小型船舶の法定備品は何を積む?限定沿海の23ftに載せている一覧と、法定外で役立っている物

今の船の航行区域は限定沿海です。法定備品は、販売店やマリーナで買った物、通販で買った物、中古で買ったときに最初から積んであった物が混ざっています
船はヤマハのUF23で、23ftの船外機艇。
小型船舶の法定備品は、航行区域と船の長さで種類と数が決まります。

法定備品って、結局どれをいくつ積めばいいの?

通販の法定備品セットを買えば、それで足りるのかな
いちばん確かなのは、JCI(日本小型船舶検査機構)が出している法定備品の一覧表です。
ただ、一覧表は平水から沿海までが1枚に入っていて注記も多く、自分の船に関係する行を拾うのに少し手間がかかります。
限定沿海の23ftの船外機艇で要るのは、係船・救命・消防・排水・航海用具・工具の6つのくくりと、船体の表示2つ。
法定外では、シーアンカー、スパンカー、充電式のシャワー、ジャンプスターターを積んでいます。
この記事でわかること
- 限定沿海の小型船舶に要る法定備品と数(JCIの一覧表から)
- 沿岸・沿海に航行区域を広げると増える備品
- 期限がある信号紅炎と、型式承認番号が公式に載っている備品
- 法定外で積んでいて役立っている4つ
そもそもマイボートを持つか迷っているなら
船を持つと決めるまでに考えたことと、持ってみての良し悪しは別の記事に書きました。
限定沿海の小型船舶に必要な法定備品の一覧
JCIの一覧表では、平水と限定沿海は同じ列にまとめられています。
旅客定員12名以下の一般の船で、23ftの船外機艇(全長12m未満)に当てはめると次のとおりです。
| 区分 | 備品 | 数 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 係船 | 係船索(ロープ) | 2本 | ― |
| 係船 | アンカー | 1個 | 岸壁や桟橋に係留し、錨泊しない船などは不要 |
| 係船 | アンカーチェーン又は索(ロープ) | 1本 | アンカーと同じ |
| 救命 | 小型船舶用救命胴衣 | 定員と同数 | TYPE A・Dなど |
| 救命 | 小型船舶用救命浮環又は救命浮輪 | 1個 | 15m以上の救命索を付ける |
| 救命 | 小型船舶用信号紅炎 | 1セット(2個入り) | 有効な無線設備があれば不要 |
| 消防 | 小型船舶用粉末消火器又は液体消火器 | 船外機は1個(それ以外は2個) | 赤バケツなどを備えると1個減らせる |
| 排水 | バケツ | 1個 | 船外機の船はバケツ1個(消防用と兼用可) |
| 航海用具 | 音響信号器具 | 1個 | 笛でも可。汽笛は全長12m未満なら不要 |
| 航海用具 | 船灯 | 全長と夜間航行の有無で決まる | 夜間航行が禁止されている船は不要 |
| 航海用具 | 黒色球形形象物 | 錨泊する船は1個 | 全長12m未満は、錨泊する船と港域・航路をよく通る船(2個)以外は不要 |
| 航海用具 | 航海用レーダー反射器 | 1個 | 夜間航行が禁止されている船・湖川だけの船は不要。建造時期でも変わる |
| 工具 | ドライバー・レンチ・プライヤー・プラグレンチ | ドライバーとレンチは1組、ほかは1個 | レンチはモンキー1個でも可。プラグレンチはガソリンエンジンの船 |
| 表示 | 最大搭載人員 | 必要 | ― |
| 表示 | 救命胴衣の「格納・着用」 | 必要 | ― |
この表に無い双眼鏡・ラジオ・コンパス・海図・火せんは、平水と限定沿海では求められていません。
救命いかだ(または救命浮器)も、限定沿海なら基本は要りません。
例外は5トン以上で、5海里を超えて走れる限定沿海の船で、このときは定員分が必要になります(有効な信号を出せる設備があれば不要)。
限定沿海は「2時間で往復できる範囲」、さらに5海里の制限が付くことも
JCIの用語解説では、限定沿海は港などの平水区域から最強速力で2時間以内に往復できる沿海区域内の水域。
船体の構造や設備によっては、その中でも海岸から5海里以内に制限されます。
自分の船は沿岸5海里以内の限定沿海です。
どこまで走れるかは、船舶検査証書の「航行区域又は従業制限」の欄に文章で書かれています。

一覧表を注記まで読むと、船外機の船は消火器もバケツも1個ずつで済むんですよね。赤バケツを置けば消火器を1個減らせる、という注記まで付いています
救命胴衣はTYPEと人数を合わせる

