釣りに適したプレジャーボートとエンジンの選び方とは?
マイボートで釣りを始めたいけど、ボートもエンジンも種類が多すぎて何を選べばいいかわからない…。
23ftのプレジャーボートを所有している運営者が、自分の経験をもとにボートとエンジンの選び方を解説します。

初めてのボート、何ftを選べばいいの?

船外機とか船内機とか、エンジンの種類もよくわからない…
ボート選びで失敗すると、後から変更がききません。
この記事ではボートのサイズ・キャビン・オプション・エンジンの4つのポイントに絞って、釣り用プレジャーボートの選び方をまとめました。
この記事でわかること
・釣りに適したボートのサイズの目安と選び方
・キャビンの有無がもたらすメリット・デメリット
・GPS魚探や自動操船など押さえておきたいオプション
・船外機・船内外機・船内機・電動船外機の違いと選び方
・23ftボートオーナーのリアルな体験談
釣りに適したボートのサイズとは
釣りに適したボートのサイズは、搭載予定のエンジンの大きさやメインの海域によって変わるので一概には言えません。
ただ、はっきりしていることがひとつ。
全長が長く、幅が広いほど波に対して強くなり揺れが少なく安定するのは間違いありません。
逆に船体が大きくなるほど小回りはききにくくなり、着岸も難しくなります。
係留する場所の潮流が速かったり、スペースが狭かったりすると、最悪の場合係留できないなんてことも。
あとは当然、船体が大きいほど購入価格は上がります。
自分が無理なく購入できる範囲の大きさで選ぶことになるでしょう。

無理して大きいの買って維持費が払えない…とかは避けたい

逆に小さすぎて思うように釣りにならない…ってのもキツいよね
どちらの理由でも結局手放すことになりかねません。
後述の魚探などの装備品は後から買い替えや追加ができますが、ボート自体のサイズは後から変更できないのが痛いところ。
自分やゲストの命にかかわるところでもあるので、ここは慎重に選びましょう。
フィッシングボートとしては各社20ft(約6m)前後のサイズのラインナップが最も充実しています。

僕が持っているボートも23ft。メインの海域は潮流が速く波が高いポイントもありますが、23ftあれば十分釣りになります。
しいていえば26ftぐらいあればもう少し楽に釣りができるかなとは思いますが、係留場所が狭いため23ftぐらいが限界でした。
購入時点では浅場で小物狙いをメインに考えていたので23ftで十分。
でもいざボートを持つと、やっぱりあれもこれもと欲が出るもので…。
もう少し深場でジギングで青物を狙ったり、中深海で底物を狙いに出たりすることも増えてきます。
すると23ftでは少ししんどいポイントもありますし、もっとお金に余裕があれば大きめのボートでマリーナに預けたいところ…。
そんな経験を踏まえて言えるのは、予算と係留場所が許す範囲で、できるだけ大きめのボートを選ぶことです。
大は小を兼ねるといいますが、メインの海域がよほど狭いポイントや湾内だけという場合を除けば、大きめのボートであれば行動範囲が広がります。
行動範囲が広がれば狙える魚種も増えますし、いろんな釣法が楽しめる。
安定感が増して楽に釣りができるので、自分も楽ですしゲストを招いても喜ばれますよ。
キャビンはいる?いらない?
結論から言うと、キャビンはあったほうが断然いいです。
予算の兼ね合いもありますし、ある一定のサイズ以上のボートには必然的に付いてきますが、許されるなら断然キャビンありをおすすめします。
移動中に風を受けないのは想像以上に楽です。
雨や波しぶきをしのげますし、小物や釣り道具の収納スペースにもなります。
トイレも収容できますし、日差しを遮って陰にもなる。
キャビンのおかげで波しぶきや風が防げるというのは、体感してみると想像以上にありがたいですよ。

