ボートのバッテリー上がりはソーラーパネルで防げる?付けて変わったのは冬のエンジンのかかり
久しぶりに船へ行ってキーを回したのに、エンジンがかからない。
そんな経験がある人も多いと思います。
ボートのバッテリー上がりは、乗る回数が少ない人ほど起きやすいトラブルです。
筆者もバッテリーを上げました。
しかも購入してからわずか2年、五万円オーバーのまあまあいいやつで。

ソーラーパネルって、船に付けても意味あるんですか?

パネルを買ってバッテリーにつなげば終わり、じゃないのかな…
パネルだけでは足りず、バッテリーとの間にチャージコントローラーが要ります。
ほかに揃えるのは、ヒューズと配線、パネルを留める部材、防水のシーリング材。
筆者はAmazonで買った、メーカー名もよく分からない硬いパネルを、キャビンの屋根に自分で付けました。
付けてからのエンジンのかかりは、めっちゃいい。
特に冬。
・ボートのバッテリーが、乗らないでいると上がる理由
・ソーラー充電に必要なもの(パネル・チャージコントローラー・ヒューズ・シーリング材)
・硬いパネルと曲がるパネル、PWMとMPPTの違い
・キャビンの天井に穴をあけて付けるときの流れと、配線をつなぐ順番
・付けてから変わったこと(筆者の場合)
・それでも上がったときのジャンプスターター(選ぶときに見るところ)
ボートのバッテリーは、なぜ乗らないと上がる?
バッテリーの電気は、何もつないでいなくても少しずつ減っていくもの。
自己放電と呼ばれる現象で、パナソニックは自動車用バッテリーの注意事項に「自己放電により徐々に容量が低下」すると書いています。
長く置いておく場合は、少なくとも半年に1回は補充電するよう案内しています。
船はクルマと違って、毎日エンジンを回すものではありません。
週末だけ、月に数回だけという乗り方だと、走っている時間より置いたままの時間のほうがずっと長くなりますよね。
つないだままの電装品があれば、スイッチを切っていても微量の電気を使い続けるものもあり、これは暗電流と呼ばれています。

筆者のバッテリーが上がったときは、使用頻度が少ないからすぐダメになったんだろう、ってことでソーラーを付けました。
本当の原因が乗る回数の少なさだったのかどうかは、はっきりしません。
ただ、パナソニックも使用頻度が少ないことでバッテリーが放電するケースを挙げていて、放電したら充電するよう案内しています。
乗らない間も、日が当たればパネルが充電を続けてくれる。
ソーラーパネルを付ける理由は、ほぼこれに尽きます。
ソーラー充電に必要なものは?
揃えるものは大きく4つです。
- ソーラーパネル:光を電気に変える本体。硬い板のタイプ(リジッド)と、曲がるタイプ(フレキシブル)がある
- チャージコントローラー:パネルとバッテリーの間に入って充電を管理する機器。バッテリーを過充電から守る
- 配線とヒューズ:パネル・コントローラー・バッテリーをつなぐケーブルと、異常なときに回路を切るヒューズ
- 固定部材とシーリング材:パネルを船に留めるボルトや金具と、穴から水が入らないようにする防水材

チャージコントローラーは付けるのが基本
パネルをバッテリーに直接つなぐと、満充電になったあともパネルは発電を続けます。
その流れを調整して、バッテリーを過充電から守るのがチャージコントローラーの役目です。
Renogyも、コントローラーはパネルからバッテリーへ流れる電力を調整し、過充電や不適切な充電からバッテリーを守るものだと説明しています。
キットによっては、パネルにコントローラーが付属しているものもあります。