救命胴衣は定員と同じ数が要り、平水・限定沿海で積めるのはTYPE AとTYPE Dが基本です。
TYPE B・C・E・Fは、不沈性とキルスイッチを持つ船に限って認められています。
形の違いや膨脹式のボンベ交換は、桜マーク付きライフジャケット(タイプA)の選び方にまとめています。
沿岸・沿海に広げると増える法定備品
航行区域を広げたときに増える物は、同じ船でも少なくありません。
平水・限定沿海と比べて、増える物と変わる物は次のとおりです。
| 備品 | 平水・限定沿海 | 沿岸 | 沿海 |
|---|---|---|---|
| 救命胴衣のTYPE | A・Dなど | A・Dなど | Aのみ |
| 救命いかだ又は救命浮器 | 原則不要 | 不要 | 定員の100% |
| 救命浮環 | 1個 | 1個 | 2個 |
| 小型船舶用信号紅炎 | 1セット | 1セット | ―(信号紅炎ほかに変わる) |
| 信号紅炎・自己点火灯・自己発煙信号・発煙浮信号 | ― | ― | 各1個 |
| 小型船舶用火せん | ― | 2個 | 2個 |
| EPIRB・SART | ― | ― | 各1個(長さ12m未満は不要) |
| 消火器 | 2個(船外機1個) | 2個(船外機1個) | 3個(船外機2個) |
| ビルジポンプ | ― | ― | 1台 |
| 双眼鏡 | ― | 1個 | 1個 |
| ラジオ | ― | 1台 | 1台 |
| コンパス | ― | 1個(GPSで代替可) | 1個 |
| 海図 | ― | 1式(参考図などで代替可) | 1式 |
| 無線電信又は無線電話 | ― | ― | 1個(長さ12m未満は不要) |
| 国際信号旗 | ― | ― | NC旗 |
沿岸は、沿海区域のうち本州・北海道・四国・九州とその付属の島の海岸から5海里以内と、平水区域に限られた区域。
限定沿海と沿岸はどちらにも「5海里」が出てきてまぎらわしいのですが、一覧表では別の列で、沿岸の船には双眼鏡・ラジオ・コンパス・海図・火せんが加わります。
沿海まで広げると、救命いかだやビルジポンプまで入ってきます。
EPIRBと無線は、長さ12m未満の船なら沿海でも求められていません。

航行区域を広げるなら、備品を足せば済むの?

備品だけでは済まないです。JCIの一覧表には、沿海の定期検査では船体の上架などの準備も要ると書かれています
期限がある信号紅炎と、型式承認番号の確かめ方
法定備品のなかで、使っていなくても買い替えの時期が来るのが信号紅炎です。
国際化工の小型船舶用信号紅炎 SF-2なら、有効期間は3年6ヶ月。
自分は期限を見るタイミングを船検の前と決めていて、期限切れの交換で困ったことは今のところありません。
消火器は期限の話ではありませんが、外側に錆や腐食が出た物は破裂のおそれがあるので使わず交換するよう、JCIが注意しています。
買い足すなら、型式承認番号が公式に載っている物を
救命浮環・信号紅炎・消火器は、メーカーの製品ページに国土交通省の型式承認番号が載っている物を選ぶと迷いません。
通販では、平水・限定沿海向けの法定備品セットも売られています。
セットなら、買う前に中身の一つずつの型式承認番号を確かめてください。
数が自分の船の定員や航行区域と合っているかも、一緒に見ておくと安心です。
初田製作所 CSP-3X(小型船舶用粉末消火器)
初田製作所 CSP-3Xは、型式承認番号が第4762号の小型船舶用粉末(ABC)消火器です。
薬剤量は1.0kg、総質量は約2.2kgで、放射時間は約12秒(20℃)。
12秒で出し切ってしまうので、置くのはすぐ手に取れる場所がいいですね。
JCIも、目につきやすく持ち出しやすい場所に設置するよう案内しています。
定価は税込13,750円です。
日本船具 NS-39-Ⅱ(小型船舶用救命浮環)
日本船具 NS-39-Ⅱは、型式承認番号4564の小型船舶用救命浮環。
定価は11,000円(税別)です。
JCIの案内では、救命浮環には浮く救命索を15m以上付けて、絡まない状態で、すぐ投げられる場所に置いておく必要があります。
浮環に船名か船舶番号、それに船籍港か定係港を書いておくことも、同じページで案内されています。
国際化工 SF-2(小型船舶用信号紅炎)
国際化工の小型船舶用信号紅炎 SF-2は、型式承認番号が第4026号の2本1組。
炎は1分以上続き、明るさは400カンデラ以上です。
メーカーの説明では、火薬類取締法ではがん具煙火の扱いになるので、販売に都道府県知事の許可は要りません。
使うのは、救助の船や航空機が見えたとき。
キャップのスリ紙で発火点をこすり、手に持ったまま風下に向けて高く掲げる使い方です。
法定外で積んでいて役立っている4つ