さらに言えばキャビンドア付きでエアコン完備で…って、上を見るときりがない(笑)
デメリットとしては、釣りのスペースが狭くなることと風の影響を受けやすいことの2点。
23ftぐらいのボートだとキャビンがあることで釣りスペースがけっこう狭い。
特にキャビン横なんかは通路幅40cmぐらいしかなく、そのスペースで釣りするのは少し窮屈です。
また風の影響を受けやすく、スパンカーがないと風に対して後ろ向きになりやすい。
本来ボートは船首(船の前方)から波を受けるような設計になっていますが、風を受けることで後ろ向きになると船尾(船の後方)から波を受けることに。
すると安定感はなくなりますし、非常に釣りにくい状況になってしまいます。
スパンカーを付ければ風に対して船首を向かせることができるので、キャビン付きのボートならスパンカーはセットで考えておくのがおすすめです。

デメリットもあるけど、それでもキャビンありのほうがいいの?

デメリットはありますが、それを上回って余るほどの恩恵があると思います。キャビン付きを強くおすすめしますよ。
フィッシングボートにオススメのオプション
GPS魚探、スパンカー、トイレ、電動ウインチ、キャスティング用レール、ロッドホルダー…。
すべて付けるに越したことはありませんが、予算の都合もあると思うので優先順位を考えましょう。
最低限絶対に必要なのはGPS魚探です。
ポイントの把握、水深の確認、魚群の探知…釣りをする上で欠かせない情報がこれ1台に詰まっています。
あとはボートの形状や狙う魚種、釣法によって必要なものが変わってきます。
先ほど説明したキャビン付きボートならスパンカーは必須ですし、ボートの船首に立ってキャスティングゲームをしたいならレールも必須。
アンカリングしてチョイ投げでキスなどを釣ることが多いなら電動ウインチがあればアンカーの回収がめちゃくちゃ楽です。
ゲストを招いて釣りに出かけることが多いならトイレがあると(特に女性や子ども)喜ばれますよね。
最近はヤマハのHelm Master EX(ヘルムマスターEX)のような自動操船システムも登場しています。
オートパイロットでコースを維持してくれたり、定点保持(セットポイント)でポイント上にボートを留めてくれたり。
タイラバやジギングなど流し釣りをする人にとっては、かなり便利な機能です。
ただ対応する船外機とのセットになるので、それなりに予算は必要。
上位モデルのボートには標準搭載されていることもあるので、気になる方はチェックしてみてください。

ロッドホルダーやドリンクホルダーなどは、実際にボートに乗り始めてから付けても遅くありません。取り回しのしやすい場所って、実際に釣りをしてみないとわからない部分もありますし。
エンジンはボートに応じたものを
続いてエンジン選び。
基準になるのは形態と馬力と燃料ですが、これは選んだボートによってある程度制限されます。
基本的に各ボートメーカーは同メーカーの組み合わせを推奨しています(例:ヤマハのボートにヤマハのエンジン)。
カタログにも各ボートに搭載できるエンジンが記載されていますね。

別メーカーのエンジンは載せられないの?
ヤマハのボートにスズキのエンジンを載せるといったことも可能です。
詳細は購入予定のお店に相談してみてください。
ボート用エンジンには「船外機」「船内外機」「船内機」の3種類の形態があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
加えて最近は「電動船外機」も選択肢に入ってきました。
20ftぐらいのボートで近海での釣りを楽しむなら、船外機がおすすめです。
以下、それぞれの特徴を解説します。
船外機(アウトボードエンジン)
近海での釣りをメインで考えているなら、この船外機を選ぶ場合が多いと思います。
各社ラインナップも最も充実している形態。
免許不要の2馬力から、ヤマハのF450A(V8・450馬力)やマーキュリーのVerado V12(600馬力)まで幅広く設定されています。
主要メーカーの最大馬力モデルを挙げると、ヤマハF450A(450馬力)、マーキュリーVerado V12(600馬力)、スズキDF350A(350馬力)、ホンダBF350(350馬力・VTEC搭載)といったラインナップ。
もちろん20ft前後のボートに600馬力なんて必要ないので、ボートに合った馬力を選ぶことになります。

