タイラバにおけるリールのベアリングの重要性とは?ベアリング数ランキングも!

タイラバにおけるリールのベアリングの重要性とは?
タイラバリールを購入しよう!っていうときにまずカタログにのってる情報のひとつとしてベアリング数があります。
ベアリング数はどのメーカーのカタログにも必ずと言っていいほど記載されている項目で、高価なリールほどその数が多い傾向。
「ベアリング数が多いほど滑らか」っていうぐらいの知識で選んでいる場合も多いと思いますが(まぁその通りなんですが)、今回は改めてリールにおけるベアリングの働きについてのお話です。
特にタイラバリールにおけるベアリングの重要性やメリットなど、最後にベアリング数ランキングも作ってみました。

タイラバリール選定時の参考になれば幸いです
ベアリングとは?
ではまずベアリングとは何でしょうか?
ベアリング(=bearing)とは日本語で「軸受(じくうけ)」、つまり軸を受けて支える装置のことです。
リールの内部にはドライブギヤやスプール、ハンドル部などいくつかの回転する軸があります。
それらの軸を受けるのがベアリング。
このベアリングには軸が回転したときに摩擦抵抗を減らして滑らかに、またガタをなくして正確に回転させる働きがあります。

ドライブギヤやスプールがガタなく滑らかに回転できるのはベアリングのおかげということ
このベアリングにもいろんな種類があるのですが、リールのカタログを見ると大体「ボールベアリング(BB)」と「ローラーベアリング」の2種類があります。
ボールベアリングとは日本語で言うと「玉軸受け」。

ベアリングの中にボールが入っていて、それらが自転し摩擦を軽減→回転抵抗が減って滑らかに回転してくれます。
ベアリングと言えばコレ、っていう個人的なイメージ。
続いてローラーベアリングとは日本語では「ころ軸受」と呼ばれます。

こちらも回転抵抗を減らす働きをするのは同じ。
ですが、ローラーベアリングにはボールベアリングと違った特徴があって、ラジアル荷重とアキシャル荷重の容量の違いによってアキシャル荷重がかかると摩擦がうんたらかんたら…
物理の授業ではないのでややこしい話は置いておきましょう(正直に言うとよく分からない)。
簡単に言うと、リールにおけるローラーベアリングの働きはドライブギヤやスプールが逆回転するのを防ぐことです。

ちなみにハンドルはどっちの方向にも回るけど、ハンドルを反時計回りに回転させた場合はその力は伝わらない
このようにローラーベアリングはリールには必須の部品となっており、僕が知っている限りどのメーカーのどのリール(いくら安いリールであろうが)にもローラーベアリングは1個入っている仕様になっているはず。
もしローラーベアリングがないとハンドル逆回転させると力が伝わってしまうし、逆に2個以上は必要ない部品でありますのでリールにおいて一般的にベアリング数を見るときはボールベアリングのことを指します。
ベアリングはどこについているの?
次にこれらボールベアリングやローラーベアリングはどこについているのでしょうか?
例としてシマノのタイラバ専用ベイトリール、炎月シリーズで見てみたいと思います。
まず炎月シリーズでもっとも安い「炎月BB」。
カタログ上のスペックではS A-RB(ボールベアリング)4個、ローラーベアリング1個となっています。
では分解図を見てみましょう。

※シマノホームぺージより出展
赤い四角で囲っているのが「ボールベアリング」で青い四角で囲っているのが「ローラーベアリング」ですね。
カタログスペック通りボールベアリングは4個、ローラーベアリングは1個となっています。
細かく見ていくと、25番はメカニカルブレーキやスプール部、42番はドライブギヤ部、66番はクラッチ部の計4か所に配置されています。
続いて炎月シリーズで「炎月BB」の上位機種「炎月」を見てみます。
※旧機種です。現在「エンゲツ」は21モデルになっています。
「炎月」はカタログ上のスペックではS A-RB(ボールベアリング)7個、ローラーベアリング1個です。
「炎月」の分解図。