シーアンカー、スパンカー(これは装備品だけど)、それにシャワー。あとはジャンプスターターも積んでいます
このうちスパンカーは船に取り付ける装備で、積み込む備品とは少し性格が違います。
ここで挙げる商品は、自分の船に積んでいる物の紹介ではなく、メーカーの公表スペックを見て選んだものです。
ジャンプスターター|一度これで助かった

車用のバッテリ上がりで使えるやつを、そのまま船にも置いています
出番はこれまで1回。
船のバッテリーが上がったとき、これで船外機をかけられました。
どの船外機でも同じようにかけられるとは限らないので、選ぶときは対応するエンジンの大きさを見ておく必要があります。
上がった原因と、そのあと付けたソーラーパネルの話はボートのバッテリー上がりとソーラーパネルに書きました。
NOCO GB50は、日本の代理店(阿部商会)が自動車やボート、モーターサイクルに使えるとしているNOCOのジャンプスターターです。
対応はガソリン7.0L・ディーゼル4.5Lまでで、満充電なら最大約30回のジャンプスタートができます。
防水・防じんは差込口を閉めた状態でIP65、重さは1.38kg。
クランプを逆につないだときの保護と、火花を防ぐ仕組みも付いています。
ひとつ下のGB40と比べると対応する排気量とバッテリー容量が大きく、本体の温度を知らせるLEDはGB50だけに付いています。
12Vの出力は無いので、電動リールなどの電源には使えません。
定価は税込34,100円です。
シーアンカー|ドテラ流しで船の流れを遅くする
シーアンカーは、ドテラ流しなどで船が流されるスピードを遅くするのに使っています。
法定備品ではありませんが、流し釣りをするなら積んでおきたい物のひとつです。
BMOは、艇の形や使い方で利き方が変わるとして、ワンサイズ大きめを選ぶよう勧めています。
艇長ごとのサイズとワイズギアとの違いは、BMOとワイズギアのシーアンカー全7サイズの比較で比べました。
BMOのシーアンカー&ロープセットは、LとXLならメインロープ(φ10mm×12m)と回収ロープ(φ6mm×5m)付き。
XLの適合は28ft以下(目安)で、セットの定価は11,200円(税別)。
ロープを別に揃える手間を考えると、最初の1つはセットにしておくと楽です。
充電式シャワーとポリタンク|釣りのあとに淡水で手を洗う

シャワーは、淡水をもっていって、釣り後に手を洗えるやつ。充電式のポータブルシャワーとポリタンクの組み合わせです
FIELDOORのポータブルシャワーは、ポンプを水の中に沈めて使う充電式で、バッテリーは8,000mAh。
水圧は5段階で、いちばん強い毎分約6Lなら約80分、いちばん弱いモードなら約180分続けて使えます。
防水はIPX8、充電はUSB Type-Cです。
温水にも使えますが、60℃以上の水にポンプを入れるのは不可。
ポンプの大きさは幅約9.5cm×奥行約11.5cm。
ポリタンクと組み合わせるなら、口から入る大きさかを先に確かめてください。
手元のレバーで水量を絞ったり止めたりできるので、限られた量の淡水を少しずつ使うのにも合っています。
小型船舶の法定備品でよくある質問
小型船舶の法定備品は何をそろえればいいですか?
航行区域と船の長さで決まります。
限定沿海の23ft船外機艇なら、係船索2本、アンカーとアンカーロープ、定員分の救命胴衣、救命浮環1個、小型船舶用信号紅炎1セット、消火器1個、バケツ、音響信号器具、工具一式、最大搭載人員と救命胴衣の表示などです。
限定沿海と沿岸で法定備品は違いますか?
JCIの一覧表では、沿岸の船には双眼鏡・ラジオ・コンパス・海図・火せんが加わります。
コンパスはGPS、海図は航海用の参考図などで代えられる場合があります。
信号紅炎の有効期限はどれくらいですか?
国際化工の小型船舶用信号紅炎SF-2は、有効期間が3年6ヶ月です。
平水・限定沿海の船は、有効な無線設備を備えていれば小型船舶用信号紅炎が不要とされています。
法定備品は通販で買ってもいいですか?
小型船舶用の型式承認品は通販でも売られていて、自分の船の法定備品にも通販で買った物が混ざっています。
通販で買う場合は、メーカーの公式ページで型式承認番号を確かめられる物だと安心です。
シーアンカーは法定備品ですか?
法定備品の一覧表にシーアンカーはありません。
ドテラ流しなどで船の流れを遅くする道具として積んでいます。
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