僕のボートは100馬力前後の船外機。20ft前後のフィッシングボートにはこのあたりが一番多い組み合わせですね。
現在は各社ガソリンエンジン、4ストロークモデルのみとなっています。
もし中古で検討されている場合は2ストロークモデルもあるので、違いを簡単に説明しておきます。
| 4ストローク | 2ストローク | |
|---|---|---|
| 燃費 | 良い | 悪い |
| 静粛性 | 静か | うるさい |
| 加速 | 普通 | 良い |
| 燃料 | ガソリン | 混合油(ガソリン+オイル) |
新品を買うなら4ストローク一択。
中古で検討していてもトータルでは4ストロークで検討するのが無難です。
形状的にボートの外側に取り付けるので、ボートのスペースを有効活用でき、小回りもきくのが大きなメリット。
そしてもうひとつ、メンテナンスのしやすさ。
海上ではプロペラにごみやロープ、釣り糸が絡まりエンジンが止まるということはよくあります。
そんなとき船外機であればチルトアップすればプロペラに手が届きますので、絡まったごみを取り除くことができます。
予備のプロペラを持っていれば、破損した場合でもその場で交換することだって可能。
カバーを外せばすぐエンジンが見えますし、少し詳しい方ならエンジンオイルやギヤオイルを自分で交換したりもできます。
維持費は比較的安いですし、加速力もある。
20ftぐらいのボートを検討しているなら、トータルでは船外機がおすすめです。
船内外機(インボードエンジン・アウトボードドライブ)
この形態からディーゼルエンジンが選べます。
ディーゼルのメリットは大きく2つ。
まず燃料が安いこと。
免税軽油の手続きをすれば、ガソリンと比べて約3分の1のコストで済みます。
そしてもうひとつが超低速走行のしやすさ。
アンカリングする場合は不要ですが、タイラバやジギングなど船を流しながら釣りをするときに力を発揮します。
ガソリンエンジンだと潮流や風に合わせた低速域での加減が難しいのですが、ディーゼルはトルクがあるので微調整がきく。
狙ったポイントをじっくり攻めることが可能になります。
形状としては船尾の下のほうにエンジン、プロペラは船尾に配置されます。
船外機と同じく海上でもエンジンのメンテナンスがしやすいですし、ボート後方にエンジンがあるため高速走行時の安定感もある。
一方でボート後方の船体下部にエンジンがあるためスペースが犠牲になるのがデメリット。
船外機と船内機の良いところ・悪いところを両方持っている、いわば中間的なポジションの形態です。
船内機(インボードエンジン)
エンジンがボートの中央付近、ちょうどキャビンの下あたりに配置され、そこからシャフトが船尾に向けて伸びてプロペラだけが海中にあるという形状。
大型のボートに採用されている形態で、エンジンが中央付近にあるため安定感は抜群。
大排気量のラインナップも多いです(その分お高いですが…)。
船内外機のデメリットだったスペースの問題も、キャビンの下方にエンジンがあることで極力抑えられています。
海中にはプロペラだけ浸かっているので、機械的な故障がしにくいのもポイント。
ただしエンジンメンテナンスがしにくいのと、船外機や船内外機では可能だったプロペラのチルトアップができません。
ロープをひっかけるなど海上でのトラブルに対応しにくいのは気になるところ。

