャーシュリンプ | Nomad Design(オーストラリア・2025年) | 前向き・後ろ向きなど4通りの付け方ができる |
沈めてから竿先で小さく跳ねさせる(30cm以内の小さな動き)か、岩壁沿いをゆっくり巻く、という使い方が紹介されています。
スイッチャーシュリンプを後ろ向きに付けると、逃げるエビのように後ろへ跳ねるそうです。
対象魚はバラマンディ、マングローブジャック、ブリーム(クロダイの近縁種)、フラットヘッド(マゴチの近縁種)など。
日本にも、チニング(クロダイをルアーで狙う釣り)用のエビ型ワームはありますよね。
オーストラリアのものは、オモリや針まで一体になった完成品が多いことと、125mm前後まで大きいサイズがあることが違います。
3つとも、国内での販売は確認できていません。
ブラックミノー|針先が隠れるフランスのワーム
フランス・ブルターニュ地方のFiiish(フィーシュ)社が2010年に発売した、ワームのシステムです。
専用のボディ、専用のジグヘッド、専用のオフセットフック(針先をワームに埋められる針)の3つを組み合わせます。
針先がボディの中に隠れているので根掛かりしにくく、魚が噛むと針先が出る仕組み。
ヘッドと針は関節でつながっていて、ボディがよく泳ぐと説明されています。
サイズは70mmから200mmまで。
ヘッドには「ショア」「オフショア」「ディープ」などの種類があり、重さは3gから190gまであります。
底のすぐ上をゆっくり巻くか、持ち上げて落とすのが基本の使い方です。
対象魚はヨーロピアンシーバスが中心で、ポラック(タラの仲間)やタラも狙います。
テキサスリグ・ジグヘッドと並べると
| ブラックミノー | テキサスリグ | ジグヘッド+ワーム | |
|---|---|---|---|
| 針先 | ボディに隠す | ワームに隠す | 出ている |
| オモリ | 関節でつながる専用ヘッド | 糸の上を動く弾丸型 | 針と一体 |
針先を隠すところはテキサスリグ、ヘッドと針がつながっているところはジグヘッドと同じです。
イカ用に付け替えるキット「ブラックスクイッド」
2026年9月に報じられた新製品です。
ブラックミノーの針を、イカ用のカンナ(傘状の針)に付け替えます。
90mmと120mmのブラックミノーに対応していて、手持ちのボディとヘッドをそのままイカ・コウイカ・タコ用に変えられるとのこと。

シーバス用のワームが、針を替えるだけでイカ用になる。
この発想はちょっと面白いですね!
国内の代理店は見つかりませんでしたが、Amazonに海外からの出品があります。
同社は2025年3月の時点で、日本への展開を検討していると話しています。
ポッピングコルク|音で魚を寄せるアメリカのウキ
針金にウキと金属の玉(ビーズ)を通した仕掛けです。
竿をあおるとビーズがぶつかってカチカチ鳴り、ウキが水しぶきを上げます。
逃げるエビや、小魚を食べている魚の音をまねて、魚を寄せるのが目的。
最初の特許は1940年にテキサス州で取られていて、メキシコ湾岸からカロライナにかけての定番です。

1940年の特許って、思っていたよりずっと昔からある仕掛けでした…!
リーダーの長さと動かし方
ウキの下に45〜60cmほどのリーダーを付け、その先にエビ型ワームや活きエビを付けます。
ごく浅い場所では30〜40cm、水が澄んでいれば75〜90cmと変えるそうです。
投げて5〜10秒待ち、竿を鋭くあおって音を出し、3〜5秒止めます。
この「止め」で食わせるとされています。
ウキの形は、上がくぼんだカップ型(音と水しぶきが大きい)と、卵型(万能)の2種類が紹介されていました。
使われるのは水深60cm〜2mほどの浅場や、波や濁りがある場所です。
対象魚はレッドフィッシュとスペックルドトラウトで、どちらもニベの仲間。
日本のウキは、アタリを見るためと、餌を決まった深さに保つための道具ですよね。
ポッピングコルクはそれに加えて、ウキそのもので音を出して魚を寄せます。
同じ仕組みのウキが、Amazonに出品されています。
クランカクラブ|ハサミだけ浮くカニ型ハードルアー