※シマノホームぺージより出展
赤色の四角で囲っている部分がボールベアリングで、先ほどの「炎月BB」のメカニカルブレーキ、スプール、ドライブギヤ、クラッチ部に加え、ハンドルノブに2個、メカニカルブレーキ部にもう1個追加で計7個になっています。
さらに最上位モデルの「炎月プレミアム」ではもう1個増えてボールベアリング8個に。
ちなみに「炎月」ではハンドル部分についているボールベアリングですが、「炎月BB」ではベアリングではなく樹脂製のカラー。
このようにリールの内部には回転する部分が多数あり、それらの軸を受けるためにベアリング、または樹脂のカラーがついています。

上位機種になるほどハンドルノブやメカニカルブレーキ部などにベアリングがついて、よりスムーズな巻きができるということ
タイラバにおいてベアリング数が多いメリット、デメリット
このようにベアリングの働きやどこについているか細かく見てきましたが、要はベアリングは回転抵抗を減らし滑らかに回転させる働きがあって、リールが上位機種になるほどベアリングが多数入っているということですね。
ではそのボールベアリング数が多いと回転抵抗が減り滑らかに回転する、ということが釣り、特にタイラバにおいてどういったメリットやデメリットがあるのでしょうか?
メリット1 魚の小さなアタリを感じとりやすい
これがもっとも大きなメリットでしょう。
先ほどの例のように「炎月BB」にはないけど「炎月」にあるハンドル部分のベアリングが入っていることにより、ハンドルの回転抵抗は減少します。
ハンドル部分の回転抵抗が大きいと、小さなアタリに気づかないまま巻き速度を変化させてしまったり、フォールさせてしまうこうとでみすみすヒットの可能性を手放しているかもしれません。
ベアリング数が増えて回転抵抗が減ることにより、真鯛のついばむような小さなアタリを感じとれることでこういったチャンスを逃がさないようにできます。
「炎月BB」では感じとれないアタリを「炎月」だったらキャッチできるかも!?

単品で使用すると分からないレベルですが、その場で2機種を使い分けると違いがなんとなーく分かると思います
メリット2 情報量が増える
上記メリット1の延長線上のようなものですが、回転抵抗が減ることによりリールから得られる情報量が増えます。
例えば潮流が中層付近で若干速くなっている、など潮流の変化を感じとれることでその変化のある層を重点的に狙う事でチャンスが増えるかも。
また、タイラバの異変なども感じとりやすいです。
スカートがフックに絡んでいる、小さな藻がフックに掛かってしまっているなどによって反応するハズだった真鯛に見切られてしまう、ということもタイラバあるあるでしょう。
これらは些細なことですが、リールの回転抵抗が少ないことで早めに修正ができれば真鯛のアタリのチャンスを増やすことができます。
メリット3 アタリや潮流変化など情報量が増えることで集中力アップ
これは間接的なメリットにはなりますが、メリット1や2のようにアタリや潮流の変化、タイラバの異変などの情報量が増えることで集中力も増します。
極端な例をあげると、真鯛がガッツリタイラバに掛からないとアタリを感じとれないような回転抵抗が大きいリールを使用していると、アタリのでない時間帯が単調になります。
巻き速度を変えるとか、中層、表層まで巻き上げてみるとか…いろいろ工夫してもアタリはなく入ってくる情報もなし。
この単調な時間が続くと、よほど忍耐強い修行僧のような人でもない限り集中力は間違いなく下がってくるでしょう。
対して回転抵抗少ないリールを使用することにより、たとえアタリがなくても潮流の変化などの情報が入ってくれば、「じゃあそれに対してこーしてみよう、あーしてみよう」っていうチャレンジができます。
そのチャレンジに対してまた別の情報が入って…の繰り返しで真鯛からのアタリ→キャッチに繋がる、釣れたらまたテンション上がって集中力アップ、という好循環が生まれます。
このようにベアリング数の多いリールを使用することで、単純にリールの性能が良くなり感度が上がるとかだけでなく、釣り人の集中力も上がるし、またよく釣れることで同船者のテンションを上げたり、煽ったりすることもできるでしょう(笑)
デメリット1 リールの値段が高くなる
続いてベアリング数が増えることのデメリット。
一般的にはベアリング数が増えるほどリールの金額も高くなります。
まあ、当たり前っちゃ当たり前ですが。
デメリット2 錆など不具合の一因になる
タイラバリールはもちろん海水で使用するため、通常は防錆処理がされたベアリングが使用されていることがほとんどです。(無名の格安リールはどうかはわかりませんが…)
しかし防錆処理されているとはいえ長年使用しつづけていると錆が発生したり、それが原因でゴリ感や異音など不具合の原因の一つとなります。
理論的にはベアリング数が多いほど不具合発生の確率は上がるでしょう。