筆者のパネルにも、チャージコントローラーが付いていました。
パネルだけを単品で買うときは、コントローラーが入っているかを先に確認しておくと安心です。
ヒューズはパネル側とバッテリー側の2か所
Renogyの10A PWMコントローラー「Wanderer 10A」の取扱説明書では、ヒューズを2か所に入れるよう勧めています。
場所は、ソーラーパネルとチャージコントローラーの間と、チャージコントローラーとバッテリーの間。
同じ説明書には、Wanderer 10Aならコントローラーとバッテリーの間に10Aのヒューズ、という例が載っています。
製品が変わればヒューズの容量もケーブルの太さも変わるので、使う製品の説明書の表で決めてください。
固定部材と防水のシーリング材
固定のしかたはパネルによって違い、たとえばBougeRVの曲がるパネルは吊り穴や接着剤などで取り付けられます。
どちらの場合も、船体に穴をあけるならシーリング材は欠かせません。
穴のまわりから雨水やしぶきが入れば、キャビンの中への雨漏りにつながります。
パネルは硬いタイプと曲がるタイプのどっちがいい?
ボートに付けるパネルは、ガラスとアルミ枠でできた硬い板(リジッド)と、薄くて曲がるフレキシブルの2種類から選びます。
同じ100Wでも、重さと厚みはまるで別物です。
| 項目 | Renogy RSP100DC-G1(硬い板) | BougeRV Arch Pro 100W(曲がる) |
|---|---|---|
| 公称最大出力 | 100W | 100W |
| 重さ | 5.9kg | 2.1kg |
| 大きさ・厚さ | 865×578×30mm | 厚さ2.5mm |
| 表面・構造 | 低鉄強化ガラス+アルミフレーム | ETFE+EVA+ガラス |
平らな屋根に穴をあけて付けるなら硬い板
筆者が選んだのは硬い板のタイプで、キャビンの屋根の上に付けています。
Renogyの100W 12Vパネル「RSP100DC-G1」は、低鉄強化ガラスとアルミフレームの構造で、重さは5.9kg。
開放電圧が25V未満に設計されていて、PWMとMPPTのほとんどのコントローラーと組み合わせられるとメーカーは説明しています。
そのぶん曲がらないので、付けられるのは平らな面に限られます。
曲がるタイプは、屋根が丸い船や軽さを優先したい人向け
BougeRVの「Arch Pro 100W」は厚さ2.5mm、重さ2.1kg。
硬い100Wパネルの3分の1ほどの重さです。
メーカーは使う場所の例にボートを挙げていて、取り付けは吊り穴や接着剤などに対応しています。
キャビンの屋根に丸みがある船や、上に重いものを載せたくない小さめの船なら、曲がるタイプが候補になりますね。
チャージコントローラーはPWMとMPPTのどっちを選ぶ?
チャージコントローラーの充電方式には、PWMとMPPTの2つがあります。
PWMは、電流のオンとオフを細かく切り替えて充電を調整する方式。
MPPTは、パネルがいちばん多く電気を出せる状態を追いかけながら充電する方式です。
Renogyは、パネルの電圧がバッテリーの電圧に近い小さなシステムならPWMでも実用的だとしています。
パネルの電圧が高いとき、規模が大きいとき、あとで増やすつもりがあるときは、MPPTのほうが合いやすいという説明です。
価格はPWMのほうが安め。
Renogyは、PWMは天気によって充電の効率が左右され、曇りや雨の日は充電量が少なくなると書いています。
天気が悪いと発電が落ちるのはMPPTでも同じで、条件が変わる場面ではMPPTのほうが効率で有利になりやすい、というのがRenogyの説明です。
| 項目 | Renogy Wanderer 10A | Renogy Rover Li 20A |
|---|---|---|
| 方式 | PWM | MPPT |
| 定格充電電流 | 10A | 20A |
| 12Vで使えるパネル出力 | 120Wまで | 260Wまで |
| 最大入力電圧 | 50V DC | 100V DC |
| 寸法 | 119×75×27.5mm | 210×151×68mm |
Wanderer 10Aで100Wのパネル1枚は足りる?
足ります。
Wanderer 10Aは12Vシステムで120Wまでのパネルに対応していて、100W 12VのRSP100DC-G1を1枚ならこの範囲内です。
本体は119×75mmと小さく、自己消耗は10mA未満と公表されています。
Rover Li 20Aはパネルを増やしたい人向け
Rover Li 20Aは、12Vシステムで260Wまでのパネルに対応するMPPTコントローラー。
100Wのパネルなら2枚まで入る計算になります。
最大入力電圧は100V DC。
パネルを直列でつなぐなら、つないだパネルの開放電圧の合計が100Vを超えない範囲に収める必要があります。
BMSの保護モードに入ったリチウムバッテリーに小さな電流を送って、充電を再開させる機能付き。
Bluetoothモジュール(BT-2)とのセットも用意されていて、スマホで状態を見たい人はそちらを選べます。
本体の消費電力は12Vで100mA以下で、Wanderer 10A(10mA未満)より大きめ。
大きさも210×151×68mmとWanderer 10Aよりひと回り以上大きいので、置く場所は先に考えておきたいところです。