タスマニアのCranka Lures社が2013年に発売した、カニ型のハードルアーです。
本体は沈みますが、ハサミの部分だけ浮く素材でできていて、そこに針が付いています。
底に置くと、ハサミを持ち上げて威嚇するカニの姿に。
針が上を向くので、底に引っ掛かりにくい仕組みです。
底をゆっくり引く、ワームのように跳ねさせる、岸に投げてから水中へ歩かせる、といった使い方が紹介されています。
橋脚や岸壁のそばに落として、ほとんど動かさない使い方もあるそうです。
サイズは50mm(3.9gと5.9g)、65mm(9.5g)、85mm(21g)。
対象魚はブリーム(クロダイの近縁種)です。
2015年のブリーム釣り大会の決勝では、約100人の出場者のほぼ全員がこのルアーを使ったと報じられています。
弱点の指摘もあります。
岩に当たると本体が割れることがある、値段が高い、障害物の多い場所では針が引っ掛かる、の3つです。
日本のチニングでは、カニやザリガニの形をした柔らかいワームを底で引きずりますよね。
クランカクラブは、同じ発想を硬いルアーで作ったものです。
国内販売は見つかりませんでしたが、メーカーは海外発送に対応しています。
日本でも2026年6月に釣りメディアでチニング用ルアーとして紹介されました。
スライドベイティング|投げられない大きさの餌を沖へ送る南アフリカの仕掛け

岸から大物を狙うための仕掛けです。
まずオモリだけを遠くへ投げ、あとから餌を道糸に沿って滑らせて沖へ送ります。
重くて投げられない大きな餌を、遠くまで届けるのが、この仕掛けの役目です。
日本で「スライドベイト」と検索すると別のシーバス用ルアーが出てきますが、こちらは仕掛けの名前。
- 爪付きのオモリ(海底に引っ掛かって動かないオモリ。南アフリカでは約230〜280g)だけを投げ、海底に固定します。
- 糸を張ったまま、餌を付けた「スライド」という金具を道糸に掛けます。
- 竿を小刻みに揺すると、スライドが糸を伝って沖へ。
- オモリの手前にあるストッパー(金属の輪)で止まります。
スライドはコイル状の針金でできていて、沖方向にしか進みません。
逆向きに動こうとすると、糸がコイルに噛んで止まります。
「ノンリターン(戻らない)スライド」と呼ばれるのはこのためです。
竿は4m前後で、餌は1kgを超える大きさも使われます。
対象はサメやエイが中心。
活き餌ではコブ(ニベの仲間)なども狙います。
南アフリカで生まれたとされ、ニュージーランドやオーストラリアにも広がっています。

餌が1kg超え。
投げられないなら後から送ればいい、という割り切りがすごい…。
エレベーター仕掛けとの違い
日本の「エレベーター仕掛け」も、オモリだけを先に投げ、あとから活き餌を道糸に掛けて送り込みます。
考え方は同じで、違うのは金具と餌です。
| スライドベイティング | エレベーター仕掛け | |
|---|---|---|
| 道糸に掛ける金具 | 一方向にしか進まないスライド | 両方向に動くスナップ付きサルカン |
| 餌の位置 | ストッパーで止まり、底付近の一点に固定 | 活き餌が上下を自由に泳ぐ |
| 餌の大きさ | 1kg超の大型も | 小型の活き魚 |
専用のスライド金具は、国内販売が見つかりませんでした。
日本で手に入るのは8つのうち4つ
8つのうち日本の釣りと「部品は同じで組み合わせが違う」ものを挙げると、次の3つです。
- ファイヤーボール:テンヤ+泳がせ
- ブラックミノー:テキサスリグ+ジグヘッド
- スライドベイティング:エレベーター仕掛けの一方通行版
国内で買えるのを確認できたのは、スクイッドトレックス・ブラックミノー・ポッピングコルクの3つ。
韓国式のヘビーダウンショットは、日本の釣具店にあるオモリ・針・ワームで組めます。
残りの4つは、いまのところ国内での販売を確認できていません。