あくまで理論的にはってことで、実際はベアリングの入っている場所にもよるでしょうし、ノーメンテで数年使っても問題ない場合も
一方安いリールで樹脂製のカラーが使用されている場合は、もちろん樹脂のため錆が発生することはありません。
じゃあどっちが耐久性があるの?って言われると…難しい問題ですねw
まとめ
以上タイラバリールにおけるベアリング数の重要性をクドクド語ってきましたが、まとめ。
- ベアリングとは軸受のこと
- 回転抵抗を減らし滑らかに回転させてくれる
- ドライブギヤ、スプール、ブレーキ部など回転する部分に入っている
- 数が多いほどリールから得られるアタリなどの情報量が増える
- でも多いほど高額(な場合が多い)で不具合発生などの一因にも
一言で言うとベアリング数は多いほど滑らかでいいけど、高額になりますよってことですね。
特に小さなアタリがとれるかどうかが釣果を左右するタイラバにおいては、ベアリング数は重要な項目であるでしょう。
実際に上位機種だとベアリングが多数入っているタイラバリールも存在しています。
ということでリールのベアリング数についてまとめてきましたが、今後のタイラバリール選定において参考にしてみてくださいね!
タイラバリールベアリング数ランキング!!
最後にタイラバリールのベアリング数ランキングです。
ただ一口にベアリングと言ってもメーカーによってその質は違いますし、ダイワのマグシールドボールベアリングとか特殊なベアリングが使用されている場合もあります。
ですから一概に数が多けりゃいい!ってものでもないですが、ベアリング数が多い=高額であるものがほとんどなので、ベアリングの質もそれなりにイイものであろうというリールばかり。
ちなみに今回のランキングはタイラバ専用リール、またはタイラバの使用もできる、とメーカーが公表しているリールから選定しています。
ダイワ ソルティガIC:13個
ソルティガIC 100P-DH(右巻)/100PL-DH(左巻)


- 巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):54
- ギヤ比:4.8
- 標準自重:300
- 最大ドラグ力:7
- 標準巻糸量PE(号-m):0.8-500、1-400、1.2-300、1.5-250、2-200
- ハンドル長さ(mm):110
- ベアリング(ボール/ローラー):13/1
- メーカー希望本体価格(円):67,000
2021年に発売された丸形リールフラッグシップモデル「ソルティガIC」。
新たに採用された「ハイパードライブデザイン」=「ハイパードライブデジギア」「ハイパーダブルサポート」「ハイパーアームドハウジング」「ハイパータフクラッチ」により、ギアシステム、クラッチ、ボディなどリールに求められる基本性能を高め、さらにそれを長期間維持できる耐久性も誇ります。
さらに丸形リールでありながらICカウンターも搭載してながら、中でも100P-DH(100PL-DH)はダブルハンドル×300gという軽量性でタイラバ仕様になっています。
そしてベアリング数、タイラバ用と公表されているリールの中ではトップの13個!
ダイワ 紅牙TW ハイパーカスタム:12個
紅牙 TW ハイパーカスタム 4.9R-RM(右巻)/4.9L-RM(左巻)


- 巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):52
- ギヤ比:4.9
- 標準自重:205
- 最大ドラグ力:6
- 標準巻糸量PE(号-m):1.0-300 , 1.5-180
- ハンドル長さ(mm):100
- ベアリング(ボール/ローラー):12/1
- メーカー希望本体価格(円):54,500
紅牙 TW ハイパーカスタム 8.6R(右巻)/8.6L(左巻)