単体で選ぶときは、まず「つなぐパネルのW数が入るか」を見てください。
パネルとコントローラーをまとめて揃えるなら?
1つずつ選ぶのが面倒なら、コントローラーが付属したキットもあります。
ECO-WORTHYの「25W 12V 単結晶ソーラーパネルトリクル充電器キット」は、25Wのパネルと10AのPWMコントローラーのセット。
パネルの大きさは42.9×34cmで、RSP100DC-G1(86.5×57.8cm)と比べるとかなり小さく収まります。
コントローラーは12V/24V対応で、USB出力(5V/1.2A)も付いています。
トリクル充電は、減ったぶんを少しずつ補うような充電のこと。
船を置いている間の減りを補う目的なら、まずはこのくらいの大きさから試すのもアリかなと思います。
公式の仕様欄にヒューズの記載はないので、ヒューズは別に用意してください。
取り付けはどんな流れ?
筆者の場合、パネルの固定に1時間、配線に2時間ぐらい。
全部自分でやって、ちょっと大変でした。
取り付けの流れ
- 場所を決める:キャビンの屋根など、影になりにくく平らな面
- パネルを固定する:穴をあけてボルトで留め、穴のまわりをシーリング
- コントローラーを置く:水がかからず、乾いていて風通しのよい場所に取り付け、配線を通す
- 配線をつなぐ:バッテリーとコントローラーを先につなぎ、最後にパネルをつなぐ
穴をあける前に、天井の裏を確かめる
筆者はキャビンの天井に穴をあけて、ボルトとシーリングで留めました。
穴をあける前に、天井の裏に配線や補強が通っていないかは必ず見てください。
キャビンの屋根は、FRPの間に芯材を挟んだ構造になっていることがあり、穴から水が入ると芯材が傷みます。
屋根の構造も含めて、どこまであけて大丈夫かは、船を買った販売店やボートメーカーに確認してください。
シーリング材は、船用として売られているものを選びます。
3Mのマリン用シーラントには、強さ別に種類があります。
3Mの用途別の表では、ネジ穴のシールは「Fast Cure 4000 UV」がBest、「Fast Cure 4200」がGoodという評価です。
4000 UVは、やり直しや修理が必要になったときに取り外せるタイプで、色が変わりにくいのが特徴。
表面が乾く(タックフリー)までの目安は15〜30分。
パネルはいつか交換することもあるので、ボルト穴には外せるタイプを選んでおくと後で困りません。
4200は中くらいの強さで、長く使ったあとでも部品を外せるシーラントとして3Mが案内しています。
タックフリーの目安は50〜90分です。
5200と5200 FCは、3Mの分類で「Permanent(恒久)」の強力タイプ。
5200 FCは表面が乾くまで1〜2時間、24時間で硬化します。
強いぶん、外すのはかなり大変。
配線はバッテリーとコントローラーを先につなぐ
Renogyの取扱説明書は、先にバッテリーとチャージコントローラーをつなぎ、そのあとでパネルをつなぐよう指示しています。
バッテリーがつながっていない状態でパネルをつなぐと、コントローラーが故障するおそれがあるからです。
同じ説明書には、つなぐときに火花が出ることがあるので、近くに可燃物やガスがないか確かめるようにとも書かれています。
ガソリンを積んでいる船なら、燃料タンクや給油口のそばでの作業は避けてください。
製品によって手順が違うこともあるので、最後は手元の説明書の順番に従ってください。

配線はもっと綺麗にしたらよかった、と反省してます。
なんせ真夏の作業だったんで暑すぎた。
今のところ不具合はないんですけどね。
コントローラーは乾いた風通しのよい場所に置く
Wanderer 10Aの取扱説明書では、コントローラーを換気がよく涼しい、乾燥した場所に取り付け、水に触れないよう注意しています。
バッテリーについては、密閉された場所に置かないよう書かれています。
充電中に爆発性のガスが出ることがあり、閉じた場所にたまると危ないためです。
充電しているあいだは、しっかり換気した状態で使ってください。
バッテリースイッチは、コントローラーとバッテリーの間に入れない
船には、バッテリーを切り離すスイッチが付いていることが多いですよね。
チャージコントローラーのバッテリー側の線は、このスイッチを通さず、バッテリーにつなぎます。
Wanderer 10Aの製品ページには、ON/OFFや切り替えのためのスイッチをコントローラーとバッテリーの間のケーブルに使わないこと、パネルがつながっている間はバッテリーとの接続を必ず保つことが書かれています。
バッテリーとの接続が切れると、機器が故障するおそれがあるためです。
付けてから何が変わった?
付けてから変わったのは、エンジンのかかりです。