じゃあ船内機を選ぶ人ってどんなケース?
大型のボートを検討している方や、頻繁に沖に出るような本格派向けですね。
2級免許で近海の釣りを楽しむレベルであれば、手軽さの面で船内機を選ぶことは少ないかなと思います。
電動船外機(これからの選択肢)
最近注目されているのが電動船外機です。
2024年にヤマハが電動推進機メーカーのトルキード社を買収したほか、マーキュリーからもAvator(アバター)シリーズが日本で販売開始されるなど、業界全体で電動化の流れが加速しています。
圧倒的に静かなのが最大の魅力。
排気ガスもゼロで環境にやさしく、家庭用AC100Vで充電できる手軽さもあります。
静かなぶん魚を散らしにくいので、穏やかな湾内や湖でのフィッシングには相性がいいかもしれません。
ただし現時点では出力がまだ小さく、釣り用プレジャーボートのメインエンジンとしては力不足。
バッテリーの航続距離にも限りがあるため、沖に出る釣りでは現実的ではありません。
2馬力ボートやカヤック、ディンギーなど小型艇では十分使えるレベルにはなっているので、今後の技術進歩に期待ですね。

ヤマハがトルキードを買収したのは大きなニュース。数年後にはもっと実用的な電動モデルが出てくるかもしれません。2馬力ボートで静かに釣りしたい人にはすでに選択肢としてアリですよ。
エンジン選びの結論
釣りをするにあたって低速の微調整ができるという理由だけでもディーゼル船内外機を選ぶ価値はあると思います。
でも近海での釣りを楽しむなら、やはり経費面や手軽さの面でトータルでは船外機を選ぶのがおすすめ。
電動船外機はまだ発展途上ですが、小型艇のサブエンジンとしては選択肢に入ってきています。
よくある質問
初心者におすすめのボートサイズは?
20ft前後が各社ラインナップも充実しており、近海での釣りには十分な大きさです。
予算に余裕があれば23ft以上を選ぶと行動範囲がぐっと広がります。
ただし係留場所の制約もあるので、先にマリーナや係留場所を確保してからボートサイズを決めるのが現実的ですよ。
ボートの維持費はどのぐらい?
係留費、燃料代、保険料、メンテナンス費、船検費用…。
ざっくり年間で数十万円〜100万円以上かかります。
係留場所がマリーナか自己管理かでも大きく変わりますし、エンジンのサイズや釣行頻度でも変動します。
詳しくはマイボートの維持費についての記事で解説していますので、参考にしてみてください。
ボートの免許は必要?
エンジン付きのボートを操縦するには小型船舶操縦士免許が必要です。
ただし総トン数が一定以下でエンジンが2馬力以下であれば免許は不要。
近海での釣りなら2級小型船舶免許で十分対応できます。
取得方法については小型船舶免許の取得方法の記事でまとめています。
中古と新艇、どっちがいい?
予算が許すなら新艇のほうが安心です。
特にエンジンは消耗品の塊なので、使用歴がわからない中古はリスクがあります。
とはいえ新艇は高額。
中古で検討するなら、信頼できる販売店を通して整備記録が確認できるものを選ぶのがおすすめです。
試乗もさせてもらえるなら必ずしておきましょう。
2馬力ボートという選択肢もある?
あります。
免許不要で手軽に始められるので、マイボート入門としてはかなりアリな選択肢。
行ける範囲は限られますが、湾内や穏やかな海域での釣りなら十分楽しめます。
詳しくは2馬力ボートで釣りの記事を参考にどうぞ。
まとめ
ボートとエンジンの選び方をまとめるとこんな感じです。
- ボートサイズ:予算と係留場所が許す範囲で大きめを選ぶ
- キャビン:あったほうが断然いい!
- GPS魚探:必須。自動操船もあると便利
- エンジン:近海釣りなら船外機が手軽でおすすめ
具体的な例を挙げると、20ft前後、100馬力前後の船外機の組み合わせが近海ではもっとも多いイメージ。
メジャーな組み合わせ=無難な組み合わせで、大体のフィールドでの釣りはこれである程度対応できるかなと思います。
一度購入すれば10年ぐらい使用することも多いマイボート。
後悔のないようにじっくりアレコレと楽しみながら検討してみてくださいね!

ボート選びの時間も、釣りの楽しみの一部ですよ。
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※ 本記事の情報は2026年6月時点のものです。
※ 各メーカーのラインナップ・価格は変更される場合があります。