- 巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):91
- ギヤ比:8.6
- 標準自重:205
- 最大ドラグ力:5
- 標準巻糸量PE(号-m):1.0-300 , 1.5-180
- ハンドル長さ(mm):100
- ベアリング(ボール/ローラー):12/1
- メーカー希望本体価格(円):54,500
ボールベアリング数12個であるリールの1機種で、今回ランキング入りしたリールの中では唯一ロープロ型リールです。
さらに数が多いだけでなく、ピニオンギヤ部に「マグシールドボールベアリング」が採用されています。
マグシールドボールベアリングはオイルの壁を作ることで海水やほこりを遮断、軽く滑らかな初期の回転性能を長期間維持できる構造です。
ほかに「TWS(T-ウイングシステム)」というライン放出性能アップとライントラブル減少してくれるシステムや、「ATD」というファイト中に細かいドラグ設定を都度しなくてもオートマチックにドラグが滑らかに効いてくれるシステムなども多数搭載。
ボディがピンク色のカラーリングは好みが分かれる所でしょうか!
ダイワ ソルティガBJ:12個
ソルティガ BJ 100P-RM(右巻)/100PL-RM(左巻)

- 巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):55
- ギヤ比:4.9
- 標準自重:300g
- 最大ドラグ力:7kg
- 標準巻糸量PE(号-m): 1-400 , 2-200
- ハンドル長さ(mm):110 ノブ:パワーライトM
- ベアリング(ボール/ローラー):12/1
- メーカー希望本体価格(円):48,000
ソルティガ BJ 100SH/100SHL
- 巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転):81
- ギヤ比:7.3
- 標準自重:300g
- 最大ドラグ力:7kg
- 標準巻糸量PE(号-m): 1-400 , 2-200
- ハンドル長さ(mm):110 ノブ:パワーライトM
- ベアリング(ボール/ローラー):12/1
- メーカー希望本体価格(円):48,000
続いてベアリング数12個の丸型リール「ソルティガBJ」100シリーズ。
200シリーズはライトジギング向きで、ベアリング10個。
タイラバに使用するなら100シリーズで、特に100P-RM/100PL-RMはタイラバに特化したローギヤ(RM=楽巻き)モデルで紅牙風のピンク色でカラーリングされています。
「ソルティガ」といえばダイワ最強の丸型リールですが、「紅牙TW ハイパーカスタム」同様「マグシールドボールベアリング」はピニオンギヤ部に採用されているし、その他「ATD」、「ハイパーデジギヤ」などの最新テクノロジーも盛りだくさん。
高価ではありますが、耐久性と強度に優れる丸型リールです。
シマノ オシアコンクエスト:12個
オシア コンクエスト 200PG(右巻)/201PG(左巻)
- ギア比:4.8
- 最大ドラグ力(kg):6.0
- 自重(g):275
- PE糸巻量(号ーm):2-200、1-440
- 最大巻上長(cm/ハンドル1回転):60
- ベアリング数 S A-RB/ローラー:12/1
- 定価(円):53,600
シマノにもあります、ベアリング数12個の丸型リール。
200シリーズのパワーギヤモデルがタイラバ向きでベアリング数も12個。ハイギヤモデルや300シリーズはベアリング数10個になります。
ベアリング数が多いだけでなく、ボディやドライブギア、クラッチ、ワッシャなど内部パーツひとつひとつまで高耐久素材を使用したり、特殊処理を施すことで耐久性をアップさせています。
そして「マイクロモジュールギア」採用によってより滑らかになり、本体剛性とベアリング多数による巻きの滑らかさが相まって「軽く、力強く巻ける」ことができます。
さらにこの200PG/201PGは、ギヤ比4.8というタイラバ専用の「炎月」シリーズにもないほどの超ローギヤ。
パワーがあるのはもちろんですが、超スロー巻きなど一定のヒットパターン時に威力を発揮するでしょう!
シマノ オシアコンクエストCT:12個
オシアコンクエスト CT 200PG(右巻)/201PG(左巻)
- ギア比:4.8
- 最大ドラグ力(kg):6.0
- 自重(g):330
- PE糸巻量(号ーm):1-440、2-200
- 最大巻上長(cm/ハンドル1回転):60
- ベアリング数 BB/ローラー:12/1
- 定価(円):64,000
ベアリング12個のリール、最後はシマノ「オシアコンクエストCT」。
基本性能は上記「オシアコンクエスト」を受け継ぎ、「フォールレバー」と「デジタルカウンター」が追加された機種。
「フォールレバー」と「デジタルカウンター」の組み合わせにより、フォールの速度を「簡単により正確に」制御することでフォールに反応する鯛も狙っていくことができます。