付ける前はバッテリーを上げてたのが、今はエンジンのかかりがめっちゃいい。
特に冬。
それでも上がったら?ジャンプスターターを積んでおく
ソーラーパネルを付ける前、バッテリーが上がったときにエンジンをかけたのは、ジャンプスターターでした。

車用のバッテリ上がりで使えるやつを船に積んでて、一度これでエンジンをかけました。
ジャンプスターターは、上がったバッテリーにクリップでつないで、エンジンをかけるぶんの電気を外から足す道具。
ソーラーパネルが「上がらないようにする」ものなら、こちらは「上がってしまったときにかける」もの。
役割が違うので、筆者はソーラーを付けた今も両方とも船に載せたままにしています。
選ぶときは、排気量と水への強さを見る
ジャンプスターターには、かけられるエンジンの大きさ(排気量)の上限が書いてあります。
自分の船外機の排気量を取扱説明書で確かめて、その上限に収まる物を選んでください。
船の上で使うので、水しぶきへの強さ(防水の等級)と、クリップを逆につないだときに守ってくれる機能があるかも見ておきたいところ。
つなぐ順番は製品ごとに決まっているので、使う前に説明書の手順どおりにつないでください。
NOCO GB40は、メーカーがボートでの使用をうたっている
筆者が積んでいるのはメーカーの分からない車用ですが、これから選ぶなら、ボートで使えるとメーカーがはっきり書いている物だと迷いにくいですね。
NOCO GB40は、メーカーが「車・ボート・キャンピングカー・トラックなど」向けとしている12Vのジャンプスターター。
対応はガソリンエンジン6.0Lまで、ディーゼルエンジン3.0Lまで。
防水・防じんはIP65で、つないだときの火花を防ぐ仕組みと、逆につないだときの保護も付いています。
ボートのソーラーパネルでよくある質問(FAQ)
ソーラーパネルはチャージコントローラーなしでバッテリーにつないでもいいですか?
チャージコントローラーは付けるのが基本です。
パネルは満充電になったあとも発電を続けるので、コントローラーで充電を調整してバッテリーを過充電から守ります。
キットによってはパネルにコントローラーが付属しているので、買う前に内容物を確かめてください。
パネルのW数とチャージコントローラーはどう合わせればいいですか?
コントローラーごとに、つなげるパネル出力の上限があります。
たとえばRenogyのWanderer 10Aは12Vシステムで120Wまで、Rover Li 20Aは260Wまでです。
つなぐパネルの合計W数が上限に収まるものを選んでください。
配線はどの順番でつなぎますか?
Renogyの取扱説明書では、先にバッテリーとチャージコントローラーをつなぎ、そのあとでソーラーパネルをつなぐよう指示しています。
バッテリーがつながっていない状態でパネルをつなぐと、コントローラーが故障するおそれがあります。
製品ごとに手順が違うことがあるので、説明書の順番に従ってください。
ヒューズはどこに入れますか?
Renogyの取扱説明書では、ソーラーパネルとチャージコントローラーの間、チャージコントローラーとバッテリーの間の2か所に入れるよう勧めています。
容量はコントローラーやパネルによって変わるため、説明書の表で決めてください。
曲がるフレキシブルパネルは船に付けられますか?
付けられます。
BougeRVのArch Pro 100Wは使う場所の例にボートを挙げていて、吊り穴や接着剤などで取り付けられます。
厚さ2.5mm、重さ2.1kgと軽く、屋根に丸みがある船にも沿わせやすいタイプです。
キャビンの天井に穴をあけるとき、シーリング材は何を使えばいいですか?
船用として売られているシーリング材を使います。
3Mの用途別の表では、ネジ穴のシールは取り外せるタイプのFast Cure 4000 UVがBest、Fast Cure 4200がGoodとされていて、恒久タイプの5200系は二度と外さない所向けです。
穴をあける前に、天井の裏の配線や補強、屋根の構造を販売店やボートメーカーに確かめてください。
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